ジュリエット (角川ホラー文庫)

著者 : 伊島りすと
  • 角川書店 (2003年9月発売)
2.56
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  • 本棚登録 :54
  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043700028

ジュリエット (角川ホラー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • はいはい、毎度(以下略)。今月どうよ、このクソ本率。といっても、角川ホラーの高いハズレ率からいうと、さほど意外でもありませんが。

    父親の失業とともに、小さな島の開発が失敗したホテルの廃墟に住むようになった家族の不思議な体験。

    プロットから背景の作り方から、突っ込みどころ満載なのはおいておいて、この作者は非常に真面目なのはよくわかる。文章はそれなりに丁寧に書かれていて、少し前に読んだあさのあつこのように、読んでいる最中に投げ捨てたくなることはなかった。

    しかし、はじめから7割位まで、まったくもって何に焦点を当てたいのかわからない散漫な文章に加え、中途半端に夢の話を混ぜて混乱させ、さらに虫やカエルなどの本筋と関係ない部分での恐怖の対象を作ってしまうなど、ボケボケである。

    さらに、「ホラーにしなきゃ」と思ってるんだろうけど、のっけからの死体の腐敗、車に踏み潰されるカエルなど、本当に無駄としか言いようのないグロ表現に情熱を注ぎまくっているため、どこに恐怖を持てばよいのかわからん。

    また、14歳の女の子視点で一貫していればいい話なのに、父親に視点を移してみたり、挙句に5歳児なんかに視点を移すもんだから、「見えない部分の恐怖」みたいなものが一つもない。

    7割方終わったところで、ようやく本題の「思い出に食い殺される」が始まるのだが、こちらは恐怖というよりも、グロを交えた単なるノスタルジーであって、ホラーでもなんでもないというオチ。

    そもそも、これまでに死んだ人の思い出っていうのなら、5歳の子供よりも40代のおっさんのほうが多いはずで、プロットなり重点を置く場所について、根本的に間違った小説といえる。

  • ホラー小説大賞。でしたっけ?
    ホラーといっても怖いとかじゃなくて、どことなく幻想的なとかそういう「非現実」を扱ったものが多くて自分の好みにあったものが多いのが嬉しいです。

    今回もそういう前評判を聞いて読んだんですが・・・なんだろう?嫌悪感を招くような表現やストーリー展開ばかりでこれといって読むべきところを感じられなかった。
    読んでいて次の展開が気になるということもなく、淡々とページをめくり読み進めるのみで終わってしまいました。

  • 南の島の土着的な物語。

    透明感のある世界に、溶け込むように生きているフミオ。

    不思議な出来事が、不思議に感じられない世界観がすごい。

    ホラーというよりはファンタジー。

    あなたには、

    忘れられない、忘れたくない思い出ってあります?

  • 「貝殻の復讐」
    貝の死ぬところを見ると呪われるという、
    伝え話を聞く主人公。まあ、フラグです。
    そして、むか~しの嫌な記憶が帰ってくる。
    あなたは耐えられない記憶はありますか。
    あなたは思い出せない記憶はありますか。
    あなたは吐きそうになる記憶はありますか。
    きっとあるのでしょうね。

  • 沖縄の霊的なものを題材にしてるんだけど、
    なんとなくまとまってない感じ。

  • 小泉健二は、娘ルカ(中学生)と息子洋一(小学生)を連れて南の島に来た。
    妻は、神戸の震災の時に過労で死んでしまってた。
    ここは、亡き妻との思い出の地だった。
    この思い出のある南の島で健二は、建築途中であるゴルフ場の管理をする仕事をすることになっていた。
    島に来て海に潜ると洋一にせがまれて貝を採ってきた健二。
    その貝は、水字貝。
    楕円形の本体から周囲にあちらこちから六本の折れ曲がった細長い突起が突き出している。
    その貝を貝殻にしようとした時に、島の老人に出会う。
    その老人は、”魂抜け”と言葉を教えて、中身に紐を付けて石の錘を利用して中身を取る細工をした。
    老人は、貝から中身を落ちる所を決して見てはいけないと言った。
    だが健二たち家族は、中身を落ちる瞬間を見てしまった。
    翌日、仕事のためにゴルフ場の中にある建築途中のクラブハウスに移り住んだ。
    この日を境に健二たち家族三人の周りで不思議な出来事が起こり始める・・・・。

    第八回日本ホラー小説大賞受賞作品です。
    終わり方は、ちょっと感動的でもあります。
    しんみりとした余韻と登場人物のそれぞれの思いを書いた作品です。
    どこか日本的なホラーを思わせます。
    ホラーらしいホラーと言えるのではないでしょうか?
    個人的には満足をした作品です。

  • ホラー

  • 第8回日本ホラー小説大賞大賞受賞作品!
    ゴルフ場跡地の管理の職をえて南の島にやってきた親子3人。島に伝わる"魂抜け"の
    儀式を偶然目撃してしまった彼らの周りで不思議な出来事が起こり始める……。
    ホラーの領域を更に広げたと言わしめた大傑作、登場!

  • 震災で妻を無くした小泉健次は娘と息子を連れ、南の島に訪れた。建設が頓挫したゴルフ場の管理をする為に訪れたその地は無き妻との思い出の場所でもあった。
    息子にせがまれて取った水字貝の中味を抜き、貝殻にしようと浜に出た健次は、そこで老人から魂抜けの話を聞く。貝から中味が落ちるところを見ると暗い思い出を思い出し、その思い出に食い殺されるから決して見るなと――
    だが、3人は偶然にもその瞬間を目撃してしまった。



    前半部分は陰気な感じが物凄くします。健次と娘のルカが自虐的なので暗いというか重いですね。
    3人がそれぞれに抱える負の部分を出して行くので重苦しい感じで読みづらいというのが本音。でもこの暗さが無いと後半が生きて来ないのも良く判る。暗ければ暗いほどいい感じになるという具合ですね。
    “出て”来ますが、それが見えるのは本人だけでは無く、プラスαもあり、また何故出てくるのかという理由は面白いです。こういう設定があったのか!という感じでとっても新鮮でした。

    何故こんなタイトルなんだろう、とずっと思いながら読んでましたが、読んでみて納得。直接的では無いけれどこのタイトルは良いです。いい感じにリンクしてます。
    個人的にエピローグは蛇足かなと思ったり。

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