夏の滴 (角川ホラー文庫)

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  • 角川書店 (2003年9月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784043703029

作品紹介・あらすじ

小学4年生の真介のクラスで流行りだした「植物占い」の謎、突然の転校に行方不明者…。子供たちの背後で進められる驚天動地の計画とは? 瑞々しい描写とグロテスクな着想が絶賛されたニューウェーブ・ホラー!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語は、小学4年生の真介を中心に展開される不思議な「植物占い」と、突如として現れる転校生の行方不明事件を描いています。瑞々しい描写とグロテスクな発想が融合し、読者を引き込む力があります。特に、登場人物...

感想・レビュー・書評

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  • 暑さが不快な夏の午後に一気読みするには最高の小説だった。非常に好き。

    集団でクラスメイトをいじめるクソガキでありながら、あくまで友情にあつい小学生たちとして主人公一味が描かれるズレ具合。爽やか夏休みジュブナイルミステリものかと思いきや、クラスメイトは親に殺されてグズグズに加工されているというネタのエグさ。唐突な近親相姦から急加速してZ級ホラーに化けていく展開がたまらなかった。

    どうせ辻褄合わせようもない薬効云々のプロットはこの際どうでもよくて、純真な子供が虫を残酷に殺して遊んだりする二面性と、すました顔で私利私欲を満たす大人たちの(子供視点での)不気味さの重ね方が本作の魅力だと思う。出てくる大人たちの行動原理そのものには全く感情移入できないけど、人間の道徳観の都合の良さ・ダブスタ具合を思えば、非受益者からみた人間なんてこんなもんだよねという痛烈な皮肉は理解できてしまう(作中のいじめられっこは作者自身がモデルらしく、そうするとこのルサンチマン視点も合点がいってしまう)し、動物の肉を食べながらペットを可愛がってる矛盾とか、普段目を瞑っている欺瞞を指摘されるような居心地の悪さがある。あと男として近親相姦シーンはシンプルにしんどい。総じて意地が悪い。

    賛否両論が極端な作品で、低評価のレビューを読んでいると笑える。角川ホラー文庫の黒い背表紙を意識せずに手に取った人たちは可哀想(皮肉ではない)。

    ホラーは小さく小綺麗にまとまった作品より、こういう行くところまで行ききったものの方がエンタメとして優れてると言いたい。ママの最後のシーンの計算されたしょうもなさなんか感動モノ。ジャンキーなホラーを楽しめる人間にはたまらない作品だろ、と思ったら実はホラー小説大賞をとっていて納得。

    きったないローカル本屋でボロボロの状態のものを50円で買い、不快な気分でクソ暑い夏に読む。これ以上なく正しい読み方だったと思う。たぶんずっと手放さない一冊。大満足。

  • 買うときはなんとなく、ついでに買ったような本であったが、かなり引き込まれた。
    着想の妙と展開の異形かつ滑らかさにどんどん読みすすみ、気がつけば予想を超えたラスト。
    あらすじからは想像もつかない物語で、登場人物の心が剥き出しにされていく過程は生々しい。
    大好きですね、この本。

  • 途中から物語全体の雰囲気がガラッと変わってしまった。テレホンサービスで奇妙な音が聞こえた所まではワクワクして読んでたんですけど、主人公が等々力?家の家系について探り始めた部分で疲れてしまいました。
    終盤からはSF?ファンタジー要素を組み込んできて身体が植物化するやら足が再生するやら不死身の御先祖が登場するやらでどったんばったん。もう何がなにやら。

  • 文章、プロット、ストーリー、背景から知識まで、一切がひどいという、ワーストオブワーストの1冊。

    田舎の小学校から、子どもたちが消えていく。その謎を解くきっかけは、嫌われ者の生徒が持ち込んだ「植物占い」という本だった…。

    最初の20ページ位ですでに「は?何書いてんの?」というような、まったくもって要領を得ないという、なんとも摩訶不思議な文章である。これが、部分部分は体裁を保っているようなのでたちが悪い。頭に入ってこないので、もう一度読み直したが、やはり文章が悪い。

    小学生を描き始めたところから、更にそれはひどくなり、小学生の要領を得ない会話を、要領を得ない説明文でつなごうとするものだから、苦痛を通り越して解脱しそうである。

    それでも我慢して読んでいくものの、キーとなる植物の知識もメチャクチャだし、その辺のなんてことのないものが力を持っているだの、挙句に植物そっちのけで「子供の死体を酒につければよい」などと言い始めたあたりは、投げ捨てようと思うレベル。タマゴタケは毒ねえよ馬鹿。

    本当に恐ろしいのはここから。角川ホラーも罪なことをする。ホラー中のホラーである。

    この状態で、なんとまだ半分終わっていないのだ。残り半分。ほぼヤケクソで読みましたが、宗田理を真似て書いた小学生の作文レベルの文章にしか思えませんでした。

    ・会話文が支離滅裂。
    ・会話をつなぐ文章が更に支離滅裂だし、会話を活かせていない。
    ・過去の資料を書いているのかと思ったら突然始まる会話。
    頭が痛い。

    ホラーにするならメカニズムをもっと細く設定すべきだし、堂々と自分の子供を殺しに来る実の親なんか、ひとっつも怖くないんだよ。

    古本でも残すべきでない1冊。ゴミ箱行き。
    今年のワースト作。これ以上ひどい本には出会わないだろうから。

    もっと怖いのが、このブクログでの評価は割と高いことだよね。身内が書いてのこれ?悪いレビューは消されたりして。ホラー文庫らしくていいねえ。

  • 後味わるー
    ホントに主人公小学4年生??
    ストーリーもすごいけど、人物設定もすごい
    何にも考察しないなら主人公にしずらいけどさ…

  • 読んでて素直に面白い!と思えた本。
    久しぶりに、すぐに読み返した本でした。

  • 3分の2過ぎたあたりから一気に方向性が変わる
    驚いた
    善とか正義って、どの方向から見るのが正しいのでしょうか???

  • 「植物の逆襲」
    植物占いが流行る。
    友人が行方不明。
    瑞々しい子供たち。
    しかし……。
    植物っておいしいよね。

  • 僕は藤山真介。徳田と河合、そして転校していった友達は、本が好きという共通項で寄り集まった仲だったのだ―。町おこしイベントの失敗がもとで転校を余儀なくされる同級生、横行するいじめ、クラス中が熱狂しだした「植物占い」、友人の行方不明…。混沌とする事態のなか、夏休みの親子キャンプで真介たちが目の当たりにした驚愕の事実とは!?子どもたちの瑞々しい描写と抜群のストーリーテリングで全選考委員をうならせた第八回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

  • 小学生が主人公ということで、気軽に読み始めたのですが。
    ホラーだったんですね・・・・。怖い。怖いよ。

    おもしろかった・・・のかな。どうなんだろ。
    最後まで一気に読んでしまったのは事実だけど。
    後味がすごく悪い。

    なんか、薄ら寒いのだ。
    車椅子の同級生をみんなで手助けしていい子かと思えば、陰湿ないじめをなんの疑問もなくやっている。
    妙に大人びた子供たち。

    そして、クラスに「動物占い」ならぬ「植物占い」が流行るのだが、それが実は・・・。
    ということで、展開があまりに意外というか想像を超えてました。
    途中の近親相姦もかなり私は引きましたね。
    少年たちの話なのにあまりにも絶望的な未来。

    きっと評価がかなり分かれるものになると思います。

  • うまく説明できないストーリー。そもそもこれはホラーなのか?
    いじめの場面は小学生らしからぬ感じがした。後半の展開が驚きというか大胆というか、、

  • 僕と河合、徳田の3人は、夏休みを利用して東京行きを決行した。急に転校していったクラスメートのジョンを訪ねるため……彼の転校には何か不可解なことがあった。足の不自由な徳田を囲むクラスへの取材で来ていたTVレポーターの江上さんに助けられながら、辿り着いたジョンの引越し先で見たものは……。やがてやって来た親子キャンプで、僕らは想像を絶する事実に直面する。

    大人の事情で消えるように転校していく友人、急に流行しだした「植物占い」、横行するいじめ、主人公と母親の歪んだ?関係……単純に言えば“鬼畜でインモラルで残酷マンセー”ってところだが、次々に提示される様々な要素を、クライマックスで明らかになる事実(中盤でおよその察しはつくんだが)にうまく収斂させているようにも感じた。
    背伸びはしてもしょせん子供なのだが、それ故の残酷さ―これまたホラーでは定番だけども―が描かれた「いじめ」のシーンは、本筋とは関係なしに不快にさせられる(それでいいんだけど)。

    第8回日本ホラー小説大賞の長編賞受賞作。この回の大賞作「ジュリエット」よりも、余程面白く読めた作品だったかと。

  • 子供達の残酷な描写(執拗ないじめ)がリアルで恐ろしい。しかもインモラル。
    第8回ホラー大賞長編賞受賞。

  • 子どもって残酷。ホラーテイスト満載でぶっとんでるけど、面白かった。

  • 中盤からそれ以降が「ホラー」。
    序盤は爽やか気味の展開で「どうかなぁ」と思っていたが、一気に進み後半は少しカオスになった。
    視点と言い、割と好きです。

  • この本は、一読した直後は「何この大胆すぎるラスト!?こんなんあり得ない!っていうか持って行き方が強引すぎない?」と批判だらけだったんですが、時が経つにつれてどうしても頭から離れなくて「もう一回読みたい!」となってしまうというなんとも不思議な本です。

    小学四年生の男の子が主人公。そこに絡んでくる車椅子の少年、いじめを黙認するクラス、植物占いから広がってゆく戦慄の計画が、一見爽やかに始まるストーリーを徐々にグロテスクなものに変えて行きます。

    途中までは難なく読めるものの、そこから瞬く間に衝撃の展開があって、読んでいるこっちはハラハラしっぱなし。ラストは小説の常識を覆すような異常な終わり方になっています。

    何度も読み返したくなる作品ナンバー1です。

  • NBNが制作する番組で取材に来ていた江上理沙子の助けを借りて、東京行きの列車に乗り込む藤山真介・川合みゆら・徳田芳照。小学4年生の彼らは転校していった友人・桃山ヨハネに会うために行動を起したのだった。
    町おこしイベントで巨額の借金を抱えた彼らの街。クラスではイジメが横行し、植物占いに熱狂していた。
    夏休みのサマーキャンプに参加した真介はそこで驚くべき事実を知ることとなる。



    当初これは「妙薬」というタイトルだったらしいのだが、「夏の滴」と改題されたそうな。
    「妙薬」というタイトルだったら手に取らなかっただろうな、と思ったので私的には改題万歳という感じです。でも話的には「妙薬」だとは思うけど(笑)

    イジメはあるし、人の闇の部分はあるし、気色悪いし、ハッピーエンドでもないのに何故か重くない。それが物凄く不思議。軽い文章でも無いし、軽い題材でも無いのに爽やかな感じすらするのは何故だろうと読み終わった今でも悩んだり(笑)
    前半はわりと淡々と進みます。ちらほらと謎な部分があり、後半でそれを徐々に解明して行く。解明した先にホラー色が入ってゆくという感じかな。なので全体的な感じとしてはホラーというより不可思議という意味でのミステリーという感じがします。
    盛り上がりである最後の見せ場は気味悪いというより気色悪い。そして最後の1文は毒々しく感じたり。

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