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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784043710027
作品紹介・あらすじ
あの夏、白い百日紅の記憶。死の使いは、静かに街を滅ぼした。旧家で起きた、大量毒殺事件。未解決となったあの事件、真相はいったいどこにあったのだろうか。数々の証言で浮かび上がる、犯人の像は――。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
多様な視点から描かれる大量毒殺事件が、読者を引き込む魅力を持っています。物語は、盲目の少女が唯一の生存者である青澤家の米寿の祝宴で起こった事件を中心に展開し、様々な証言を通じて真相に迫ります。著者は巧...
感想・レビュー・書評
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この本も途中で挫折しそうになった。
大量殺人事件の真相をめぐる内容。
各章毎に事件の関係者の独白が延々と続く。最初は誰が何を言っているのだろうかと悩んでしまう。
徐々に真犯人の輪郭が浮かび上がって行くのだが、その段階で関係者が死んだり、建物が焼けたり、真犯人がやったのかと思わせる。
最後に真犯人と対峙したのは誰だったのだろうかとか、真犯人の結末はどうなるのだろうか、と良くわからない。読み直す元気も無く、何だか中途半端に終わった感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恩田陸版の「藪の中」とでも言うべきか。日本推理作家協会賞受賞作である。北陸のK市で名家の青澤家で催された米寿を祝う席で、十七人が毒殺された。その場にいた人間で生き残ったのは、盲目の少女一人だけ。その後、ある青年が自殺し、その遺書から彼が犯人とされ、一応の解決をみた。
そして年月を経てさまざまな視点から語られる大量殺人事件。見落とされた「真実」を語る関係者たち。事件の「真相」は、そして「真犯人」は。
恩田陸さんは、「ストーリーテラー」だ。これだけの数の視点人物を書き分けているだけでもスゴイ。筆力がないとできない。しかも読者に対して、読み進めると「真相らしき」ものに近づいていると思わせているのだから。ラストを消化不良とか尻すぼみと捉える読者もいるようだが、これは暗示というか故意による錯覚なのだと思う。
真相は「不明」なままなのである。 -
本の中に本の話が出てくるというと「三月は深き紅の淵を」が思い浮かびますが、この本では本の内容というよりもその本の元ネタとなっている過去のある事件に焦点が当たります。かなり早い段階で恩田さんは主人公の語り、自問の中で〈書かれていることには嘘が混じっている〉こと、〈最後まで読んでも真相がハッキリしない〉ことを暗に読者に伝えています。なので、恩田さんいつものごとく最後はモヤモヤで終わるんだなという覚悟が早々にできました。ただ、何が嘘なのかという点は注意して読もうと思いました。
読みはじめて感じたのは、とにかく読みづらいこと。インタビュー形式で「」括りになっていたり、なっていなかったり、第三人称的な書き方になったかと思うと、記事のようなものや取材メモがいきなり出てきたり、それでいて時系列はバラバラ。これでは日を分けて読んでいると分からなくなってしまうと思い2日で読み切りました。注目したのは第三人称的な書き方の部分で、ここは真実が書かれているのだろうなと考えました。そして読み終えましたが、最終章の読者振り落とし感は半端なかったという点は強く印象に残りました。
ただ、色んな形式で書かれてはいましたが、多いのは事件について知っている人たちの語りです。ここで面白いと思ったのは、ある人の語りの中で登場した人が、今度はその人が語り手となって出てくることです。状況が分からない読者は順に出てくる語り手に感情移入しながら、他の登場人物をその登場人物がどういう人なのか頭の中でイメージしながら読んでいきます。ところが語り手が変わるとその出来つつあったイメージが否定されてしまったりもする。新しい語り手に今度は感情移入してしまうからです。一体何が真実なのか。
でもよく考えると我々のリアルな世界でもこれは同じことなはずです。AさんはBさんのこと良く思っていないからなぁとか、Cさんは実はBさんのこと好きなんじゃないかとか、Bさんの話は本当か嘘かわからないことがある、とか、知っている人たちだと意識になくても自分の中に持っている他人のデータベースと照合しながら話をします。この本の登場人物は読者にとっては全員が初対面ですが、無意識のうちに知っている誰か何かと重ね合わせたりしながら各登場人物のイメージを作っていく。そのため読者のこれまでの経験によって見える世界も変わってきて、読者の数だけ答えがある。恩田さんが〈最後まで読んでも真相がハッキリしない〉というスタンスをとっている以上、読者の中に出来上がる人物像、そして真犯人が誰かということも人によって違ってくるのも当然なのかもしれません。
この本は、推理小説として真実、結末を追うものなどではなく、茫洋とした独特な世界観の中に描かれる色んな人たちが同じ一つの事象をどう捉えどう見ているか、その人の考え方、感情、そういった心の内を味わう作品なんだと思います。極めて恩田さんらしい作品、この本は特にその印象が強いです。その意味で、話の結末には全くスッキリしませんが、読後感は極めてスッキリです。恩田さんの世界感を存分に楽しませていただきました。 -
真相は藪の中。誰が犯人なのか考察ありきの作品なので、好きか嫌いか意見は分かれる作品だと思う。
個人的には後者かな。恩田陸作品は好きな物が多いけど、「ミステリ」に関しては信用してない。だいたいの作品がフワッとしたまま終わってしまうから。例えるなら、国語の小説文問題を解かされている気分。それが良いと言う人もいるけど、やっぱり何かしらの答えを明確に示して欲しいと思う派です。 -
仕事場の方から、恩田先生のオススメとして、出会いました。章ごとに語り手が変わるので、ちょっと読みにくく感じたのですが、そのうち、それには慣れたものの、私の読解力が低く、今一つ、わからないところがあり、スッキリ出来ませんでした(涙)でも、読了された方と語ってみたいと思う作品でした。
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#読了 #恩田陸
夏の終わりの凄まじい雨の中、街の中心的な名家で事件は起きた。誰がいったい何のため?昭和感がよく似合い、雰囲気は抜群。関係者のインタビューで構成され、読者自身が真相に近づける運び方も先を急がせる感じでさすがだなぁと。
小説内で出てくるノンフィクション的な本のタイトルがなぜ「忘れられた祝祭」かなと疑問でしたが感想書くのに読み返して気付いた。作者の特殊能力から考えると祝祭なんだと納得。恐ろしい。
出てくる庭園は兼六園かな。成巽閣は行ったことないので、また行きたいところの候補に。 -
12/4面白かった。けど、犯人がよくわからなくて考察読んでも??ってとこが多かった。プロット立てずに書いてるらしく、ならここまで書けるのすごすぎると思った。
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冒頭の詩、事件に関わった人たちから語られる証言から真相を追うミステリー。時系列が複雑、証言者も切り替わっていくので頭の中の整理が大変でした〜。犯人は未だに分かりません!^_^
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和歌山カレー毒殺事件を想起させるミステリー。語り手がいるが三人称でないが故に誰が真実を言ってるのかよく分からなくなる。つまりは現実の事件と変わらないリアルさとも言えるが読解力が皆無に等しい小生には辛かった。
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数年前から気になっている作品にいよいよ手を出した。
ある一家で起きた大量毒殺事件をもとに構成された物語。
語り手が頻繁に変わる中、読み進めれば進めるほど真相が分からなくなっていく、なんとも不思議な話であった。
とにかく不穏で、読んでいる間はずっと不安な気持ちにさせられていた。
真犯人は誰なのか。
ユージニアとは。
不気味さが魅力な恩田ワールドを体感できる一冊。 -
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章が変わるたびに、語り手は誰だろう?となる。読んでいるうちに自然と誰だかわかる作りもすごいが、最後まで聞き手が誰だかはっきりしないという構成もすごい。
意図的だったのか運命のいたずらだったのか。
自信が絶望に、神秘性が凡庸に。
グレーのグラデーションを見ているようだった。 -
なんじゃこりゃぁ!スリリングでテンポよく色々なことが明らかになっていっているはずなのに、剥いても剥いても…こりゃあもう一回読まないと。インタビュー形式で面白い!と思ってたら、なんとなくその体裁をとっている理由もわかった気がする。真実なんて…
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子ども時代に起きた名家の大量毒殺事件。大人になり、それぞれの立場から当時の様子を語っていく。話し方や状況から誰が話しているのか、考えるのはおもしろい。でも、ラストの殺人の理由はさっぱり理解できない。読書に委ねるにしても乱暴な気がする。途中までおもしろかっただけに残念。
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掴みきれないというのが本を読んだ率直な感想。
ずっと核心ではなく輪郭をなぞったまま本が終わってしまった。
でもその掴めなさと、たくさんの人が語る1つの出来事の見え方の違い、核ではなく曖昧な部分がこの本の魅力だと感じた。
理解するにはあと何回かは読む必要がありそう。 -
夏のくらくらする蜃気楼みたいな本だった。
ゆらゆらして掴めそうで掴めない真実。
真実を知りたくて読み進めているのに、わからなくても神秘的でいいな、という気もしてくる。
人の揺蕩う時間をゆったりとゆったりと噛み締めていく新しい感覚のミステリーだった。
痛快な推理や動かぬ証拠とかはない。
帯には「全てを疑え!」と書いてあった。
わたしはそんな気にはならなかった。
むしろ「信じるよ」という穏やかな気持ちで読了した。
私は文庫で読んだけれど、巻末に装丁デザインの話があって、素敵なこだわりだった。
単行本でもう一度同じ話を読んでみたくなった。 -
このインタビュアーは誰なんだろうと、ずっと気になりながら読んだ。
また、特定の名前が出てないのにも関わらず、インタビューされてるのが誰なのかはわかって、表現力が豊かだなと思った。
ただ、正直よく分からなかった。
スッキリとはしない。
でも、この話に対して色んな事を考える時間は増えたので、そういう読み方が好きな人にはハマるのかもしれない。 -
好き嫌いが分かれる作品。
自分はどちらかというと苦手。
結局、自分のような凡人には
元々精神的に不安定な人
生きることに困難を抱えた人
のことは文学の世界になると理解が難しい。
凡人が思いもよらない所で奇妙な感情を持たれたり、それに沿った行動を起こされたりしたらたまらんな。
編集後記みたいな部分で触れていた、
90年代にめっちゃ話題になった
《ツイン・ピークス》もドラマも映画も観たけれど、あの独特な世界観を自分はあまり面白いと思わなかったし(ローラ・パーマーの死体は確かに美しいと思ったけれど。)
この作品はミステリーというよりは、ダークファンタジーだと感じた自分はやっぱり現実的人間だということを再認識したな。
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私はどうもこの作家さんとの相性が良くないようだ(^_^;)
何を読んでも冗長だと感じてしまう。。。
この部分は不要なのでは??と思ってしまい、読むことに全力を注げなくなっている。
何となく別のことを考えながらのながら読みになってしまい、大事な箇所を見落としてしまう。
この物語は全力で見落としなく読まないと、真相にはたどり着けないと思う。
白い百日紅、青い部屋、忘れられた祝祭
推理小説好みの為、伏線には注意して読んでいるが、この手の話はどうも少し苦手だな(^_^;) -
これぞ恩田さんのミステリー!読んでいて不思議で歪んだ感覚がするのも、すっきりしない結末も好きだなー。
章ごとに別々の人物にインタビューする形式なんだけど、登場人物も割と多いし、最後のほうまで聞き手が誰だかわからないままだから、より一層混乱する。
文庫版を読んだけど、巻末にデザイナーさん達のコメントがあって、ハードカバーの方は特に、装丁が凝っているらしい。文字を歪ませたり、透ける紙を使って妖しい感じを出したり。見てみたい!
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