ユージニア (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 6195
レビュー : 643
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043710027

感想・レビュー・書評

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  • はぁ怖かった。色が…怖い!
    なんともいえない不気味さと不安に襲われ…読了後何日もユージニアの世界に浸ってしまいました。
    映画もそうですけど、余韻に浸れる日数が長いほど自分的傑作入りです。

    色んなところですっきりしない、と見かけたもので
    時系列にまとめ、また、真偽の取捨選択やら紙に書き出してみたのです。
    そうしましたらあやふやだった箇所もクリアになりまして、この作業がまた面白く痺れる読書体験になりました。

    インタビュー形式で始まるこの物語は、読み進めるのはたやすいのに読み解くのが難しいお話なのですね。
    インタビュー、1人称、作中作、独白…読み解くヒントはこれらの章ごとに異なるスタイルの信用順位を意識すること。
    偽証も誤解もありますからややこしいです。

    私も一読ではわからない点が残りなんとか一応疑問点が無くなるまで読んでみた感想としましては、無駄な情報の無い緻密なミステリだと思うのですが如何でしょう。

  • ハードカバーの装丁が好きだったのでジャケット買いした思い出。物語を通じて流れる夜明けのような暗い青色。
    ある大量毒殺事件を主題に多人数の語りで物語は進行する。被害者、観客、犯人の目撃者…究明される凄惨な毒殺の手口、犯行の裏側。

    しかし深まる「犯人」と「少女」のあいだの静かな謎。
    ユージニア、ユージニア。と光を失う少女は口にする。
    タイトルに込められた意味が最後に謎を綺麗に剥ぎ、明かされる少女と青年の関係。
    耽美的なミステリ。
    恩田陸でいちばん好きなものを選ぶなら1つは絶対にこれ。

    • vilureefさん
      こんにちは。

      うわ~、お仲間がいて嬉しい。
      私も絶対に恩田作品No.1は「ユージニア」です!!
      でも恩田ファンの中ではこの作品を押...
      こんにちは。

      うわ~、お仲間がいて嬉しい。
      私も絶対に恩田作品No.1は「ユージニア」です!!
      でも恩田ファンの中ではこの作品を押す人って少なくないですか?
      もっとSF色が強い方が良いのかな。
      私は「ユージニア」の感動を求めて恩田さんの本を追い続けてます。

      あまりに感激して家族にも無理矢理読ませましたが反応はイマイチでした・・・(-_-;)
      2013/03/06
    • とうかさん
      こんにちは。コメント有難うございます!

      同じ思いの読者さんがいらしてとても嬉しいです。 いいですよね、すごいですよね、これ!
      恩田陸さ...
      こんにちは。コメント有難うございます!

      同じ思いの読者さんがいらしてとても嬉しいです。 いいですよね、すごいですよね、これ!
      恩田陸さんはジャンルの裾野が広すぎて読者もかなり好みが分かれるんでしょうかー。

      もっと広まるといいのに!
      2013/03/06
  • 単行本を加筆修正してます。また、ブックデザイナーを担当されたかたの解説がビックリなので単行本から読んだほうが純粋にユージニアを楽しめると思いました。(単行本の方の作りの仕掛けが細かいです。)

    単行本を読んだ上で、ぜひこちらの文庫本を読んでください

  • 個人的に感じたこと、解釈したことを断言する形でレビューを書いてみます。
    まず、本から滲み出る雰囲気がすごい。
    それは夏の空気。盲目の神秘的な少女。各人の思惑。
    読んだあとにずっしりとのしかかってきます。
    そして、この本に謎をズバズバ解決してしまうような、快刀乱麻を断つ名探偵は出てきません。
    最初の章では都道府県を当てさせるという読者に考えさせる構造になっていますが、全体の謎も読者が考えなければなりません。決して思考を停止してはいけません。先入観は吹っ飛ばした方が良いかもしれません。
    そうすると一つの可能性が見えてくるかと思います。結構友達と議論すると違う意見になったりするのですが、このところをよく考えてみてください。個人的にはとても味わい深い作品だと思いましたので。
    まあしかし最終的には何もかもがグレーになるのですが…。上質の謎を投げ捨てて、この「曖昧な真実」を表現しようとしたことに感服。
    自分は、この作品は本当に無駄な箇所が無いと思います。洗練された作品かと。

  • 怖すぎてゾッとする

  • 白い百日紅。凄惨で美しい。

  • 第59回(2006年)日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門受賞作
    第133回直木賞候補

  • 静かな犯人の悪意・殺意に背筋が凍る。
    数十年前に起こった大量毒殺事件を章ごと、目撃した人物、捜査した人物、犯人の青年などなにかしら関わりを持つ人物に取材している体で進んでいくミステリー作品。
    半ばまで読めばもしや、と思う人がほとんどだと思うけど事件の核心になる「なぜ?」が明かされないので読む手を止めるということが口惜しくなる。
    とても怖かった。どこまでも純粋な殺意で、どこまでも狡猾が出火という別の事件を起こし老人を巻き込む。
    純粋ゆえなのか、歪みきったせいで対外的にそう見えるだけなのか。

  • かなり読み応えのある作品だった。恩田陸作品の中でも最も好きなものの一つになった。

    ふとした瞬間に、世界を自分のものにして、清々しさと切なさを入り混じらせた笑顔で、ブランコに乗る緋紗子が頭をよぎる。強烈な印象を与えてくれました。

    事件関係者の証言集のような書き方だけど、時々小説になっているような章があった。きっと満喜子が書いた『忘れられた祝祭』の一部なのでしょう。

    一部が小説になっている点(小説内の小説、劇中劇のような感じ)、証言を集めているのが満喜子ではなく、実は満喜子の二番目の兄(順二)の女友達(?)である点、視点が何度も移り変わる点、登場人物が多い点、とにかく複雑に入り組んだ内容だった。一度読んだだけでは理解しきれないことが多すぎる。もう一度読まなければ。

    ユージニアとは何だったのか。どこにあるのか。盲目の緋紗子は全能の神だったのか。そして視力を取り戻した瞬間に、神の力を失ったのか。その辺りに注目して再読したい。緋紗子を「神」という言葉で表現するのは、あまりに単純でチープな気もするけど。百日紅、さるすべり、この二つには明確な違いがあったということもキーになるだろうな。

  • 面白かった!
    日本推理作家協会賞を受賞しているという事ですが、ミステリとして、というか本格ミステリとして読むものでは無いと思いますが。

    こういう始終気持ちを掻き乱される様な、痒い所に手が届きそうででも届かない、答えは読者に任せます、みたいな作品、大好き。
    何度も読んで、色々な人の考察を読んだりして、でも結論は分からない。
    恩田陸版、ツインピークスという事ですがツインピークスは一応SF的なオチになっているので雰囲気でしょうね。

    個人的には緋紗子の母が起こした事件なんだと思いました。
    満喜子が落胆したのも頷ける。自分が犯人だと思って疑っていなかった敬愛する緋紗子がそうじゃなかったと気が付いたから。

    伏線が多すぎて、ひとつひとつ浮き上がった謎を書きとめながら読むと分かりやすいかもしれません。
    それくらい難解。
    しかも考えようによっては色々な考察が生まれます。
    何度でも読みたくなる。
    恩田作品良いですねー。

著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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