さまよう刃 (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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レビュー : 1650
  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043718061

感想・レビュー・書評

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  • 長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躙された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える…。重く哀しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長編。

  • 話の内容はかなり重い。
    今まで読んだ東野圭吾さんの本の中で、一番重くて読むのが辛かった。

    耐えきれないくらい辛いシーンの連続で、途中で読むのをやめようか
    と思ったほど。

    しかし、この小説はぜひたくさんの人に読んでもらいたい。

  • 2017/3/2 No.8
    考えさせられるテーマ。少年法とは?法律は誰のためのもの?被害者の気持ちはどこに向かえば良い?当たり前の日常が当たり前でなくなり、復讐に向けた人の心の動き、声高に正論とはとても呼べないが、誰もが感じるであろう感覚。いち、1人の人生とは何か、命の重みと、それを支える不完全な法律に、疑問を投げかけた素晴らしい作品。

  • 少年犯罪の問題。娘を強姦されて殺された父が長野に逃げた犯人を追う。 さまよう刃とは少年法が持つ保護の強さは本当に正しいのかということを問うための比喩。描写の臨場感が溢れていて面白かった。犯人を追い詰めていく様子、ペンションの女性との関わりなど、が印象に残った。

  • 少年法については重い。
    少年法に限らず、なぜ加害者は守られ、被害者はプライバシーもすべて流出してしまうのか常々疑問。
    少年犯罪で子供を亡くした親による復讐劇は、いくつか読んだけども、どれもいたたまれない。

    この話も東野さんにしては荒唐無稽ぶりが少なくて、社会派小説として面白かった。
    とはいえ、一般人の和佳子が縁もゆかりもなく、そのうえ、これから娘の復習を遂げようとする長峰をここまで守るだろうか。
    和佳子の娘も事故死ではなく殺されてしまったのかとも思ったけど、そういうわけでもなさそうだし・・・。
    あと密告電話も、犯人の仲間ではなく、警察官がかけていたのではという含みも・・・むむむ。

  • とにかく内容が重く、読んでいてとても辛く苦しくなるお話です。1つの事件とそこから起こる更なる事件を、複数の登場人物の視点から見て、それぞれの考えに触れられるので、とても物語に感情移入しやすいです。その分、1人の人間として自分はどう思ったか、どんな答えを出すのか、ということを真に突きつけられ考えさせられました。

  • 東野さんはエンターテイメント的なおもしろい話とかも、うまいなと思うけど、こういう重いテーマの泣ける話もやっぱりうまいですね。
    読みやすくて続きも気になるから一気読みしました。
    嫌なシーンでは顔をしかめながら、泣けるシーンでは思わず目が潤みながら読んでました。

    少年犯罪に関しては、被害者遺族側からしたら、少年法がおかしいと思うのも当然だと思いました。
    ただ、作中でも言われてたんですが、自分が事件に関わってないという人にとってはそういうことを考えることもないというのもその通りだと思いました。
    事実私もおそらく私の周りの人も深く考えてないです。
    でももしこれが事件の被害者だったらと考えると、少年法を非難せざるを得ないんじゃないかと思います。
    加害者のことを考えるのも大切だけど、この事件のように被害者に非がない場合はそれよりも被害者のことをもっと考えてほしいなということを考えながら読みました。
    ラストは哀しいけれども、納得というか、良い終わり方だと思いました。

    それにしても、私も一応年頃の女として、こんな事件には巻き込まれたくないです。
    こんな事件で人生めちゃくちゃにさせられたらもう…。
    考えただけでも恐ろしいです。

  • 二重にも三重にもやりきれない話だった。
    視点が多くて把握が少し大変だけど
    それぞれの展開が気になるような巧みな書き方で一気に読めた。
    本当にやりきれない話だけど読み物としてはよくできていると思う。

  • 復讐のために一人の人生が壊れていく様は小説ならではの感動がありました。シリアスな場面にほんろうされる良作です。

  • 2018021

    娘をふたりの少年に殺されたことを知った父親の長峰は猟銃を取り復讐を誓う。

    少年法の存在する意義や被害者の家族のケアなど、時間が経った今でも考えさせられる事ばかりでした。誰の為の法律なのか、社会的な存在意義よりも視聴率を優先するメディア。発売から10年以上経過した今も何一つ解決していない気がしました。

    社会的には駄目な行為でも、ひと道理に照らせば復讐と言う行為は正当に見えてしまう。法律は万能ではないと分かっていても、やりきれなさが残りました。

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プロフィール

東野 圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。
テレビドラマ・映画化された作品が多い。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほか、映画化が決まっている作品に2018年11月16日公開予定『人魚の眠る家』、2019年公開予定の木村拓哉主演『マスカレード・ホテル』、同年公開予定に玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』。

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