疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 247
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043707034

感想・レビュー・書評

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  • ヘラヘラと質の高い仕事をするためのノウハウを知ってるかの違いが同じような社会的プレッシャーを受けながら耐えられる人と潰れる人の違いを生み出している。

    仕事の目的は結果として価値あるものを作り出すことではない。人間が仕事に求めているのは突き詰めて言えば、コミュニュニケーション、ただそれだけです。やったことに対してポジティブなリアクションがあるとどんな労働も楽しくなります、一番辛いのは自分の行いが何の評価もされないこと。要するにやりとりをするのが人間性の本質で、それさえ満たされれば人間はかなり満足を覚えます。

    日本人の倫理性を担保しているのは、神ではなく、むしろ個人のうちに内面化し、身体化した社会規範です。

  • 「疲れすぎて眠れない」頃に何となく手にとった本。
    内容は予想と違ったが、「無理しすぎない」「我慢しすぎない」で「ほんとうの自分」を追い掛けすぎちゃ駄目だよー、というじんわりと優しい話だった。
    最近、仕事中にイライラしてしまうことが多かったが、読み終える頃には「そんなことにエネルギーを消費するよりも、自分のできることの品質を高めようかな」と少し心が軽くなっていた。可能性は無限だし有限、だから。

    きっと別の機会に読んだら違う箇所が響いてくる本だと思う。いつかまた読む。

  • 抜く
    ということの重要性。
    成長する
    ではなく
    立ち止まる
    ことの意味。

    当たり前なことが当たり前でない近代の病への処方箋。昼から飲むビールへの讃美歌。

    「草原のど真ん中の一本道を

    あてもなく浪人が歩いている

    ほとんどの奴が馬に乗っても

    浪人は歩いて草原を突っ切る

    早く着くことなんか目的じゃないんだ

    雲より遅くてじゅうぶんさ

    この星が浪人にくれるものを見落としたくないんだ

    葉っぱに残る朝露

    流れる雲

    小鳥の小さなつぶやきを聞きのがしたくない

    だから浪人は立ち止まる

    そしてまた歩きはじめる」
    15歳少年 山田洋次

  • 心に響くフレーズ
    ① 人間が仕事に求めているのは、突き詰めて言えば「コミュニケーション」です。
    ② 品の良い人というのは、節度を知る人のことです。

  • 【要約】


    【ノート】

  • さすがに今読むと「ん?それはないんじゃないか?」ってところが多いなー。特に資本主義に関する所あたりは詭弁といってもいい。
    ま、それにしてもほんと、七色の論理。さっと読むと「おおその通り!」とうなずかざるを得ない説得力はある。

    しかし文庫版のあとがきはひどいぞ。
    「今読み返すとだめなことを多く言っている」という自己総括があるんだが、いやそうであれば加筆修正してその旨を付記するなり、そもそも文庫版を出さないなりをするのが誠実な態度では?あとがきでさらっと言及して「それでもいいのだ」と開き直ることじゃないだろうよ。

  • 内田樹のエッセイ。タイトルと内容はそこまで関連していない。

    ・「らしく」ふるまう事は必要。
    ・そのために「型」がある。
    ・礼儀はディフェンスである。日本人はそれが弱い。
    ・日本人は他者志向(恥の文化)である。
    ・群をともにしたがる。
    ・自分の直感にも耳を傾けるべき。
    ・どんな制度にも賞味期限がある。
    ・核家族は不完全。
    ・核家族におじさん、おばさんを1人加えると良い。

  • 色々な考え方があるな~と感じさせる本。

    様々なテーマについて「 世間では常識と思われていることもちょっと違うかもよ」ということを述べてます。

    いわゆる雑記で、型にはまるのも、型がないのも疲れるし、色んな考え方があっていいんじゃないの?って感じを受けました。

    いくつか納得できたテーマは、
    ・グローバルスタンダードはアメリカンスタンダードで世界標準ではない。
    ・嫌な人に耐えることは、社会人なら当然というのは違うのではないか。
    ・地位を得たり、金を稼ぐためだけの仕事は虚しい、感謝や工夫や面白さや人との連携がある仕事は楽しい。
    ・個性とは、周りを知った上での人との違い。

    若干気になるのが、こういう人はこうである!とレッテル貼ること。
    こういう女性が多くなってきたとか、昔の人はとかこうだったとか、特にデータや根拠がなく、主観だけというのが厳しい。

    その主観が納得できるときは凄く面白いんですが、
    それは違うんじゃないの?と思うテーマは馬鹿らしくなります。

    期待していなかったぶん面白く読めましたが、裏付けがない主張が苦手な人は避けたほうがいいかも。

    他人との意見の違いを許容できる人にオススメです。

  • 村上春樹の小説の主人公が不条理に巻き込まれた際のディフェンス戦略がディセンシーという見解が面白い。礼儀正しさは身を守る。満足度6

  • 「自己」や「個性」というものを、より広い観点から見つめなおす手がかりになるような考察が展開されています。

    私たちが当然のように思っている、自分の欲望や個性を追求するという生き方を、一方では広く視野を取って歴史的な形成過程をたどることで、他方では繊細な身体からの呼び声に耳を傾けることで、改めて考えなおそうとしています。

    著者の他の本に比べると、少しまだるっこしいような印象もありますが、そのぶん著者の基本的な考え方が明確に示されているように感じます。

著者プロフィール

うちだ・たつる 1950年東京生まれ。武道家(合気道7段)。道場兼能舞台兼私塾「凱風館」館長。神戸女学院大学名誉教授。翻訳家。専門はフランス現代思想史。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ブログ『内田樹の研究室』。



「2019年 『そのうちなんとかなるだろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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