さまよう刃 (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043718061

感想・レビュー・書評

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  • 2017/3/2 No.8
    考えさせられるテーマ。少年法とは?法律は誰のためのもの?被害者の気持ちはどこに向かえば良い?当たり前の日常が当たり前でなくなり、復讐に向けた人の心の動き、声高に正論とはとても呼べないが、誰もが感じるであろう感覚。いち、1人の人生とは何か、命の重みと、それを支える不完全な法律に、疑問を投げかけた素晴らしい作品。

  • 少年犯罪の問題。娘を強姦されて殺された父が長野に逃げた犯人を追う。 さまよう刃とは少年法が持つ保護の強さは本当に正しいのかということを問うための比喩。描写の臨場感が溢れていて面白かった。犯人を追い詰めていく様子、ペンションの女性との関わりなど、が印象に残った。

  • とにかく内容が重く、読んでいてとても辛く苦しくなるお話です。1つの事件とそこから起こる更なる事件を、複数の登場人物の視点から見て、それぞれの考えに触れられるので、とても物語に感情移入しやすいです。その分、1人の人間として自分はどう思ったか、どんな答えを出すのか、ということを真に突きつけられ考えさせられました。

  • 東野さんはエンターテイメント的なおもしろい話とかも、うまいなと思うけど、こういう重いテーマの泣ける話もやっぱりうまいですね。
    読みやすくて続きも気になるから一気読みしました。
    嫌なシーンでは顔をしかめながら、泣けるシーンでは思わず目が潤みながら読んでました。

    少年犯罪に関しては、被害者遺族側からしたら、少年法がおかしいと思うのも当然だと思いました。
    ただ、作中でも言われてたんですが、自分が事件に関わってないという人にとってはそういうことを考えることもないというのもその通りだと思いました。
    事実私もおそらく私の周りの人も深く考えてないです。
    でももしこれが事件の被害者だったらと考えると、少年法を非難せざるを得ないんじゃないかと思います。
    加害者のことを考えるのも大切だけど、この事件のように被害者に非がない場合はそれよりも被害者のことをもっと考えてほしいなということを考えながら読みました。
    ラストは哀しいけれども、納得というか、良い終わり方だと思いました。

    それにしても、私も一応年頃の女として、こんな事件には巻き込まれたくないです。
    こんな事件で人生めちゃくちゃにさせられたらもう…。
    考えただけでも恐ろしいです。

  • 【確認】
    手紙も読んだ!
    それは、
    家族に犯罪者が居て困ったって話だね。
    風評被害って大変だ!
    つか、
    身内に犯罪者がいるってそこまで重いことなのかって思うね。

    虚ろな十字架も読んだ!
    それは、
    被害者と加害者の在り方の問題でしたね。
    そして、
    正しさって何ってこと。
    それこそ、
    千差万別って感じかしらね。

    これ、
    さまよう刃は復讐ですな!


    【内容】
    父親と娘。母居ない。
    娘が、
    馬鹿2人に凌辱され殺されちゃった。
    密告があり、
    馬鹿1名を殺しちゃった父親。
    復讐半分終了。
    だって、
    凌辱シーンを動画で撮られてたんだもん。
    酷かったんだもん。
    愛する娘を凌辱され殺されたんですから、のんきに裁判ですか?
    無理ぽですよ。
    自分の手で殺しますわ!
    当たり前ですよ!
    なにしろ、
    目の前に現れてくれちゃったんですから殺すでしょう!
    って、
    残り1人も殺す意気込みだったけど、
    1人殺して、
    逃亡しながら馬鹿1名を探しながら復讐って結構へこたれます。
    なにしろ、
    指名手配もされてるしね。
    テレビに全開で放送される有名人ですからね。
    つか、
    へこたれてます。。。
    でも、
    ある女性のおかげですかね。
    助けを借りながら、
    癒されながら、
    復讐を誓いながら、
    自首も考えつつ旅してました。
    で、
    チャンスがきちゃいました!
    密告です!
    もう、
    殺るしかない!
    2人目を殺せる!
    決戦の地は上野です!
    で、
    結果は?

     
    【感想】
    愛する人を殺されたら?
    しかも、
    犯人は未成年でどうしたって捕まってもすぐにでてくる。
    かぐりん的には自分で復讐派ですな!
    天罰下るのを待つってのもありですが、
    やはり、
    自分の手で復讐したいわ。
    もう、
    目には目を歯には歯をってやつです!
    それこそが正義です!
    と、
    思うけどこの本を読んでて、
    読まなくても、
    復讐なんて虚しいと思いつつ、
    許せない心をずっと抱えて生き続けるのであれば、
    燃やして復讐の鬼になるかな、やっぱり。
    でも、
    難しいといえば難しいよね。
    メンタル的にも、方法論的にも。
    むしろ、
    方法論がない!
    銃とかないからね包丁でってつらたんや。

    ただ言えるのは、
    法律は無力ですね!
    それだけは、
    手紙も虚ろな十字架も読んで思った共通のことで、
    殺意を武器に自分の手でやるか、
    殺意を自分の心内に抑え込んでおくか、
    殺意を自分に向けて自殺するかしかない気がする。
    絶対に、
    寛容の心なんて持てないね。
    「いいよいいよ、世界で1番好きな人を殺してくれた君を許そう」
    なんて、
    言えるのは人間じゃない!
    と、
    思う方が真実でしょう。
    実際に、
    なってみないとわからないってのが真実ですけど、
    想像すると、
    「かぐりんは自分の手で復讐派」です!

  • 密告者が誰かなんて、どうでもよかったのに…。長峰の仇討を果たさせてやりたかった。それだけだったのに。

  • 読んでいて辛く苦しくなる本。だけど目をそらしてはいけない現実。
    色んな悪と正義の形を見たうえでも何が正解なのか、その答えにはたどり着けそうにありません。読了後の空虚感、やりきれなさは半端ないです。
    ただひとつだけ救いがあったのは、このような悪を減らしたいから私は教師になったのだと再確認できたことです。

  • 少年たちに大切な娘を無惨にも殺されてしまった男性の復讐劇と警察の攻防。
    怒りや怨み、やるせなさ、喪失感はどうしたら払拭出来るのだろう。少年法の矛盾点を警察も世論も感じながら、どうしようも出来ない現実。誰にも肩入れできなかったなぁ。

  • これほど衝撃を受けたのは初めてでした。
    こんなにも胸に響くのかと、
    正義とは悪とは、何が正しいのか。
    心が囚われました、
    真っ直ぐに、世間に理不尽さを訴えるだけではない。
    答えのない難題をこうも巧みに現代社会の問題と結びつけ読みやすく、
    感じ考えやすくしているんだなと思った。
    こんな風に世間と対決する方法があるんだと、
    こんな風に表現していいのだと初めて知りました。

  • 少年犯罪をテーマに「罪」をどう償うのか―深く考えさせられます。
    憎しみというのは、簡単に消えるものではない。
    被害者遺族が納得できる形とはどういうものなのか。
    答えは簡単に出ませんが、読了後、いろいろ考えてしまいました。
    秀逸な社会派サスペンス。

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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