本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784043721078
作品紹介・あらすじ
小さな地方都市で起きた、アパートの全焼火事。そこから焼死体で発見された少女をめぐって、明帆と陽、ふたりの少年の絆と闇が紡がれはじめる──。あさのあつこ渾身の物語が、いよいよ文庫で登場!!
感想・レビュー・書評
-
高校の図書室の雰囲気とか、友だちとの何気ない会話とか、当たり前と思ってた過去のものが描かれてて懐かしくなりました。柏木陽の色気にやられました。かっこいいんだよなあ、声がかっこいい人っていいよね。終わり方もよかったし、『薄桃色の一瞬に』がかなりグッときました
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
言うまでもなく「バッテリー」で名を広めた著者なので、児童書というイメージがある方もいらっしゃるかもしれない。
実際、あさのあつこはたくさんの児童書を書いている。
でも、児童書を書くと同時に大人向けの物語も書くのがあさのあつこ。
バッテリーとはもちろん違った文体だけれど、弥勒の月ともまた違った文体で。
七色に変わる文章がたまらなく好き。
そしてこの「福音の少年」の世界観というか、細かな描写にそそられ(すぎ)た。これはすごい。好みすぎてやばいです。
「夜と山の織り成す闇が存在していた。目を凝らせば、闇にも濃淡があると知れる。風に木々がしなる度に、闇の密度が変化する。」
こういう表現とか、たまらない。くすぐられます。
あと、柏木陽の声。
"「大人なら、人を殺しても冗談ですむのかよ」
美しい声だった。艶がある。巧妙な愛撫のような声だ。
おとなならひとをころしてもじょうだんですむのかよ。
声に誘惑されている気がした。"
"「すっげえ、お邪魔なタイミングやな。悪ぃ」
美しい声だった。美しいという形容は、必ずしも適切ではないのだけれど、それより他に形容する言葉が浮かばないような声だ。未知の音、名も知らぬ異国の楽器が奏でる旋律。特異な声だ、確かに。"
こんな描写されたら、一度耳元で囁かれてみたいと思ってしまいます。
著者自身が「一番書きたかった作品」と語る本書、だからこそ手にとった。
うん、満足。
綺麗な、巧みな、時に爽やかで、時にはダークな、この文章だけで十分楽しめると思う。
ストーリーとラストについてはもちろん賛否両論あるだろうと思うけど…(正直ラストは物足りない) -
こういう目に見えないエネルギーの爆発に共感できないくらい年をとってしまったのかな、とさみしくも眩しくも思う。
ただ、回収されない謎が多過ぎて、消化不良… 何かがじゃりじゃりと残るような読後感。 -
あさのさんらしい終わり方でした。どうなったんだろうと思いを馳せながら、あの子達はどうなったんだろうと読者の心に跡を残していく物語。2人の少年の友達とも家族とも言えない関係、恋にも似た執着が不思議だった。何から解き放たれたとき、人は自由を手にするのだろう。死んだ後だって結局その人を思っていた人々がその思いで魂を縛り付けている気がしてならない。自由なんてあるのだろうか。そんな事を考えた一冊でした。
-
半分まではなんかかったるいと感じてやめようかと思ったが突如大変化。しかし最後が難しい!
-
惹き込まれなかった。絶妙にギリギリのラインでなんだか世界観に入り込めないというか、、
しかしミステリとして読んでないのでよく言われているラストへのガッカリ度は低かったです。
ただ本当にこの少年たちの怪しげな、陰を持ちながらも年相応の新鮮さ。そのアンバランスな危なっかしさを描きたかったんだろうかという感じ。
このセリフが書きたいから物語を後付け後付けしたと感じてしまうような辻褄の微妙さ
有り体にいえば萌えなかった -
初のあさのあつこさんの作品だったけどいまいちだった。
なにしろ文章が読みづらくて仕方なかった。
物語としてもなぜこの少年少女たちは闇を抱えているのか、藍子はなぜ政治家相手に売りをしていたのか、その藍子にそこまでのめり込む魅力ってなんなのか、全く伝わってこなかった。
そして時々思い出したように入れてくるどこかの地方の方言。その設定って必要だったのかなぁ。
とりあえずもうよっぽどのことがない限りあさのさんの作品は読まないかなぁ。 -
-
彼女の身に起きたこと。
大人として考えて行動する事が出来ず、子供に依存気味だと嫌われそいだよな。
逃げ出すことが出来なかったのだろうが、終わる日の事を思うと不安もあっただろうな。 -
明帆、陽、藍子、それぞれが闇を抱えている。彼らがなぜそんな闇を抱えているのかはわからない。それぞれの親に問題があるようにも思えない。どんな人も実は自分でも気がつかない闇を抱えているのかもしれない。でも、彼らはそれを自覚している。いいとか悪いとか、正しいとか正しくないとか、幸せとか不幸せとかの問題でもないのかもしれない。でも、オイラには彼らが健全とは思えない。藍子はそれを取り戻そうとしたんじゃないかな。明帆に振り向いてもらえないとわかっていても。明帆は失ってはじめてなにかに気がついたのかもしれない。オイラは明帆の親父さんみたいになりたい。子どもに対してちゃんと大人の役割を果たそうとする姿に惹かれる。オイラにできるだろうか。都合よく子供っぽくなったりしている気がする。無条件に子どもたちを守る親でいるだろうか。大切な人を全力で守れる人が大人なのかもしれない。だから大人って年齢に関係なくなっているのかもしれない。
-
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
ラストはどう解釈したらいいの?!
気になる -
残り3ページくらいのところで、あ、やばい、全然わかんないのに終わりそうだぞって焦った。
響かなかった。
ちょっと厨二臭かったかも。好きな漂わせ方ではなかった。
勿体ぶった言い回しより不意の本音を介したやりとりに萌える。
描写にある事実から解けるものが少なかった。
サスペンスものだと思って読んだら拍子抜けする。
この2人の少年、死んだ少女のことを掴めないまま
わりと闇深く少年少女時代を過ごした自覚があるけどこの子たちのことはなに一つわからなかった。
なんか悔しい。 -
夜空に大きな月が出て鉄塔の影が見える、この方が原作の雰囲気に合うと思うが、それも随分愛読されたと見えてよれよれだった。検索すると少女の表紙が出てきた新しい版なのだろう。かわいいのでまぁいいかな。
書き出しは、少年たちに情報を与える役の秋庭が来るところから始まる。戦地で記者として働いてきた彼は、余命一年を宣告されている。9人が焼死したアパートの跡地に立ってみようと思っていた。彼は焼死した少女を見かけたことがあった。
このあたりはいつもの浅野さんの筆致ではない重い感じから始まる。細かい風景と心象描写が読ませる。こういう風に進んでいくのかと思っていると、高校生の話になると、やはり読みなれた調子に戻る。
文章通り読んでいけばいいので楽なのだが、作者の「渾身の物語」と書かれているだけに、「死」をはさんだ二人の少年の物語は重かった。
明帆という詩的な名前の少年と、焼死した藍子はカップルだった。しかし秀才の明帆は藍子の愛情を受け止めるには心理的に距離があり、のめりこめないところを、最後になってしまった藍子の、別れの台詞で「可哀そう」と言われてしまう。
柏木楊は藍子のアパートの隣りに住んでいるので幼馴染だった。火事の時は外に出ていて一人だけが生き残る。
柏木は何度も繰り返し述べてあるように、心にふわりとしみるような美しい情感のある声をしていた。
親切で男気のある明帆の父は、同級生で孤児になった柏木を住まわせる。
丸焼けになった火事に不審を抱いた二人は、藍子について、家事の原因について調べようとする。
秋庭は、高級ホテルで見かけた少女が焼死体で見つかったという写真を見て、少年たちとは違う角度から、藍子の行動について探り始める。
明帆と柏木という二人の少年は、相容れない自我を抱えながら、同じ目的で行動するが、いつもお互いの生き方を見つめ続けている。
殆ど大人の人格を持ちながら、まだどこか曖昧な部分を残している少年たちが、読んでいると、共通の部分では重なって見えるが、独立した個人の部分では、違った方向を見ているような、かみ合わない会話など浅野さんはよくみて書いてある。
一ヶ月後、秋庭の情報力もあり、犯人が浮かんでくる。
犯人から連絡があって焼け跡で落ち合うことになる。
明帆はとめる柏木を振り切って、焼け跡に走っていく。
このシーンは少し不可解な感じもするが、「可哀そう」と藍子が言った意味に、時間がたってかすかに思い当たる、彼の中にも実感がある、明帆の一種の「贖罪」ではなかったかと思う。図書館の聖書の話もある。
勝手な想像だが、秀才と言われるものは、自己にこだわり、他所に思いやりがない場合が多い。明帆もそういった成長過程にあったのだろう。
純粋であるだけ他者を傷つけることも、高校三年生という年齢には越えていく一つの人生体験だろう。
後半になって、秋庭の戦争体験の話が出てくる、人の死を身近で見たということだろう。柏木は秋庭の記事を読んでいたというが、ここにいたって、何か違和感を覚えた。
若者の手前にある少年たちの心を捉えて読みやすいが後に残るものも多い、いい作品だった。 -
残念
読み進めるうちに
いろんな伏線が散りばめられているが
読み手の勘違いか。全くその伏線が生きてこない
あっと驚く最終章を期待していた
無駄に考えすぎた
-
この方の本をまだ読んだことがないな、と思い読み始めた。久々に読んだ本で登場人物が多かったので途中分からなくなってしまった(完璧なるブランク)。表現が結構好き。
サスペンス的な感じ。
締めに取りかかるにはもうページ数がなくないか?と思っていたら衝撃のラストが待っていた。
終わりが急に来てびっくりした。
最後は読者に予想させる終わりにしたのかな。
著者プロフィール
あさのあつこの作品
本棚登録 :
感想 :
