さまよう刃 (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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レビュー : 1692
  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043718061

感想・レビュー・書評

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  • 少年法については重い。
    少年法に限らず、なぜ加害者は守られ、被害者はプライバシーもすべて流出してしまうのか常々疑問。
    少年犯罪で子供を亡くした親による復讐劇は、いくつか読んだけども、どれもいたたまれない。

    この話も東野さんにしては荒唐無稽ぶりが少なくて、社会派小説として面白かった。
    とはいえ、一般人の和佳子が縁もゆかりもなく、そのうえ、これから娘の復習を遂げようとする長峰をここまで守るだろうか。
    和佳子の娘も事故死ではなく殺されてしまったのかとも思ったけど、そういうわけでもなさそうだし・・・。
    あと密告電話も、犯人の仲間ではなく、警察官がかけていたのではという含みも・・・むむむ。

  • 私もペンションの女性のように行動するかも。
    仇討ちが禁止されていても、相手が少年というだけで刑が軽くなり、しかも反省するとは思えない状況では長峰の行動を止められない。
    ーーー
    長峰の一人娘:絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躙された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎えるーー。重く悲しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長編。

  • ぶっ殺せ!!!



    物語の終盤、私の頭にはそれしかなかった。
    妻を亡くし、生き甲斐となっていた愛娘が少年たちに蹂躙されこの世から消え去った。おまけに犯人の少年たちは未成年ゆえに実名が出ることも無ければ死刑になることもない。そう、少年法という法律のために。

    そこで父親は何を思ったか。
    「復讐」である。
    人殺しは絶対にしてはいけないことであると承知の上でどうしても自らの手で(司法には委ねられない)復讐を、制裁を加えねば・・・というのである。

    途中、ふと山田悠介氏の
    (タイトルは忘れましたが)被害者家族が加害者に復讐することが法律的に認められた状況下でのお話を思い出した。
    だが無論、東野圭吾はそんな安直な方向には走らない。

    様々な登場人物の様々な思い、行動が交錯する結末。
    父親は仇を討てたのか。

    面白かったです。人を引き込むのが巧いと改めて売れっ子作家である所以を感じました。

  • 一人娘を少年により蹂躙された後に殺された父親の復讐。少年法や刑罰の意味って…というのを考えさせられる。社会学の本で未来に希望を持てないと現状に満足するという記載があったけど、この父親も希望が見えなくて復讐だけが目標となってしまったのが哀しい。やるせない最後。

  • 後味が悪い!
    東野圭吾は後味が悪い作品が多いとは思うけど、主人公には思いを遂げてほしかっただけに余計もやもや。

  • もし私が愛する人を殺されたら、主人公と同じように復讐すると思う。

  • 娘の仇討ちを図る父、人間の屑としかいいようのない息子を擁護する母、自分の息子だけは罪人にならないよう蔵匿する父。己のことしか考えていないエゴむき出しの姿が遣る瀬ない。自分さえ良ければ主義が闊歩するこの世の中にわびしさを感じずにはおれない。そんな中にあって和佳子の行動には一筋の光明のようなものを見出すことができる。ところどころに息を呑む場面も用意されておりそれなりに楽しめた。

  • 絶望的な話だな。

  • 結末はどう転んでも不自然ではなかった。誰しもがやるせない結果だったと思う。逃亡中の長峰の心情もわかりやすかった。娘を奪われた父親の気持ちが痛いほどわかった。最後に小さな驚きが隠されているところも東野作品らしい。少年法は多くの人が疑問に思っていることだろう。本当に更生させるべきなのか、そもそも本当に更生するのか?被害者遺族の心情は?いくつもの問題を投げかけた作品だった。

  • うーん、ちょっと暗いです。重い小説です。

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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