殺人の門 (角川文庫)

  • 角川書店 (2006年6月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (624ページ) / ISBN・EAN: 9784043718047

作品紹介・あらすじ

あいつを殺したい。奴のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。でも、私には殺すことができない。殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか。心の闇に潜む殺人願望を描く、衝撃の問題作!

感想・レビュー・書評

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  • 1人の人間にこんなにも執着できるものか…。と思うほど、しぶとく付き纏い、人を不幸にしていく倉持。久々の長編作品で白夜行を思い出させる作品だった。サクサク読めてあっという間に読了。

  • 【感想】
    何年ぶりかの再読!

    内容は終始ずっとワンパターンで、主人公の田島が友人(悪友)である倉持に人生を通してまるでコントのように何度も翻弄され、振り回され、嫌がらせを受けるといったもの。
    いやホント、鉄板のコントみたい笑。

    田島は本当に良いように利用され、捨て石にされ、不幸になっちゃうのに、肝心な時に倉持の良い面を見せられる事ではぐらかされてしまい、そしてまた騙される。
    分かっているのにまたハメられるのは、倉持が読者をも引き込む不思議な魅力の持ち主だからだろうなぁ。
    ある意味カリスマ性を感じる。

    あぁ、田島の人生の悲惨さが物語の面白さに輪をかける笑。
    最後まで救いようのない展開尽くしで、良い意味で最高に胸くそ悪くなる面白い作品でした。


    【あらすじ】
    あいつを殺したい。奴のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。
    でも、私には殺すことができない。殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか。
    心の闇に潜む殺人願望を描く、衝撃の問題作!

  • 主人公、アホやなと何度も思った。また、倉持に引っかかると思いながら読んだ。
    兎に角胸糞悪くなる作品。読み物としては、面白い方に入ると思う。東野圭吾作品は分厚くとも読みやすい。

  • 非常にドロドロというか、沼にハマっていくような気分になる。しかし読む手が止まらない。

    題名の殺人の門から、殺人鬼の物語かとも思ったが殺人というものに対して主人公の人生を通して一点に絞られて描かれている。

    私が通して思ったのは殺人も、自殺も一緒なのではないかと思った。どちらに関してもタイミングというものが非常に求められる。衝動とそれを行える環境という複雑な要因が絡み合った結果起こるのでは。
    自殺に対して深く考えたことのある私にとっては読み応えのある内容であった。

  • 図書館本

    なんとまあ、救いのない。歪んだ友情のようなもの、妬みや嫉み。騙され続けても一線を越えられないって、何を意味するのか。
    最後まで飽きずに読み進められました。さすがの筆力。

  • 特に大きな謎や仕掛けは無く、ミステリと分類するのはどうかと思うけど「キャラの考え」内面に謎の主軸をおいていて、読み応えのある作品だった。
    東野圭吾先生の作品は、ワシには合う、合わないが結構あるのだけど、これはばっちり合った。面白かった。

  • 最後、人がひとり殺されるまでに2段組で442ページ。殺人を実行するまでの事件、心の動き、推移を詳しく描いていて、不思議と間延びすることもなくつらつらと読んでいける。
    多少の殺意なら誰でも日常的にいだいていると思うけれど、実行するにはハードルの高い『殺人の門』を潜らなきゃいけない。そのハードルを潜るには何が必要か。そんなことを考えさせられ、気付かされる1冊です。

  • 主人公の田島と、いつも口のうまさで騙してくる倉持との歪んだ友人関係の物語です。

    多くのミステリ作品では人が殺される事件が中心となりますが、その動機についてはあまり深く掘り下げられないことが多いです。
    しかし、この作品はその動機に焦点を当てており、なぜ人が殺人に至るのかを詳細に描いています。

    登場人物たちの内面や過去の出来事が巧みに絡み合い、彼らがどのようにして極限の行動に駆り立てられるかが緻密に描写されています。
    そのため、単なる謎解きにとどまらず、人間の深層心理や道徳観について考えさせられます。

    また、物語の進行とともに動機が徐々に明らかになり、その過程で登場人物たちの変化や葛藤がリアルに描かれている点も魅力的でした。
    動機を中心に据えたことで、登場人物たちの行動や感情に一層の説得力が生まれ、深く物語に引き込まれました。

    大変満足できました♪

  • 長いし、暗いし、衝撃的な展開は起こらないし、詐欺の部分とかは嫌な気分になるのだけども、続きが気になって仕方ない話だった。

    主人公の田島君は、小学校の同級生の倉持君にいいように手の平で転がされ、どうみたってうさんくさい仕事の片棒を担がされたり、ささやかな幸せを得ようかと言う時にいつもどん底に突き落とされる。
    そんな奴縁切ってしまえよと、読んでるうちに何度思ったことか。
    でもその度に真摯な(?)倉持君の言葉にうやむやにされ、2人の絆は切れることがない。毎回殺人の門をくぐりそうになる田島君の殺意も、みるみる萎んでしまう。

    ミステリーなのかよく分からなくなってくるのだけれど、最後の種明かしにスッキリする。
    倉持君は、田島君を憎んでいたのに同じ位好きで信用していたんだね。自分の知らない所で田島君が幸せになるなんて許せないし、自分が彼を不幸に突き落とさないと気が済まない。でも好き。だから自分で突き落としたくせに、金という手段で彼に手を差し伸べる。もっと自分の手の上で踊って欲しいから。捨石かもしれないけど側に置いておきたいから。彼が少しでも好意を寄せて、なおかつ彼のことを支えそうな女の子は奪ってしまう。だってその子と上手くいって安定してしまったら、田島君は倉持君のことなんて忘れてしまうもの。

    解説にもあったけれど、そんな屈折しまくった倉持君と田島君のどす黒い友情の長い長い話だった。
    多分、最後まで田島君は殺人の門はくぐれない。
    だって、彼もそんな倉持君を憎しみと同じだけ、好意もあるんだと思うから。
    憎しみと愛情は表裏一体だから。

  • 400ページ越えの2.5センチほどの厚みのある小説。
    でも飽きることなく面白かった。さすが東野圭吾。
    主人公の田島和幸が中学生の頃から40代までの人生において何かとうまくいかない場面に同級生の倉持修が現れる。
    もうほんとについてなくてすぐに人を信じてしまうダメダメな田島が、読んでてそれは詐欺だろう、と言う場面でやっぱり詐欺にあってしまう。
    詐欺に引っかかるのはいつも倉持修。
    劇薬を持っていながらなかなか殺すこともできずに倉持に翻弄される。
    老人が騙される様子もすごく参考になった。
    こんな人たちがいたら逃げられないな、、と逆に感心してしまった。

  • 読み終わった後の達成感◎。
    最後の最後でどんでん返しがまっているのも面白かったし、非常に魅力溢れるキャラクターに惑わされている主人公に思わず情を寄せてしまったシーンも多々あったのでとても興味深い作品でした。

  • 2.8
    →とにかく重たい話でした。友人の男も、もちろん酷いけど主人公もどうしようもない男だったな…という印象を受けました。

  • 東野圭吾さんの作品を十数冊読んできましたが、こんな作品も書けるんだと驚きました。
    なんだか中村文則さんの作品を読んでいるような感覚に陥りました。
    主人公である『私(田島)』と『倉持』という男に出会うことによって人生が崩れ落ちていく様が描かれているのですが、もうなんとも絶妙でとても好みな作品でした。
    田島の人生のターニングポイントに倉持は必ず関わっていたし、そしてその田島のターニングポイントの選択は全て倉持にコントロールされていたというのがなんとも辛いけれども、田島と倉持の絆は崩れないというのがもう本当に絶妙。
    凄い作品。
    腐女子なので、こういう設定がたまりませんでした。
    田島は倉持に人生をめちゃくちゃにされているのだけれど、倉持は田島との関係を終わらせる気はなく、唯一信頼していたというのももうクソ萌えました。
    この二人はBLじゃないけど、こういうBLありそうだなぁなんて思いながら読みました。
    最後の解説にも『歪んだ友情の物語』とありますが、本当にその通りだなぁと思います。
    友情の教科書には絶対に載っていませんが、亜種的な男の友情を読ませていただきました。

  • 人たらしって怖い。
    カリスマ性とやらと紙一重。

    テレビで上から偉そうに演説たれてる「やり手」には人たらしが多いのかも。
    皆、丸め込まれていないだろうか。

    一方私は、だれかを殺したいとまで憎んだ経験はないが、それは幸せなことだ。

    読後このような警告と安堵を得られた。

  • 人生を悪友:倉持に悉く狂わされていく田島。詐欺商法問題が一段落して、田島も伴侶を得て穏やかな人生を歩むかと思いきやそこにも倉持の魔の手が伸びていた。
    この策略に関しては田島の憧れの相手:由希子が関係していたので倉持がどう絡んでくるのか分からなかったが予想の上をいく展開であった。倉持の奥さんでもある由希子は結局何も知らないまま巻き込まれてしまい不憫でならない。
    倉持も子供の時の妬みが合ったとは言え、自分の元カノまで利用して田島を陥れようとする執念は凄まじいものであった。
    田島が最終的に潜ってしまった『殺人の問』、中々秀逸なタイトルであると思う。

  • 主人公の田島和幸が殺人の門をいかにしてくぐるのかという話でした。田島和幸は歯科医の息子として生まれ、お金に困らず生活をしていたが、祖母の死に直面し、そこからどんどんと人生は下降していく。

    小学校のクラスメイトである倉持修が関わる時、そこが田島和幸の人生のターニングポイントとなる。

    倉持修に騙され続けていく田島和幸に、いい加減そいつと関わるのはやめろ、と言いたくなる話でした。

    しかし、倉持修は幸せだったのだろうか。
    一体どんな気持ちで田島和幸と関わってたんだろう。
    捨て石にするのは信頼した人物だ、なんて、勝手に捨て石にされた田島和幸は不幸でしかないよね。

    倉持修視点でも読んでみたい。

  • うん、最後はよくやったよ。
    ただ、もっと早く殺しておいた方が良かったよそいつは、、、。
    ひたすら倉持にむかついた。でも、主人公も信用しすぎ。人をコントールする力がある人ってやっぱ怖いよね、、。

  • 結局最後まで倉持に踊らされてしまったなあ……
    殺人の門、簡単に越えられるものではないだろうけどもっと早くやっておけばと思ってしまった。

  • 東野圭吾作品は自分の中で合う合わないがハッキリしていて、今回も分厚いし文字数すごいな…読み切れるかな…と心配していたけど、今まで読んだ中で一番好きでした…!東野圭吾好きな夫に言ったら、「え、一番?」と驚いてました。好みが分かれそうな一冊。

    主人公には心底呆れるけど倉持という男がそれだけ魔性なのかなあ。読みながら、「それ見たことか」「いやもっとこの展開見たい」「もういい加減トドメを刺しなよ…」と色んな感情がぐるぐる。最後の展開も、気持ちいいくらいに気持ち悪くて。は~~嫌なもの見た(読んだ)って思ったけど、いつの間にかクセになってました。すごい作品。

  •  こんなにも1人の人間に執着して事あるごとに不幸に陥しいれ続けられるものだろうか。倉持の底にあるものが田島への憎しみではないから為し得たのか。田島も田島で簡単に言いくるめられるので、読んでいてイライラする。凡人が実際に殺人を実行するには殺意だけでは不十分らしい。いくらでも倉持との関係を断ち切るタイミングはあったはずなのに、田島の中にある殺人への憧れがより自分を穴に嵌らせていたと思うと惨め。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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