さまよう刃 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043718061

感想・レビュー・書評

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  • 少年犯罪をテーマに「罪」をどう償うのか―深く考えさせられます。
    憎しみというのは、簡単に消えるものではない。
    被害者遺族が納得できる形とはどういうものなのか。
    答えは簡単に出ませんが、読了後、いろいろ考えてしまいました。
    秀逸な社会派サスペンス。

  • 重い。でも思いっきり応援しちゃいます。がんばれ!逃げろ!捕まえろ!って感じですかね。

  • 久しぶりに東野作品を3冊一気読み。
    ゲスな未成年達に娘の命を奪われた父親の復讐劇。
    「法律は人間の弱さを理解していない」
    加害者の更生を重視した少年法の存在や、本当に尊重すべき事は何かを考えさせられる。
    決して気持ちのいい内容ではないが、心に響く作品。

  • 衝撃。事件そのものも目を背けたくなるほど痛ましいが、被害者の父親の哀しみ、絶望、怒り、加害者の少年の無責任さ、その親の無関心ぶりや我が子への盲愛、センセーショナルな事件を報じるマスコミのやり方や、事件を担当する刑事の心情まで、一連の事件の周辺にいる人々が詳しく描かれていて、胸にこたえた。

    法律は犯人が更生することを目的として作られており、被害者の心情は考慮されない、というのはよく言われることだが、それはつまりこういうことなんだと、厳しく重い現実を、人としてもっともつらいケースを題材にしてつきつけられている気がした。つまり、何の罪もない我が子を、獣のような人間たちの欲望の犠牲にされ、人間としての尊厳を傷つけられ、命まで奪われたのに、犯人が未成年だという理由でたいした罪に問われず、反省も後悔もしない、というケースだ。
    法で厳しく罰せられないのなら自分の手で復讐してやりたい、という気持ちはよく分かる。たとえ相手を殺しても愛する者は返ってこないという虚しさを分かっていてもなお、そうせずにはいられない父親の気持がせつなく、哀れで、たまらなかった。

    一方、犯人を追う刑事の気持ちまでは考えたことがなかったので、はっとさせられた。犯人を逮捕し隔離することは、ある意味法の下に保護することではないのか、と。「さまよう刃」というタイトルは、復讐を企む被害者の父親が瀬戸際になってためらうという意味かと思っていたが、そうではなく、警察の(法律の)正義の刃のことであったのだと知り、考えさせられた。

    作品全体を通して、緊迫感があり、ハラハラしっぱなし、自分でもどんな結末になればいいと思うのか分からず、それはそのまま、復讐を遂げようとする父親を前にした時の気持ちなんだろうなと思った。ラストはまったく予想外で、奥深い作品だと改めて唸らされた。

    誰が裁くのか、正義とは何か、正解は出ていない。でも、そのことに関心を持ち続けることこそ必要だというのが一つの答えだと思う。

  • もし私が愛する人を殺されたら、主人公と同じように復讐すると思う。

  • 娘が殺されて、
    父親が仇をとるために犯人に復讐する物語です。

    読む前は、復讐したくなるよなーっと、
    簡単な気持ちだったんですが、
    優しいお父さんが、優しい気持ちを持ったまま、
    復讐を果たそうとしている姿にとても切なくなりました。

    少年法の甘さを訴える人、
    少年は更生すべきだと訴える人、
    復讐したらダメだと訴える人、
    いろんな感情を持った人が登場して、
    すべての小説がそうですが、
    それは全て作家さんが一人で考えて、
    言葉にしたことということに、
    改めて敬意を払わなければならないと感じました。

    映画化されるそうなのでぜひ見に行きたいです。
    主題歌はミスチルのタガタメがいいです。

  • 読み出しから残酷な展開が繰り広げられ、普通なら目を背けたくなるほどの過激な内容になっている。

    にもかかわらず、東野圭吾だからこそだが、
    その残酷なシーンの後も最後まで読み切らないといけない衝動に駆られる作品に仕上げられている。

    一点残念なのが、結末を読み切ってもすっきりせず気分がめいるところ。

    しかし、現実世界にはこの本で書かれている事が無数に繰り広げられているのも事実であり、

    ハッピーエンドで終わらせないことにより、東野圭吾が読者に訴えているものを感じる結末となっている。

  • 考えさせられる小説・・・。
    深い(・。・;
    復讐はいけないことだけど、「少年法」によって守られた加害者を殺すことはそんなにいけないことなのかと思ってしまった・・・。
    法に守られなければいけないのは・・・「被害者の親で復讐をしてしまった加害者」なのか「少年法で守られた少年」なのか。。。法で守られている加害者がいる限り、被害者遺族の悲しみは払拭できないと思った。

  • 読んでいて辛くなった...。少年犯罪という重いテーマでしんどかった。未成年だからといって罪が軽くなるのは、やはり許せないと思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「未成年だからといって罪が軽くなるのは」
      難しいですよね。どうすれば罪を償わせて更生させるコトが出来るのか?
      「未成年だからといって罪が軽くなるのは」
      難しいですよね。どうすれば罪を償わせて更生させるコトが出来るのか?
      2012/09/18
  • 娘を殺害された父親が少年法という壁に守られた犯人たちに自らが制裁を加えようとする物語
    殺人を犯した少年たちは遊び半分で少女を殺し、逃走中も反省の色などない
    登場人物は加害者と被害者だけに止まらない
    警察、マスコミ、親族、そしてすべての国民
    正義とは何なのか、守るべきものは何であるのか
    罪の償いか、公正か、それとも法律か・・・・・
    重い重いテーマの物語です
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-188.htmlより

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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