- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043710010
作品紹介・あらすじ
一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット。もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく!抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作。
感想・レビュー・書評
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登場人物が28人と異様に多いのに、それぞれが面白いキャラクターなので、自然と頭にイメージされていく。描き方がとても魅力的なので、みんなに感情移入してしまう。
大変な状況なのにみんな明るくて前向きなのがとても良い!特に2人の子役達が最高だった。
読み終わってから、最初の『登場人物より一言』を読むと笑える^_^
読んでいて自然と頭にイメージできる本が好きなので、恩田陸さんの本をもっと読みたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
19年ぶりのシリーズ第2弾『ドミノin上海』が発売され、本年2月に文庫化になって大分そそられました。でも、まずはシリーズ第1弾(2001年刊)であるこっちでしょ、と思い本書を手にしました。
恩田陸作品は3作しか読んでおらず、個人的に作風を決め付けていたかもしれません。「パニックコメディ」の触れ込みに疑問を持ちつつ読み始めましたが、いや〜(よい意味で)驚きました。
登場人物の多さ(27人+1匹)、それ故に視点の切り替えの速さと展開のスピード感が半端なく、まるで映画を観てるかのような錯覚に陥ります。加えて、その多い登場人物それぞれのキャラの描き分けが素晴らしく、エンタメ感も申し分ありません。雑多さを上手くまとめ、時に笑わせてくれる恩田さんの手腕に、ただただ脱帽です。
JPタワーの竣工など、東京駅周辺の状況も時代の流れとともに変遷してきてますが、物語は20年の時を経ても生き生きとしており、予測不能のワクワクとハラハラ・ドキドキが止みません。
全く関わりのない多くの人が交錯する大都会東京で、それぞれの人生のエピソードが一つに収束していく様子を〝ドミノ倒し〟に例え、こんなにも面白い物語にしてしまう恩田陸さんの多才ぶりに、今更ながら感嘆してしまいました。
もうこれは、シリーズ第2弾『ドミノin上海』を読まざるを得ない気がします。 -
沢山の登場人物とそれぞれの別の話しに混乱し、途中までは読み辛かったが、中盤以降は一つに収斂される方向が見えて来て、面白くなってきた。タイトル通りのドミノ状態。登場人物達の過去や、意外な特技も出てきて益々ヒートアップして行く。ただ力尽きたのか、最後の詰めが甘いような気がするが・・
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たった376ページに登場人物が27人+1匹。
登場人物の紹介が最初にあって、出てくる度に見直して「あぁ、この人か」と思いながら読み進めていました。
これ、最後まで覚えられないかも…と最初は思いましたが、後半はもう、一人一人の人格がとっても魅力的で、読み返す事なく場面が思い浮かべられました。
最初はバラバラだったそれぞれの人物たちも、後半につれて段々と距離が近くなっていく。
徒歩から始まった物語がどんどん早足になり、最後は全速力で駆け抜けて終わるっ!という感じでした。
まさになだれ込むドミノ。
あまり読まないジャンルのパニックコメディですが、駆け抜ける疾走感と終わった時の爽快感は、初めて感じる読後感でした!
面白かった!エリ子姉さん、素敵ですっ✨ -
面白い!
27人+1匹の偶然が織りなす大喜劇。
登場人物が多いのに、それぞれのキャラがしっかり頭に残って、すうっーと読めてしまうのがすごい。
でも、東京駅では、これほどの事件性はないにせよ、偶然がドラマを生むドミノ現象はしょっちゅう起きているんだろうな。
コロナで頻度は減っただろうけど・・・
人が集まれるって素晴らしいこと。
恩田陸さんって、こういうドタバタも書くんですね。
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様々な登場人物達が紆余曲折を経て一堂に会する様が痛快で面白かった。まるでコメディ映画のよう。視点切り替えが多く、わちゃわちゃしているのが嫌いじゃなければ嵌るだろう作品だった。
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冒頭に登場人物27名と一匹の情報が掲載されていて、さらに東京駅の地図もある。学生時代の試験勉強の感覚から自然と必死で覚えようとしてしまいましたが、あえなく撃沈。とても覚えられないと諦めて読み始めましたが、これがビックリ。それぞれの人物が目に浮かぶように、現実世界に生きているかのように見事に描写されていて、知らない人たちなのになんだか知っている人たちかのように錯覚してしまうほどでした。こうなると、登場人物を覚えるという発想ではなくなるのですね。だって、実世界であいつはこういうやつでなんて紙に書いて覚えるなんてしないですから。
ストーリー自体は、そこかしこにありそうなお話と、かなり突飛な話が入り混じりますが、不思議とそんなことを突っ込む気も全く起きず、このドタバタ劇に飲み込まれてしまった気がしました。
一気読み!こんな経験は人生で初めてです。スキッ!とさせていただきました。
これ間違いなくおすすめです。凄いです。 -
#木曜日は本曜日 という企画で
松岡茉優さんが本書を紹介していたため気になって購入しました。
余談ですが、松岡さんの動画を観ていると、本当に本が好きなんだなぁ〜ということがよく伝わってきて素敵でした。お話もすごく上手ですっかりファンになってしまいました。
七月の蒸し暑い午後、東京駅周辺で発生する一つひとつの出来事が、次々と畳み掛けるようにもつれ合っていき、最終的には東京駅爆破の大事件?!にまで発展するという内容です。
冒頭では27人と1匹の登場人物が紹介されており、こんなに沢山の人物覚えられないわ…なんて思っているうちにいつの間にか全員が登場していてしっかりお話に馴染んでいるという、摩訶不思議な小説です(笑)
タイトルどおり、バタバタと倒れていくドミノのような目まぐるしい展開ですので、楽しみながら読むことができました。
『ドミノ in 上海』の文庫版もちょうど発売されたようなので、ぜひ読んでみたいです。 -
面白いという評判だったのでずっと読みたいと思っていました。
ようやく読めたー。面白かった!
タイトルから思い描いていた通り、色んな事情を抱えた人達がすれ違い、荷物間違い、勘違いの連続技で、まさにドミノ倒しのようにパタパタドタバタとお話が進み、最後はすっきり!
よく出来たエンタメ小説でした。