バッテリー (6) (角川文庫)

制作 : 佐藤 真紀子 
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 4300
レビュー : 353
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043721061

作品紹介・あらすじ

「おれはピッチャーです。だから、誰にも負けません」いよいよ、巧たち新田東中は、強豪・横手二中との再試合の日を迎えようとしていた。試合を前に、両校それぞれの思いが揺れる。巧と豪を案じる海音寺、天才の門脇に対する感情をもてあます瑞垣、ひたすら巧を求める門脇。そして、巧と豪のバッテリーが選んだ道とは。いずれは…、だけどその時まで-巧、次の一球をここへ。大人気シリーズ、感動の完結巻。

感想・レビュー・書評

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  • そこで終わるかー!
    な感じでした。

    心情を細かく掛かれて、じっくりと進んでいく試合の進み方をもっと読みたかった。

  • 3巻目くらいから読むのが苦痛に。。野球メインかと思いきや野球の描写ほとんどないし、かといって友情に絞られてるわけでもないし。監督やおじいちゃんの教えも正しいのに結局中途半端で主人公は自分勝手なまま。ライバルも子ども離れしすぎてる。なにもかも矛盾だらけだし中途半端だし、なんでこれが名作って言われてるのかわかんない。謎です。意地だけで読み終えたシリーズ。

  • ・・・終わった!

    心情的には「話が終わってしまった(涙)」よりも完全に「仕事が終わった!お疲れ自分!」な感じ。

    読破しました。

    読めば読むほど心が離れていく話でした。残念。

    最後の最後まで詳しい試合描写がありませんでした。期待はずれ。

  • 海音寺は、しゃがんだままボソリと言った。叱責する激しさも、なじる響きもなかった。
    いつのまにか風がないでいた、動かぬ枝の先に白い花がひとつふいに開いたように見えた。むろん、幻影だ。まばたきしてみる.戸村の笑い声がかききえる。
    いつもの別れ道で、壕が手を上げた。頭上の空に、とびが一羽、羽を広げ、緩やかに旋回している。
    豪が呼び止められた瞬間、とびが鳴いた。猛禽に相応しくない甲高い声だ。数羽の烏がとびを囲むように忙しく飛び回っている。
    空を仰ぐ。とびが西の空へ去って行くところだった。
    なにを言われたと豪は重ねて問うてこない。漆黒の鳥がクワクワと、勝ち誇ったように泣き叫ぶ空を、やはり見上げて黙っている。淘汰のは巧みだった。
    いぶかるように首をかしげ、しかしそれ以上になにも言わず、豪は再び背を向けた。その背は、すぐに遠ざかり視野から消える。頭上では、まだ烏が騒いでいた。
    うるさい。うるさくて賑やかで、義貞がいるだけで空気が拡散され、浮かれ立つ。
    身体を前に倒し、足首を掴む。タンポポの花を踏みつけていた。脚を上げると、なにごともなかったかのように頭をもたげた。可憐な外見に似合わずしぶとい植物なのだ。
    自分自身に問うてみる。それは思いがけず生々しい感情のとうようを匠の内に呼び起こした。
    巧が行ってしまったあと、春の闇が少し濃くなった気がする。燃え始めた草の色も、花の香も、夜に沈み込もうとしている。
    そのとば口に立とうとしている少年たちが身近にいる。
    おれは、どんな目つきをしていたのだろう。浅ましくはなかったか。卑屈に歪んでいなかったか。妬みに濁ってはいなかったか。
    へへっと笑ったわりに、海音寺の語調は固かった。固く、揺るぎない。
    花の香りがするくせに冷えた風が、顔に当たり、後方に流れていく。転倒した車がイク台も傍らを過ぎたけれど、空気は花の香りを残して甘く漂う。点灯した車がイク大も傍らを過ぎたけれど、空気は花の香りを残して甘く匂う。
    丹精という言葉が、投球への褒め言葉になるのかどうかわからないけれど、わずかも乱れることの泣いたまのきせきは確かに美しい。
    マスク越しに永倉の唇がわずかにめくれ、不敵にも見える
    昼下がりの陽光は、グラウンドを満遍なく照らし出し、空気をゆらゆらと揺らめかす。
    瑞垣が短く何かを呟いた。人の言葉というより、うなりに近かった。
    嬉しそうな素振りも、得意そうな顔つきも、安堵した様子も見せず、静かに座る後輩に、正直、少し戸惑ってしまう。
    乾いてはいない。のどをひりつかせる乾きも流行る想いもなかった。冷静を通り越して、重いほど心が鎮まっていた。高揚の代わりに、どこかもの悲しさに近いものが胸の内にはある。それがなぜなのか、それをなんと呼ぶのか、門脇には見当もつかなかった。
    長かった.本当に長かった。たった一人のぴっちゃーのことだけを考え続けた数ヶ月間は、それまでの人生に匹敵する程の長さに思える.長くこく熱く、どこかもの悲しい時間だった。その時間は終わった。打つだけだ。
    柔らかな口調で瑞垣が言う。口調と同じ柔らかな笑みを浮かべていた。小さいころから門脇が困惑する度、重いあぐねる度に、この笑みを浮かべたままこの口調で瑞垣は、手を差し伸べてくれた。ずっと頼ってきた。甘えていたのかもしれない。
    旬ならなんとかしてくれる。
    独りよがりの身勝手な甘えを、護符のように隠し持って生きてきた。この試合も含め、手に余る厄介な仕事は全部押しつけて、自分だけ楽になっていた。ずっとそうしてきた。
    旬ならなんとかしてくれる.アイツに任せておけば大丈夫だ。信じてる。しゅんが美味くやれなかったことなんてないんや。
    笑いながら事もなげに、何度そんな台詞を口にしただろう。
    信頼と依存の区別もついていなかった。信じた振りをして寄りかかり、際限なく甘えていただけだ。恥じるしかない。ただ、恥じるしかない。
    天才だ逸材だと、褒めそやされたこの一年、驕ることもうぬぼれることもなかったのは、瑞垣がいたからだ。自分より遙かに優れた人間がすぐ傍らにいる。誰も気づかなくても門脇だけは、そのことを知っていた。それは怒りとなり、重しとなり、門脇に浮つくことを決して許さなかったのだ。
    背筋に震えが来た。胸の奥底からどろりと熱いものが頭をもたげる。流れ出してくる。冷静ももの悲しさも瞬時に砕かれ、熱流にのみこもれていく。
    胸の中で感情が沸き立つ。目を徒事息を整える。
    薄雲を貫いて、淡い光がグラウンドに降り注いでいた。

  • 毎年夏の時期になると無性に読み返したくなるのがこのシリーズ。
    今年も漏れなく読み返し完了しました。
    初めて読んだのは中学生の頃。
    あの頃理解できなかった少年たちの心情やそれを繊細な自然の描写に乗せて描かれた景色も、ようやくわかってきた気がします。
    登場人物ひとりひとりの野球に対する想いは、きっと周りの人間や彼ら本人にも容易に理解してそれを嚥下して受け止められるほど簡単なものではきっとないのでしょう。
    思春期にぶち当たった彼らが言葉にできない思いを抱え、ぐちゃぐちゃになりながらどう在りたいか模索していく様は、醜くも、とても美しく思えてしまいます。

    児童書なだけに普段本を読まないかたでもするすると読めると思います。

    結末については、中途半端という声がよく聞こえますが、私はこれで十分だと感じています。
    最後の試合の勝敗は、物語に必要ではないはずです。
    彼らの物語は、その試合で終わることはないのですから。
    2巻のあとがきで後述されているように、巧が周囲を変えていく存在であること。不変の存在とさせながら一巻から最終巻まで巧もまた周囲の影響を受けて変わっている。
    それは成長と陳腐なものではなく、周囲の望むように変わったわけでもなく、あの傲慢さも消えたわけではない。
    しかし最初のころ巧から感じられるあの危うさは、最終巻では抜群の安心感になっているのです。
    変わったのは巧でしょうか。もしかしたら私達読者も彼らに変えられたのかもしれませんね。

  • 平成最後に読み終わる。
    ちょっと食傷気味になりかけていたところだったので程よく終了。
    もう、いちいちの考えや行動に理由付けがあって、こんなに頭回転させながら生きてられん!意の向くままにやっちゃってあーすりゃよかった、こんなはずでは、があるから人生であって、こんなにみんなが意を汲んで生きてられんのじゃ。
    といいつつ、面白く読んだのですけどね。
    周りにたくさん面白いキャラクターがいたので、彼らの行方も知りたいね。

  • もしも中学生ぐらいの時にこの本に出会ったら、登場人物に憧れのような気持ちを抱きながら楽しく読めたのかなーという気はする。

    が、こんな思考をする中学生がいったいいるのか、という違和感がまずもって最後まで抜けなかった。作者の思い入れがあまりにも強すぎて、全力でまっすぐ物事や他者にぶつかり、挫折を味わってもがき、徹底的に思考し内省し、苦しみながらも自分なりに克服の道筋を見出し、大人には決して屈せず、というある意味大人からみた理想の中学生が作り上げられているように感じた。一方たった3つ下なだけの青波は、大人の袖を引いて話しかけたり抱き上げられたりとやけに幼く、こちらも純粋さが強調されるあまり実際の小学4年生とはかけ離れているように感じられた。

    また、豪、青波、瑞垣、海音寺などが、場面場面で驚異的な洞察力をもって他人の性格・心理やその場の状況などを見抜くのも、なんだか作り物っぽい感じがしてしまった。会ったばっかりでこんなに他人のことわからないでしょう、みたいな。

    なるほどねと納得したり、ちょっといいなと思えたりする箇所もあるのだが、要所要所で上記のように感じてテンションが下がってしまい、入り込めずじまいだった。また、異様に力の入った「あとがき」を読んでも作者に並々ならぬ思い入れがあることはわかるが、後の方の巻へ行くほどその力みが作品中にも垣間見えてくるようになり、それも気になった。(2007.12.25)

  • 仙台市図書館でバッテリーは児童文学に分類されていました。
    あさのあつこという名前をよく目にするので、たまたま選んだ本がバッテリーで、児童文学に分類されていることも後から分かったことで、知っていれば選ばなかったかもしれません。その分類が良いかどうかはわかりませんが、6巻一気に読んでしまいました。バッテリーⅥの最終章になり、もう終わりかと残念な気持ちになりました。最後の結果は予想していた内容でしたが、仕方がないかなと納得しました。
    主人公の巧のような中学生がいるかはわかりませんが、登場人物のそれぞれの個性に魅力を感じます。あさのあつこ作品の事はまたよく知らないのですが、バッテリー続編が出されているなら読みたいと思いますし、他の作品も読んでみたいと思います。

  • ついに終わってしまったか…という感じです。巧は豪とのまた新しい関係を築いていけるんじゃないでしょうか。個人的に最初の卒業式のシーンが好きです。
    ラストはハッキリしませんが、その後が読める『ライト・イニング』があるのでまぁいいです。

  • ようやく完結、にしても・・・
    ここで終えますか~(笑)1~2巻がピークだったみい。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14435066.html

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著者プロフィール

あさの あつこ
1954年生まれの小説家、児童文学作家。岡山県英田郡美作町(現:美作市)湯郷出身。幼少の頃から本に親しみ、中学の頃から創作日記をつけはじめ、中学2、3年生の頃から作家を志す。青山学院大学文学部入学後、児童文学サークルに入り活動。卒業後小学校の臨時教諭を2年間務め、結婚。日本同人協会「季節風」同人となり、そこに連載した『ほたる館物語』で作家デビュー。
代表作に、1996年から執筆を続ける『バッテリー』。97年野間児童文芸賞受賞、99年『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリー』全6巻で小学館児童出版文化賞をそれぞれ受賞。シリーズ1000万部超の大ベストセラーとなり、映画化・アニメ化された。

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