使命と魂のリミット (角川文庫)

  • KADOKAWA (2010年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784043718078

作品紹介・あらすじ

あの日なくしたものを取り戻すため私は命を賭ける――。心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。それを果たすべき日、手術室を前代未聞の危機が襲う。大傑作長編サスペンス。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

医師の使命や人間性をテーマにしたこの作品は、心臓外科医を目指す研修医の成長と葛藤を描いています。主人公の夕紀は、父の死を巡る真相を探るため、執刀医の元で学びながら医療の現実に向き合います。物語は、医師...

感想・レビュー・書評

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  • 「ぼんやり生きてちゃだめだぞ。一生懸命勉強して、他人のことを思いやって生きていれば、自ずといろいろなことがわかってくる。人間というのは、その人にしか果たせない使命というものを持っているものなんだ。誰もがそういうものを持って生まれてきてるんだ」
    友紀は父の最後の言葉を胸に医師研修医になった。もうひとつ、父の手術失敗は仕方なかったのか故意だったのか確かめるために。それは必然的に、医師の「使命」を確かめることにもなるだろう。

    その物語と並行して、大手自動車会社社長の殺害計画が進んでいた。

    自動車の品質保証システムが、社長が気まぐれで設定したノルマに縛られて簡略化された。「確かに社長はシステムの簡略化は認めてはいません。でも目標値をさげろとも言わなかった」「何かあったときには責任逃れができる様にしてあったんです」そのことによって大切な恋人が殺されたと思った若者は、用意周到な「手術失敗計画」を立てる。

    単行本の発行は2007年だけど、まるでつい最近の大手自動車会社の安全保障システム簡略化の経緯そのままだ。現実でもこの社長は、当然政治家も動かせる大物だから、罰せられたのは下部幹部止まりだったし、尚且つテレビCMで、その元社長は、悪いのは部下たちだと言わんばかりに「これからは組織風土を変えよう」と大見得を切っている(あくまでも小説と現実は違うから、私は変な言いがかりをつけている可能性はある)。

    医師の使命と技量との関係、突然のトラブルの対処の仕方。研修医の成長。多くの医療小説では出てくるテーマだけど、それをちゃんとエンタメミステリ仕立てにする技量に感服する。

    岡山市文学フェスタで初めて一箱古本市に行った。そこで出会った一冊。

  • 面白かった。最後まで真相はどうなんだろう?と考えつつ読み進められた。長編だったが、真相を掴みたい気持ちが、ページを捲る手を早めた。最後は医師の使命感に圧倒された!!それはそれで良かった!

  • 東野圭吾の医療ミステリー。
    凄く熱い作品だった。東野圭吾さんのイメージといえば少年犯罪や死刑制度などの社会派の印象だったが、今回は希望のある人間ドラマであった。自分の実の父親を殺したかもしれない男の元で研修医として働く主人公が謎の脅迫事件に巻き込まれていくというもので、疑いながらも医療と向き合っていく物語。島原総一郎の手術というレベルの高い手術に彼女をアシスタントとして採用した理由が、自分の手術姿を見せて自分の彼女からの疑いを晴らそうとする姿がとてもかっこよかったです。そしてその結果、自分の身を削り倒れた時に夕紀が助ける展開がとても熱かったです。氷室も西園も犯人の直井も刑事である七尾も自分の使命に生き続ける姿がとてもグッとくるものがありました。東野圭吾作品の中では、話題に上がりづらい作品ですが皆さんも読んでみてください。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)
    氷室夕紀:雨宮天
    西園陽平:井上和彦
    元宮誠一:小西克幸
    氷室健介:三木眞一郎
    氷室百合恵:山崎和佳奈
    直井穣治:小野賢章
    真瀬望:和氣あず未
    七尾行成:神奈延年
    島原総一郎:若本規夫
    中塚芳恵:一城みゆ希
    森本久美:黒沢ともよ
    西園道孝:古川慎

  • 東野圭吾氏作品読了49冊目。
    本書は有名作品ではないが、かなり好み。

    研修医:氷室夕紀は目指している心臓血管外科の研修中。父親が動脈瘤手術中に亡くなった過去。その時の執刀医だった西園教授の元で学び、父の死は運命だったのか⁈探る目的もある。

    病院へ届いた脅迫状、大会社社長の動脈瘤手術など、事件が絡み——。

    夕紀の父:健介の「誰でも与えられた使命がある。それを全うしろ」。

    医者は個人の感情で手術を作為的に行ったりするのか⁈ 生き様・使命・人間性を織り込んだヒューマンミステリ。

  • やっぱり東野圭吾さんは凄かった。
    だんだんと物語が繋がってきて真相が見えてきそうで見えない、この感覚は何度体験しても気持ち良いな、と。

    愛を感じる人間関係、希望を感じる医療ミステリー。


    作中に何度も登場する「使命」という言葉。
    最後まで読み終わってより深い意味を感じた。
    氷室先生も、西園教授も、氷室先生の父や七尾警部も、それぞれが自分の使命を自分なりに全力で真っ当して任務に当たっている姿にこみ上げるものがあった。
    自分は自分の使命を全う出来ているだろうか?自分自身に問いかける良い機会になった。

  • 東野圭吾は主人公、メインの登場人物意外の書き方が非常に丁寧。そもそも誰かを主人公と設定しているのかも怪しい。しかし群像劇かと言われるとそれも違うなと感じるのが不思議。

    研修医とその家族、患者、犯人とその近親者それぞれがそれぞれの思いを抱えながら物語が展開していく。
    誰もが主人公ではあるけれども誰かがメインではない。等しく皆んなが主人公。感情の揺れ動きが機敏に感じ取ることができて心揺さぶられる良い作品だった。

  • 東野圭吾の病院を舞台にした名作。非常に読みやすくわかりやすい内容だった。さほど驚きのある展開はないが、素敵な作品だと思った。それぞれが使命を全うする姿が印象的だった。

  • 夕紀と西園の関係性もドラマチックだったし、穣治と望についても胸熱な展開でよかった。おもしろい様にページが進んだ作品。

  • 長編医療ミステリー。読後感は、とても爽やかで気持ち良い。

  • 突然の脅迫状に揺れる帝都大学病院。
    「医療ミスはない」と断言する西園教授。
    しかしその言葉を鵜呑みにできない研修医の夕紀。
    彼女はとある疑念を抱き、医師になりこの病院に配属されて。
    様々な人間関係が渦巻く物語。
    その中で医師としての使命と、ひとりの人間としての心情。
    展開としては目が離せなく夢中になって読んでいたのですが。
    終盤にかけて少し都合良すぎるかたちかな。
    ストーリーは面白かったけど、自分的にあまりハマらない作品でした。

  • 医療ものはやっぱり好きです。恋人を無くしたエンジニアの復讐。復讐相手の入院中に病院を巻き込み行われる復讐。騙されたと知った看護師の選択。優しさが最後の犯行を留まらせる。悪い人もこれにこりて改心してくれることでしょう。

  • 最後まで医師の志を信じたいと思いながら読み進めた。
    構成やストーリーはシンプルでありながら、著者の思いがいたるところに散りばめられた素晴らしい作品でした。
    迷った時は東野圭吾さんを選択すれば間違いなしです。

  • 七尾刑事??
    賢すぎでしょ(^_^;)
    どんでん返しがあるのかも?と思ってたけどの綺麗に進んで綺麗に終わりました。

  • ヒロインの夕紀が指導医と母に疑念を持っているところから始まる。その疑念が晴れるのか、新たな展開があるのか。西園教授の疑念が薄れてきた時に、また疑念を持つことになり黒くなりかけ最後に真っ白になるという・・ぐいぐい引き込まれて行った。

    行動で示す、親の背中を見せる、誠意を持って示した西園教授だった。

    結末は、ずっと涙が出っぱなしだった。穣治だけが使命を間違えていたけれど全員が使命を果たそうと懸命だった。美しくきれいに最後のページを締めている。しかも余韻を思いっきり残して。さすがだ。やっぱり東野先生だと思った。

  • 久しぶりの東野圭吾さん、医療ミステリ。なんでこんなに読みやすいんだろうと感心する。もちろん面白いからなんだけど。
    なんだかみんな良い人で、こんなに読後感の良いミステリはなかなかない。七尾刑事はキレキレでした。医師も刑事も看護師も、使命をもって頑張っている。他のお仕事の人も、お仕事してない人も、みんなそれぞれの使命をもって生きてるんだな。
    みんなにオススメできる1冊です。

  • 面白かった♪愛も感動も詰まったサスペンス作品でした。医療ものだけれど、読みさすさはさすが東野先生です!

    「その人にしか果たせない使命」
    私の「使命」はなんだろう...と考える読後。



  • 自分の疑心から目指した医者の研修生、
    その研修生の父親を故意に死なせたと疑ってる相手が指導される上司。その上司と繋がる研修生の母親。
    また過去に囚われてその病院に復讐しようとしている容疑者。
    実際の復讐相手は病院ではなく、病院で入院している自動車会社社長。

    さまざまな視点から描かれて、すべての過去が今に繋がってくる感じ、とても面白かった。
    容疑者と被害者、どちらにも正義があるんだなと思いました。

    後半になりやっと、過去の真相が分かってきたり、犯人の偽装行為に騙されたりと
    最後まで、驚きとほっとする真実が分かったりで、読み終わりはとても気分が良かった。
    1人の命で周りの人間がこんなにも振り回されるのか、人の命の重さ。
    それぞれ思う相手が居てると、引きずる重さもそれぞれだなと思いました。
    しかし、医者は神様ではない。これが色んな人に響けば良いなと思いました。

    事故や事件に巻き込まれたり、あと少しでのタイミングで助かったり助からなかったり、医者が違えば判断や方針が違うことが原因で失われる命や、見逃す病気、
    それも何もかも、運だなと思った。
    悔しいけど、運とはこの事なんかなと思った。

  • 二十代後半までほとんど本を読んで来なかったのですが、この本から私のミステリー小説ライフが始まりました。凄く読みやすくて、飽きさせず焦らし過ぎず最後まで続きが気になってワクワクしながら読み進められました。読み終えた後もポジティブな感情になれましたし、この本に出会えて良かったです。

  • これもかなり昔に読んで大体は思い出せた。後味が悪い訳ではないが結局父親の手術は失敗してるので少しモヤッとはするかも。

  • 医療ミスを公表しろという脅迫状の事件と、自分の父は意図的にミスをして殺されたのではと研修医となった主人公の疑念が同時に動いていくので、ずっと面白かった。

    ただ、最後の主人公のセリフが私は
    うーん、と思ってしまった。そのセリフで主人公の気持ちが分かりやすいのだけれど、色々ハイな状態だったという事で。
    時代かな?
    2006年刊行

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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