失敗のメカニズム 忘れ物から巨大事故まで (角川ソフィア文庫 302)
- KADOKAWA (2003年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043716012
作品紹介・あらすじ
物忘れ、間違い電話、交通事故、原発事故――。当人の能力や意図にかかわらず引き起こされてしまう失敗を「ヒューマンエラー」と位置付け、ミスをおかしやすい人や組織、環境、その仕組みと対策を解き明かす!
感想・レビュー・書評
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●失敗学のはしりになった本だと思います?人間がおかす失敗(ヒューマンエラー)について対策のヒントを提起。
●事故を起こしやすい人の性格・態度は、①情緒不安定 ②自己中心性 ③衝動性 私にも当てはまります。
●人間だから間違う事もあります。人は考えずに行動しがちです。自身の行動を振り返る参考になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
行為スキーマ、疑似体験、情報処理過程(入力・媒介・出力)、エラーパターン診断テスト、情報を7個以内に分割またはまとめる、意識レベルのフェイズと人間信頼性、安全態度規定要因の因果モデル、安全するという言葉はない
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そうなの,失敗を科学的に分析した本が欲しくて,ずっと見つけられなくて,やっと見つけた本!
何故人はミスを犯すのか.どうやってミスを犯すのか.故に,どうやってミスを防げばよいのか.
その辺が論理立てて解説されていて,大変良い本だった.
最後にあった,安全行動のためには,実は環境(人間関係や組織の雰囲気)の整備がとても大事というのは興味深い. -
失敗学といえば畑村洋太郎氏だが、その前年に発行された本の文庫版。昔の話でも今でも通用し、この時の問題点が現在では解決されたことがわかる。フレームワークは今でも応用できると思う。
ビジネス書ではないが、ビジネス書として読めると思う。失敗の本質などを読んで挫折した人はもちろん、エラーとはそもそも何?という人にもおすすめ。鉄道総研出身の心理学者なので、ユニークな内容だと思う。
印象的なのが、ユーザーインターフェイスは、元々は男女差をなくすための言葉だったということ。今では当たり前なので、ヒューマンエラー同様に言葉の啓蒙活動も大事だと感じた。 -
小手先のテクニックというより、なぜミス、事故が起こるのかについて深い理解につながる良い教科書だと思いました。
ときたま挿される著者のおっちょこちょいエピソードもあり、飽きることなく最後まで読むことができました。
習慣とも言い換えられる行為のスキーマは、脳のリソースをほとんど使わないキャッシュのようなもの。指差し確認という行為には、この無意識の行動を意識的な行動に戻す役割があるという理解をちゃんと言葉で持っていると、何となしに教えられた通りやるよりもモチベーションが変わってくると思いました。指差し確認自体がスキーマに組み込まれないような工夫も必要であると思いますが…
また、環境に対し事故防止の安全対策を講じても、ギリギリまでリスクを取りたくなる心理効果を主張するリスクホメオスタシス理論の話が面白かったです。色々批判もある理論らしいのですが考えさせられました。
もともと主観による判断は間違いが多いという事実がある。それを受けて環境をうまくデザインすることで、主体の持つリスク認識の負担を環境側が受け持つ方向へシフトしたものの、結局は環境からフィードバックを受けた主体にリスク判断の恒常性が働いて、全体の危険度は変わりづらくなる。
だから結局は各々が気をつけましょうねという議論では無限ループになってしまうのですね… -
失敗のメカニズム、主にヒューマンエラーについて、具体的に落とし込まれて書かれているので分かりやすかったです。また、それをどう組織として対策していくかを考えさせられました。
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ヒューマンエラーの内容、背景、人の性質、それを防ぐデザイン、手順、行動、文化について、整理されまとまっている。構造から理解できて読みやすい。
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参考程度のレベル、理論ばかりで、具体的内容に乏しい。買って損です。