すぐそばの彼方 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2005年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784043720033

作品紹介・あらすじ

4年前の不始末から精神的に不安定な状況に陥っていた龍彦の父は、次期総裁レースの本命と目されていた。その総裁レースを契機に政界の深部にのまれていく龍彦。愛と人間存在の意義を問う力作長編!

みんなの感想まとめ

愛と人間存在の意義を深く掘り下げたこの作品は、政治の舞台を背景に、主人公・柴田龍彦が自身のアイデンティティを模索する物語です。次期首相候補の父を持つ彼は、過去の不祥事により精神的に不安定な状況にあり、...

感想・レビュー・書評

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  • 政治の勢力争いがややこし過ぎて途中で考えるのをやめてしまいました
    わざと読者にわかりにくくしているんじゃないかと思えるほど
    最後の方にどんどん面白くなってきたけど、読むの結構しんどかった

    政治と金の話は興味深かったな
    殺戮による政権奪取の時代は実はそんなに昔のことではなく、命の次に大事な金をかけた政治ゲームが行われる
    クリーンな政治を求められる政治家は、果たして何を使って戦えばいいのか

  • 「本当の愛」は、家柄やお金が絡んでいる結婚ではなくて、不倫の恋の方にあった…というような展開にちょっと納得いかないんだけど、なんかそんな話です。
    大物政治家の息子である主人公は、不倫やらお金の問題やらで窮地に陥り、心を病んだ状態にある。
    本来アタマが良くてちゃんとしているはずの彼が、精神的にちょっとおかしくて約束を忘れたり、お金のやりくりが全然できてなかったりする様子は読んでいてハラハラして、“よくわからないけどなんか病んでる”っていう感じが実にうまくに描いてある。その彼がだんだん回復していって、真実を見つける話…
    (つまり本当に自分のことを愛してくれて、本当に自分が愛すべき人はすぐそばにいたのに、それを自分が気付かないためにすぐそばでありながら彼方にあった、やっと真実に気付いた)とも読めるけどーーーーーー。
    ちょっと政治的な駆け引きの話の分量が多くて、読むのに疲れました。国を動かす大きな仕事をしていながら、結局人間は(どんな政界の大物でも)、すぐそばにありながら手に入れられない愛や、それにまつわる扱いづらい自分の感情など、なんだか小さなことに悩まされるもので、そのギャップを感じさせるためにスケールの大きな政治の話を無意味なまでに長々と書いているのかなぁと思いました。
    もしそうだとしたら私には有効でした。

  • 政治ものだけど、白石さんの「運命の人は、時すでに遅しくらいにわかる」的な恋愛物語。わかっていたけど、最後は戻るんだなぁ。主人公は責任感が強くみえるか、所々急に弱く逃げてしまう。でも戻るんだなぁ。
    政治の人間関係が少し複雑で読み難く、ストーリーが見えていたので評価3ですが、白石作品はやはり良いかな。

  • 【あらすじ】
    次期首相の本命と目される大物代議士を父にもつ柴田龍彦。彼は、四年前に起こした不祥事の結果、精神に失調をきたし、父の秘書を務めながらも、日々の生活費にさえ事欠く不遇な状況にあった。父の総裁選出馬を契機に、政界の深部に呑み込まれていく彼は、徐々に自分を取り戻し始めるが、再生の過程で人生最大の選択を迫られる…。一度きりの人生で彼が本当に求めていたものとは果して何だったのか。『一瞬の光』『不自由な心』に続く、気鋭の傑作長編。

    【感想】

  • 政治の話は登場人物と関係性を何度も見返さないとわからなくなった。心の休まる本当の愛情や自分の居場所に、まわり道をしながら辿り着くお話。ラストの善し悪しはあるけれど、自分に正直にという点だけで言えば共感出来る。「男の人は魅力を感じた女をだんだん愛するようになるけど、女は愛した男にだんだん魅力を感じるようになるの。だから男はその女に魅力を感じなくなれば愛も薄れていくけど、女は愛している限りはその男がどんなに変わっても引きずられていくの。」確かに。響く言葉でした。

  • ある事件をきっかけに精神面が壊れてしまった男の再生の物語であり、後半では「運命の人と共に生きる事を選ぶこと」白石一文節、炸裂の男女の物語でした。
    この作者が政治家を描くのは珍しいと思います。ただ本作はかなり初期の作品であることから政界を舞台にする物語も当時の作者としては意欲的な作品だったのかなぁって白石ファンとしては考えちゃいますね。
    どんなに私利私欲や権力欲まみれようとも最後の最後は日本国を愛する政治家の一人…その矜持は絶対になくさない。この辺の件は堪らんもんありますね。なんか大和魂までは売り物にはしてないよって印象でした。みんな戦っているんですね。
    ともあれ最後の最後はね…ええ展開で良かったです。愛する人の元へ戻る決断…難しかったろう。いっぱい考えたろう。
    運命の人を絶対に離すな!これこそが白石節だなぁ〜

  • 一人の男性とその周りの人々の再生の話と思って読んだのだが、実際その面もあったのだが、いやしかしほとんど政治の話だった。
    伏線かと思ったのだけど、そうでもなく。
    どっちかにしてほしかった。

  • f.2024/9/22 (2024-78)
    p.2005/1/25

  • 政治の話が苦痛すぎて何度か挫折しそうに。。。
    ラスト5ページで苦痛から解き放たれた!!!

  • デビュー作で代表作の「一瞬の光」より良かった。「一瞬の光」では社内抗争の話が面白く、恋愛の方はなんというか、例えば大学生が「愛とは何か」を友達とだべってるのを聞くようで全く面白くなかった。本書では政治抗争についての部分が「一瞬の光」に於ける社内抗争の部分よりも分量が多く、愛の方の分量が比較的少なく、却ってそちらにも感情移入出来た。

  • ケイイチにかりた

  • 藤田元首相の2ページ半に渡る政治思想が、世の中のリアルな側面に思われた。私的には、人の言動や、人が作るシステム(政治)の不完全さの方が、完全なものよりも現代を映す上で真実味がある気がした。

  • 今読みましたが発売当時に読んでいたら私の人生はずいぶん違った方向になったような気がします。30歳までに読んでおいてほしい本です。

  • 情けないけれど、私にはやっぱり政治の話って、一筋縄には読めない。この小説を読んでも頭の中の筋道が、政治とかけ離れているのを感じた、まさに一般大衆の私です。
    でも、男と女の話として読むと、とても切なくて深いなと思う。白石さんの小説には、自分が失くしかけているものを思い出させてくれる何かがあります。

  • 政治小説であり恋愛小説であり再生を描いた小説でもある。
    「愛と名誉のために」的な再生小説を期待して読んだのだけど、主人公の再生への道は相当違うもん。結局小説のゴールはかなり近いとこにたどりつくんだけど、でもこの主人公は小説ラストで見つけた場所に安住しないと思う。

    そこが、俺の(今のところの)価値観と違うので、この小説の結末には納得できない。随所随所にエエことは書いてあるし納得できる部分もあるんだけど、やっぱり一度、とてつもない権力ととてつもない地位を目の当たりにしてしまうと、それを知らない価値観には戻れないのだろうな。作者の意図とは違うのかも知れないが、この主人公は作者が与えたハッピーエンドに飽き足らず絶対幸せを壊すだろうな・・・と意地悪なことを考えてしまった。

    そして、これもまた作者の意図とは違うのかもしれないが、登場人物の中で一番カッチョ良かったのは、主人公の妻郁子。美貌、財力、知力、家柄、家事スキル、子育てスキル、沈着冷静さ、行動力・・・あらゆるものを備えたほぼパーフェクトなスーパーレディである。主人公や主人公の友人は彼女を貶すが、俺には出来てない人間の嫉妬に思えてしまい、そして俺は主人公や主人公の友人側の人間なんだと自覚して少々ヤサぐれた。

  • 「男の人は魅力を感じた女をだんだん愛するようになるけど、女は愛した男にだんだん魅力を感じるようになるの。だから、男はその女に魅力を感じなくなれな愛も薄れていくけど、女は愛しているかぎりはその男がどんなに変わっても引きずられていく」

  • まず、タイトルが良い。
    物理的なことではなく、自分以外の人との距離感を言っているように思います。

    物語は 政治の話が大半で、読みづらさもありますが、登場人物たちの会話の中での気付きは、白石さんらしいなぁと感じました。

    「愛」の反対語は、憎しみではなく「無関心」という マザー・テレサの言葉。物語の中では、政治家の本質について、良し悪しを語られていますが、人は孤独でありながら それでも人によって生かされている ということを考えさせられます。

    人は人との合成によって初めて奇跡を生む。人は人とつながることで奇跡となるのだ。一人一人の人生にたとえ一切の意味がなかったとしても、人間の集合には必ず意味がある。その表象こそが政治...だそうですが、これは 会社にも社会にも当てはまることのように思います。

    龍彦と結ばれなくても、彼の子供が欲しいと願い、一生を共にできなくても 二人は運命的な時間を共有できたと信じ、出会えて良かったと言う、薫の印象的な言葉。
    「幸せは今にしかない。明日や明後日や何ヵ月先や何年先の幸福を願うのは、ずるい人のすることだと思う。」「自分のことを考えすぎると、きっと誰かのことをひどく傷つけてしまう。」

    そして、タイトルにつながる龍彦の
    「すぐそばにある最も大切なものほど いつも遠い彼方にあるのかもしれず、遠い彼方にある最も大切なものほど本当は すぐそばにあるのかもしれない。」と いう言葉が印象的でした。

    ラストは、龍彦の失ったものが ようやく彼を解放し、読み終えて良かったと思いました。

  • つまんない

  • 白石さんの2冊目。

    まだ2冊だけなので言い切れないが、登場人物が精神的に強い女性と脆い男性が多い気がする。

    主人公は、時期首相と目される代議士の父を持つ柴田龍彦。
    四年前に不祥事を起こし、自殺未遂の末の精神失調、現在は回復しつつも父の秘書を務める。

    この龍彦が本当に情けない。確かに、代議士の家庭に生まれ、愛情に飢えた結果とはいえ、もっと早くに何とか出来たのでは、と思えてならない。

    比べて女性達の何と強い事!
    政略結婚の妻…好きにはなれないが、現実を受け入れけっして泣きわめいたりせず、淡々と妻をまっとうしている。

    由香子…現在の愛人。昔、祖父母の家のお手伝いさんだった女性の娘。医師と結婚し息子を授かるが事故死、その後離婚。
    龍彦と再会時は、お互いに落ちぶれた者同士、傷を舐め合うような始まりだったが、龍彦の回復(変化)を感じ自ら去って行く。

    薫…龍彦の元愛人。四年前の不祥事の原因となった女性。全身全霊をかけて龍彦を愛するも、龍彦の苦悩を知り、消息を絶つ。

    物語の中心は政治の世界。その部分は若干読みづらいが、裏の顔が垣間見れて興味深く考えさせられた。

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著者プロフィール

白石 一文(しらいし・かずふみ):1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第22回山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で第一四二回直木賞を受賞。著書に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『草にすわる』『どれくらいの愛情』『この世の全部を敵に回して』『翼』『火口のふたり』『記憶の渚にて』『光のない海』『一億円のさようなら』『プラスチックの祈り』『ファウンテンブルーの魔人たち』『我が産声を聞きに』『道』『松雪先生は空を飛んだ』『投身』『かさなりあう人へ』『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』等多数。

「2024年 『代替伴侶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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