使命と魂のリミット (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 10191
レビュー : 763
  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043718078

作品紹介・あらすじ

あの日なくしたものを取り戻すため、私は命を賭ける――。心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。それを果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う。大傑作長編サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • ヒロインの夕紀が指導医と母に疑念を持っているところから始まる。その疑念が晴れるのか、新たな展開があるのか。西園教授の疑念が薄れてきた時に、また疑念を持つことになり黒くなりかけ最後に真っ白になるという・・ぐいぐい引き込まれて行った。

    行動で示す、親の背中を見せる、誠意を持って示した西園教授だった。

    結末は、ずっと涙が出っぱなしだった。穣治だけが使命を間違えていたけれど全員が使命を果たそうと懸命だった。美しくきれいに最後のページを締めている。しかも余韻を思いっきり残して。さすがだ。やっぱり東野先生だと思った。

  • 夕紀が西園を許したところがあっさりすぎて拍子抜け
    読後、モヤモヤだけが残ったのはこれが理由だと思う

  • 読み終えたのは2年ほど前なのですが、NHKでドラマ化してるのをたまたま少し前に観て…思い出しながらレビューしてます。

    私はとても胸を打たれました。
    人を疑いながら、憎しみながら生きるのはとても苦しいことです。
    主人公はある事件を忘れられず、義父になるかもしれない、かつ上司でもある人の側でずっと葛藤してる。
    だけど最後にその人の生き様が見える出来事に出会い、苦しみから開放される…

    自分なりの使命を持って生きてても、誰かにそれを理解される事は中々ない。誤解やタイミングのズレや様々な弊害の中にうずもれて…
    義父になるかもしれないその人は、主人公に余計な言葉や言い訳を放つ事はせず、自分の背中を見せる事で医者としても人間としても経験の足りない主人公を一回り成長させ、それが誤解を解くことに繋がった。

    その辺りのくだりに胸を打たれました。子を持つ親の1人としても考えさせられる部分だったから。

  • 何よりも圧倒されたのは最後の手術シーン。
    昼休みの教室で読んでいたのですが、
    手術シーンに入った時は、教室の喧騒などは何も聞こえなくなっていました。

    それくらいの臨場感です。医療サスペンス系の小説を読んだのは
    これが初めてでしたが、本当に読んでよかったです。

    そして感動のエンディング。
    いい小説を読んだなあっていう心地よい余韻が残る一冊でした。

  • 病院を舞台にしたサスペンス。読み進めながら、あるいは読み終えたときに、彼らにとって医者としての「使命」とは一体なんだったのか、そして人間としての「使命」とは一体なんなのか、を深く考えさせられる一品。

  • 2020/12/26
    すっかりこの人の作品にハマってしまいました。じっくり読むというよりも一気読みでザーッとストーリを追いながら読んでいってます。
    父を心臓の動脈瘤手術で亡くしている氷室夕紀、その父を手術し、現在氷室の働く病院で教授として氷室に色々教えている西園先生をはじめとして、病院で働く人たちの大変さ、過酷さ、人の命を扱うことの重みが細部まで描かれています。そしてそこに合わさるミステリー要素がこれまたいい感じになってます。
    病院の手術を止めるようにという旨の脅迫状が届き、電源が爆破されたり、色々なピンチに陥りつつもそれでも人の命を救おうとする医者の人たちと犯人との駆け引きが結構手に汗握る感じで臨場感がありました。
    操作に入っている七尾刑事も、一匹オオカミ感がいい感じです。
    よく分からないけど心臓外科手術についても、こんな感じなんだろうか…と少し詳しくなった気がしました。実際は違うんだろうけど…。
    映像化したらこれもまた面白そうです。

  • 年間で医療ミスはとても多いと聞きました。
    信用してた医者に医療ミスで家族を失ったらどこに苦しみをぶつけていいのか分かりません。

  • スピード感あって、飽きずに一気に読めた。各々の使命が強く面白かった。

  • 研修医である氷室夕紀は、父である健介の手術が医療ミスであったことを疑っていた。その時の担当医であった西園は、母と恋人関係にあり、そのせいもあってか疑惑はなかなか晴れずにいた。

    直井譲治は、夕紀の勤める病院で働く看護師の真瀬望と恋人であるが、実は脅迫状の犯人。

    譲治が復讐したいのは島原であり、その島原は夕紀の父である健介と同じ病気で入院し手術を控えていた。

    手術当日、譲治の企みにより停電になり、満足に手術が行える状況ではないはずなのに、西園は必死に自分の使命を果たそうとしていた。

    西園も、夕紀の母も、夕紀が父である健介の手術を疑っていたことを知っていた。西園は言葉だけじゃ理解してもらえないこともわかっていて、必死に手術を続行し、そして使命を全うした。

    譲治は、望の一途な気持ちに揺れていて、そして、望の言葉で思いとどまれた。

    きっと…この事件が終わった後、島原の不正が明らかになり、譲治も未遂だったこともあり、情状酌量で刑期は短くなるんだろうと思う。

    人って凄いって素直に思える作品でした。
    西園の手術中の姿には泣かされました。
    カッコ良かった!

  • 医療ミステリ。帝都大学病院に脅迫状が届く。犯人は、分かっているけど、目的が何なのか?七尾刑事の推理力と人の温かみを感じる言動が素晴らしい。 夕紀の父、健介の「使命を放棄するというのは、今まで生きてきた意味も失うことだ」という言葉感銘を受けた。健介、七尾、西園3人とも使命をまっとうする人だったんだなぁ。そして、夕紀もそういう人に育っていくのでしょう。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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