一瞬の光 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 2323
レビュー : 298
  • Amazon.co.jp ・本 (589ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043720019

作品紹介・あらすじ

三十八歳という若さで日本を代表する企業の人事課長に抜擢されたエリート・橋田浩介。彼は、男に絡まれていたところを助けたことがきっかけで、短大生・中平香折と知り合う。社内での派閥抗争に翻弄されるなか、橋田にとって彼女の存在は日増しに大きくなっていった。橋田は、香折との交流を通じて、これまでの自分の存在意義に疑問を感じ、本当に大切なことを見いだしていくのだった…。-混沌とした現代社会の中で真に必要とされるものは何かを問う、新たなる物語。各紙誌書評で絶賛と感動の声を集めた気鋭のデビュー作、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい文章の中に、生きるとは何か、愛とは何か、という示唆が散りばめられていて、素敵な小説だった。

    自分を愛していないと人を愛することはできないが、人を自分以上に愛して初めて本当に自分を愛することができる

    というメッセージは心に刺さった。

    自分も死にたいと思った時に必ず顔が浮かぶ人がいる。その人のことを思うと、自分の死後その人はどれだけ悲しむだろうかと思うと死ぬことなどできないと思わされる。
    もし自分が1人だけだったら自殺など簡単にできてしまう気がするが、私はその人を自分以上に大切にしたいと思えるから自分のことも大切にしようと思うのだ、と本書を読み終えて言語化できた。

    『僕のなかの壊れていない部分』も良かったが、哲学書のようで、小説という観点だと個人的に本書の方が好みだ。

  • 自分と似たものを他人の中にみつけ、それが愛する理由になるというのは、自己愛なんじゃないかと思うけど、孤独な二人が寄り添うことに気持ちの種類など関係ないのかもしれない。

    登場人物がこぞって孤独だけど、特に自殺した上司、ガンで死んだ親友のくだりは考えさせられた。

  • 白石一文さんの作品を何作か読んできたが、共通したテーマはきっと運命とか宿命のようなものなんだろう。

    それに翻弄され、迷い戸惑いながらも一番大切なものを守るため険しい道を選ぶ、というパターン。

    美貌、家柄、能力、人柄、料理の腕までもが完璧な瑠衣と酷い虐待を受けて育った影響で常に情緒不安定な香折。
    全く違う性質の2人の女に深く関わるうち、浩介の心情に変化が起きてくるのだが。

    男性陣は「放っておけない、守ってあげたい」薄幸タイプの女子に弱いよなぁ…瑠衣だって、なんでも手にしているように見えたって平気な訳ないのに。

  • 白石一文の処女作。
    三菱重工と思わせる企業に勤める超エリート主人公の物語。

    主人公の人間性に対して賛否両論あるだろうが、ストーリーの主体となる派閥抗争を始め、180度違う2人の女性との物語も面白い。

    白石作品は比較的白黒つかない読後感を与えてくれるが、本作も同じ。珍しくストーリー性の強い作品。

  • 主人公の最終的な選択が納得いかない、というようなレビューもあったけど、わたしは特に違和感を感じなかった。
    でも、主人公が自分の素直な気持ちと向き合わず、状況に流されたことで、悲しい思いをすることになった容姿端麗のお嬢様はかわいそうだと思った。
    そういう役割をもつ人物がいるから、話の展開が重ねられるのだけれど。。。

  • 時間についての記述が好き。
    るい「時間が好きなんじゃないかと思うんです。時間って正確で、少しずつ積もっていくでしょう。自分がその流れの中でだんだんに変わっていっていると感覚が、面白いっていうか好きなんです。だから、時間ってなんだか自分の味方のような気がするんです。いつも寄り添ってくれていて、人間と違って決して裏切ったりしないし、どんなに厭なことでも、時間が必ず解決してくれるような気がします。」

  • 瑠衣さんは僕にください

  • 長いけど、もっと読みたくなる
    エリートと香折

  • ドロドロの社内政治。
    ドロドロの崩壊家族。
    そこから人を救うのは、純粋な愛情?
    一気読みでした。

  • とても切ない恋の物語。客観的にはどちらの女性と一緒になればいいのかは一目瞭然ですが、感情とは厄介なもの。でもとても尊いもの。嘘や計算して人生が上手くいっても一時のもので、最後に残るのはやはり感情や内に秘めた思い。それがよりわかるストーリーでした。
    それとサラリーマンの出世の苦労が鮮明。今もどこかでこのような取引がなされているんじゃないかと、現実味を帯びるような感じに描かれています。
    切ない終わりになっていますが、読んでよかった!と思わせる一冊でした。

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