期間限定の思想 「おじさん」的思考2 (角川文庫)

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  • 角川書店 (2011年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784043707065

作品紹介・あらすじ

「女子大生」を仮想相手に、成熟した生き方をするために必要な知恵を伝授。自立とは? 仕事の意味とは? 希望を失った若者の行方は? 様々な社会問題を身体感覚と知に基づき一刀両断する、知的エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 「精神科を訪れる若い女性患者が激増している。30代の、先端的な仕事をしている、高学歴の独身女性にその傾向が強い。」
    「それは彼女たち自身があれほど望んで手に入れた『自分の生き方のすべてを自分で決定できる』権利には、『自分の生き方のすべてを自分で決定しなくてはならない』重苦しい責務が伴ってもいたからである。」
    「そのストレスは、その人がまっとうに生き、まっすぐに問題と対峙し、おのれの責任を全うし、問題をみごとに解決しても、それでも変わらない。100パーセントのサクセスを収めても、それでもなお、それらの責務をすべて『一人で』果たさなければならなかったことの重圧感が、疲労の『澱』となって心身の深層に分厚く蓄積してゆき、それが弱い酸のようにその人の生きる意欲をゆっくり蝕んでゆくのである。」

    別に若い女性に限らず、真理だと思う。恋愛結婚よりもお見合い結婚の方が離婚率が低い説なんかにも通じる気がする。

    かつて内田先生がラジオで話していたのかなと思うけど、人生において正しい選択をするためには?と尋ねられて「選択しないことですよ」と答えていた。
    選択するということは、右か左か、右すればアナコンダ、左すればクロコダイルという地点にすでに追い込まれているわけで、そうならないための方法が武道なわけでね。そんな追い込まれて暗い気持ちで選択した先に明るい未来があるわけがない。正しい選択ができる時というのは明るい気持ちで、なんなら選択していることにすら気付かない。
    僕は結局、人生で一度も選択をしなかったな、というような人がいたら、それこそ人生の達人だと思う。
    ・・・というようなことを言っていたのを思い出した。

    それを聞いて以降、僕は何も選択せずに生きていこうと決めたのである。
    そして、会って2度目でプロポーズしてきた女性と結婚し、彼女の選んだ土地に住み、彼女の申し出の通りに転職した。

    彼女と出会ってからの人生は、薔薇色である。
    というより、彼女と出会ってから、僕の人生は始まったのである。

  • 内田せんせはどうしていつもわたしの思っていることを的確に表現してくださるのだろう、と思っていた。
    それは内田せんせが「私の専門家」だったからか〜。
    今回は「天風先生の七つの戒め」に唸る。

  • 期間限定だなんて、たしかにトピックは古いけど、内容は古びていない。巻末のリーダビリティについてを読んで納得。これまで読んだ著作ではあまり注目してなかったけど恋愛についての考察が今回目立って良かった。

  • 告白すると、10年ほど前まで自分は、たとえば「日本は世界に誇れる国になるべきだ」なんてことを考える人間だった。
    保守とか革新とかイデオロギーといったものに深く興味を持ったことはないけれど、位置的にはかなり保守で、今もそれはさして変わらないのだけれど、ぐらぐらしたのは内田樹先生の本と出会ったから。
    「『日本は世界に誇れる国になるべきだ』なんて偉そうに言うけれど、そもそも国って何かなんて考えたことある?」
    内田先生はいつも物事を根本に立ち返って考える。だから容易に結論が出ないのだけれど、その思考の過程、有り体に言えば、「のらりくらり」とした感じが癖になる。
    そこから、それまで考えもしなかった結論が顕現する。考えもしなかったことなのに、常識的に考えれば確かにそうだと納得してしまう。「目からウロコが落ちる」とはそういうことをいうのだろうと思う。
    「日本は世界に誇れる国になるべきだ」などと軽々に口にすべきではないと反省させられる。
    それは自分の頭であらゆる知識を総動員して思考した結果、言っているのですか?―
    内田先生はいつもそう問うているような気がして、本を読むたびに粛然と襟を正すことになるのである。

  • 人間が精神的に追い詰められる状況というのは 、端的に言えば 「一人で生き 、一人で運命と対峙し 、一人で責任をとり 、一人で問題を解決する 」ことを強いられる状況である。

    「自立者 」というのは堅牢な基盤の上に立っているもののことではない 。そうではなく 、 「自分が 」つかまっているもの 、 「自分に 」つかまっているもの 、そういった 、すべての関係するファクタ ーの織りなすネットワ ークのうちに 、自分の「いるべき場所 」を見つけだすことのできる人間のこと。

    やっぱりパートナーは作るべきなのか?

  • 初めて読んだ樹さんの本。
    衝撃的に面白かった。切れ味抜群。抱腹絶倒!

  • 『「おじさん」的思考』(角川文庫)の続編です。

    第1章「街場の現代思想」では、大学の先生と彼の研究室にたずねてきた学生のやりとりのかたちで、さまざまなテーマについての著者の考えが語られています。ただ、ここに登場する「先生」のキャラクターと、これまで著者の本を読んで漠然といだいてきた著者の印象があまりかさならず、ちょっと作りすぎの印象があります。とはいうものの、前著『「おじさん」的思考』などで展開されている著者の思想がより生き生きと語られていて、興味深く読みました。

    アジサカコウジの四コママンガもいいアクセントになっています。

  • 2の方が身近で興味深い案件?が多かった。語り口調で読みやすい。この2冊は忘れた頃に読み直したくなる。薄々感じていたこと、そうかそういうことなのかーって納得できることが明快に書いてあると気分がいい。

  • 面白い。
    どうして私が村上春樹を受け付けないか、分かった気がした。
    内田的春樹の読み方を踏まえて読んだら、もう少しマトモに読めるんだろうか。試したくないけど。

    コンテンツは古いけど、今でも面白く読めるのは本当にすごいな。

  • 29

  • 今信頼できる数少ない論客のひとりです。

  • 樹先生の縦横無尽の切り込みがとても心地よい。
    「おじさん」的思考に光あれ!!

  • 先生と生徒の会話スタイルによる断章がけっこうあって、なかなか読みやすく、面白い。アジサカコウジさんによる脱力気味の4コママンガが挟まれるのもよかった。

    「きっぱり断定する人」についての内田先生の教えにかなり納得。仕事面でどちらかというと断定されて「うっ…」となる側だったので、自分の中でこういう心理がはたらいていたのかと改めて理解した。

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  • 内田先生,ひねくれてて面白いです。

  • いつもの内田節だが毎回はっとさせられる言葉がある。

    同じ事を何度も何度も、ありとあらゆる表現やたとえ話を使って、繰り返す。「正しいことはどうしても断定できない」という根本的な問題を取り上げながら、飽くことなく「真理」を問い続けている。そこには内田氏のどうしてもこれだけは伝えたいという姿勢が伝わってくる。

    思想というものはすべからくそうあるべきである、と理解した。

  • 期間限定とうたわれているが、今でも十分にリーダブルです。
    第1章 「ひとはなぜ仕事をするのか」「断定するひとをみたらバカと思え」など学生とのやり取りが、わかり易く、かつ論理的でふむふむと読んだ。
    やっぱり内田樹は良い。

  • 2012/07/13 いつもすっきり

  • 内田さんの著書にしては、あまりぱっとしなかったです。
    『「おじさん」的思考』のほうが断然おもしろかったかな。
    しいて言うなら、中村天風さんの節に出てきた弱さの話と、変化を前提とした社会理論が興味深かった。
    あまりおもしろくなかったと思いつつも、この読みやすさ、内田さんの本のリーダビリティはすごい。

  •  ゼロ年代初頭に書かれたものが文庫化。時事ネタが多いため「期間限定」とあるが、しかしその切り口は未だに賞味期限が訪れていない感があります。

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著者プロフィール

1950年東京都生まれ。神戸女学院大学名誉教授、神戸市で武道と哲学研究のための学塾凱風館を主催、合気道凱風館師範(合気道七段)。東京大学文学部仏文科卒、東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。専門は20世紀フランス文学・哲学、武道論、教育論。 主著に『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『寝ながら学べる構造主義』、『先生はえらい』など。第六回小林秀雄賞(『私家版・ユダヤ文化論』)、2010年度新書大賞(『日本辺境論』)、第三回伊丹十三賞を受賞。近著に『日本型コミューン主義の擁護と顕彰──権藤成卿の人と思想』、『沈む祖国を救うには』、『知性について』など。

「2025年 『新版 映画の構造分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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