ラスト・イニング (角川文庫 あ 42-8)
- 角川グループパブリッシング (2009年1月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043721085
作品紹介・あらすじ
新田東中と横手二中。運命の再試合の結末も語られた、ファン待望の一冊、ついに文庫化!高校生になって野球を辞めた瑞垣。巧との対決を決意し、推薦入学を辞退した門脇。野球を通じ日々あえぎながらも力強く変化してゆく少年たちの姿を描いた「ラスト・イニング」他、「空との約束」「炎陽の彼方から」を収録。永遠のベストセラー『バッテリー』を、シリーズ屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語った、彼らのその後の物語。
感想・レビュー・書評
-
読めてよかった。
あの試合の決着を書いて良いのかと疑問に思いもしたが、決着を読めてよかった。
なるほどの展開で。
「次は無いですよ」
かっこいいなー。
やっぱ豪かわっちゃったな。
巧もだけど。
ラストシーンも良かった。
瑞垣も丸くなったなー。
監督も
感想こればっかや笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このシリーズにこんなに魅了されてしまうとは予想していなかった。巧はオイラの苦手なタイプだったから。でも気がついたらものすごいスピードで変わっていく。自分のガキたちもそうなのだろう、オイラが気がつかないだけで。たまの話す機会に大人みたいなことを言われて、びっくりすることがある。子どもだと思っていたのに。歳を重ねて人って変わらないものだなあ、と思う反面、いや変われるんだ!と信じるオイラがいる。ちょっとしたきっかけに遭遇することで動き出すものってあると思う。巧に触れたことで、魅了されたことで豪や門脇やたくさんの人が大袈裟に言えば人生の選択を迫られる。キラキラして見える。歳をとってキラキラが減るのはどこかで諦めているからかも。「人生で今がいちばん若い」って言葉を最近知った。そのとおりだ。そんな出会いがあったなら年齢なんかに囚われないで飛び込んでもいいんだ。テレビを観ていても年配者ばかりの時代だ。気持ちが老け込んでいたら身の回りにキラキラしたものがどんどんなくなっていく。いつまでも身を焦がすように生きたいな。
-
瑞垣のキャラクターが好き。要領の良さの中に隠れた不器用さと惑いと。
-
諦めることの修辞に潔いなんて、使いたくない。諦めることは、いつだって無様で痛い。
-
文庫版全6巻+『ラスト・イニング』まで読了。
じきに中学一年生になる原田巧は、幼いころにボールに魅入られて以来、これまでただひたすらに、いい球を投げることばかりを考えてきた。マウンドからキャッチャーミットまでの18.44メートル。その距離を割いてミットに飛び込む白球。巧にはときどき、ボールが生きて鼓動を打っているように感じられる……。
ピッチャーとしての素晴らしい才能に恵まれ、ほんの子どもの頃から日々の練習をたゆまず己に課して、野球のことばかりを考えて生きてきた巧。野球だけが大切なことで、そのほかの雑事は何もかも、わずらわしいと思ってきた……。
父親の転勤に従って、中学進学と同時に引っ越して祖父宅に住むこととなった彼は、中学に入る直前の春休みに、ひとりの少年とであう。永倉豪と名乗る、その同い年の少年は、よく手入れのされたキャッチャーミットをもっていた。
豪と出会い、仲間たちと出会って、それまで野球以外のことはどうでもいいと思っていた巧が、少しずつかわっていく。
悪い人間ではないのだけれど野球に無理解な両親、体が弱くてムリをするとすぐに熱を出すのに、自分の真似をしたがる弟。野球とぜんぜん関係のない、納得のいかない指導を押し付けてくる監督……。
何度となく涙腺が熱くなりました。鋭く尖った、清冽な文章もよかったのだけれど、なにより、キャラクターとその変化が、すごく魅力的でした。
主人公の巧もだけど、キャッチャーの豪も、弟の青波も、チームメイトもライバルも、それから大人たちも。それぞれに悩み、傷つき、少しずつかわっていく姿に胸が熱くなります。野球以外のことはどうでもいいといいながらも、人を傷つけてしまうたびに、自分も傷つく巧。いつかついていけなくなって、巧の球を捕ることができない日がくるのではないかと悩む豪。兄に憧れながらも自分の弱い体と戦い続ける青波……。思春期の、鋭く尖った感性と、傷ついてもそれを飲み込んで乗り越えていく柔軟さと。
野球小説として、青春小説として、友情ものとして、あるいは親子の、兄弟の絆を描いた作品として。読んでよかった!
あと、どうでもいいけど年々青春小説(マンガ)に弱くなっていく自分を感じます……か、加齢のせいにはしたくない。 -
本編の脇役視点で語られる本作
瑞垣、ほんとにいい味出してる
きっと彼が一番分かりやすくて、大人だ -
バッテリーの後日談というか他の子達にスポットを当てた感じのお話で.
結果もわかってよかった。 -
みんな、もがきながらも成長していくんだろうな。青波の「とくん。」が可愛い。