幸福な遊戯 (角川文庫)

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感想 : 204
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043726011

作品紹介・あらすじ

ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人同士の不純異性行為」-本当の家族が壊れてしまった私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなものだった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに…。表題作「幸福な遊戯」(「海燕」新人文学賞受賞作)の他、2編を収録。今もっとも注目を集める作家、角田光代の原点がここにある。記念碑的デビュー作、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にて。
    やっぱりこの人の作品はどれを読んでも痛い…。
    頑張って最後まで読んだけど、元気なときじゃないと無理。

  • 最近暗い気分でいたのに…
    「幸福な遊戯」というタイトルから安直に
    少しは幸福な後味の残る小説かな…とか考え、
    予想に反して、暗い気分に拍車がかかりそうな本を読んでしまいました。

    3つの短編小説が入っている本ですが、
    どの話にも不安感・虚しさ・孤独感・喪失感が蔓延してました。
    そのせいで私の沈んだ気分が増長されたのか、
    読む前からそうだったのかは分からないけれど、
    普段見ないようにと奥のほうにしまっている
    満たされない、という感覚をぐいと前に引っ張り出された気分です。

    2話の「無愁天使」は、途中で吐き気がしてくるぐらいで…
    読むのを断念しようかと思いました…。。

    3話の「銭湯」が、私は一番身近に感じました。
    主人公は自分の部屋のことを「つづくの部屋」
    と途中で呼びます。
    昨日や一昨日の「つづき」のような変わらない日常で、
    自分はどうしてこうなんだろう、と思い
    違った人のようになりたいと思っても変わらない。
    無理矢理服を着替えても、わざとはめを外しても変われない、
    見ず知らずの人といきなりホテルで寝ても、
    会社を辞めても、嘘をついても、変われない。

    「逃げる」とか「逃げてばかり」とか、
    忠告してくれるような良い人が世の中にはいて、
    でもその言葉の意味が未だに理解できない私は、
    逃げれるものなら逃げてしまいたい、と思う。
    遠くにいったって、何をしたって、
    逃げきれたような気でいるだけだとか、
    思えてしまう私は、「銭湯」の主人公の気持ちが
    とてもリアルに感じれました。

    だけど心の中に穴が開いたような感覚は、
    最近は怖くてなるべく欲しくないので、
    とても共感できる部分があったけどもう読みたくない。。。

  • 3編からなる小説。
    表題作「幸福な遊戯」が面白かったです。
    あらすじで事前に読んでいた
    「同居人同士の不純異性行為禁止」が
    1ページ目で破られることが書かれていることには
    かなりびっくりしましたが。笑
    破られるのだろうとは思っていましたが、
    展開が早かったです。

    男の子2女1の同居という設定から
    ハラハラを感じますよね。
    そんなの何が起こるに決まってる。
    角田光代さん、ずるいです。

    他の二編は個人的には微妙でした。



    それにしても、1990年代に書かれたとは思えないほど
    現代に通じるものを感じます。
    廃れず安っぽくない恋愛小説を書ける角田さんの文才、すごいです。

  • 片づけられない事象は身近に感じているので複雑な気持ちで読みました。
    理由があるにせよ、読んでいて気持ちのいいものではありません。
    剃刀が出てくるところで読むのをやめようとおもいましたが、ありそうなお話でもあり怖いです。
    いろいろとよく考えられていますね。

  • 角田さんの処女作を収めた作品集。3品とも、かつて私が読んだ角田作品のどれよりも、骨太な文学でした。

    人間を見つめ抜いて、そこからかすかな希望を見出す、文学の王道です。

    しかし、後の作品に比べて、描写がこなれていないのは事実。
    読み手を意識した書き方、すなわち大衆性の獲得が課題。

    しかし、しかし。
    後に熟れていく=売れていくことは、時代が証明してくれているので、角田さんは今後も楽しみです。

  • 表題作他2編を収めた短編集。3作とも人事じゃないくらい寂しい話。特に家族や自分の育った家庭に思うところのある人は、身に摘まされるんじゃないかな。かく言う私がそうなので。
    この本を読んでいて思い出した話がある。
    人は生まれてから暫くは後ろを向いて歩いてるんだって。それがいつからか前に向き直る。生を始点、死を終点にした時間軸を思い浮かべて貰うと解りやすい。子供の頃見るともなしに見てるのは、生まれてきたこと、自分を育む家族、出生や生きる意味等『生』に纏わること。でもいつしか向き直った先にあるのは『死』。生来の家族じゃなくて自分のこれから築く家庭、家族。どう生きるかを越えてどう死ぬかを見る様になるって。この話聞いた時、前に向き直れない人間は、生き辛さを抱えて行くことになるんだろうなって思ったんだよね。
    「幸福の遊戯」に出てくる3人の女性は、前に向き直れなかった人間なんだろうと思う。そして私自身同類なのかもしれない。だから寂しさが他人事じゃなかったんだろうな。
    読むのに少し覚悟のいる話かもしれない。

  • タイトルから想像する内容よりはかなり暗い話だった。
    3編で構成されており、最後の「銭湯」が個人的には読みやすかった。
    2つ目の「無愁天子」は重く暗い作品だった。

    心の中にある少し暗い気持ちや周りと比べて感じる劣等感などに共感した。

    どのお話も少し狂気的であり、非日常感がある。

  • 角田光代のデビュー作!文章の雰囲気は最近の作品の方が好き。でも主人公の雰囲気?というか風変わりさは健在。

  • 1話目が面白くてもっと読んでいたかった。
    どう壊れていくのかもっと先が見たい。

    2話目はしょうもなかった。

    3話目は陰気くさくてイライラした。
    自分がなくてやりたいこともなく、だけど漠然とした理想だけがあってつまらない女。

  • 角田光代の原点
    壊れた家族やモラトリアムの若者のモチーフを暖かく描いている感じがしてすごく好き
    表現もすごく小説的で綺麗でこんな言葉使ってみたいな思う
    銭湯とか写真とか角田光代小説によく出てくる気がする

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。著書に『対岸の彼女』(直木賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)、『紙の月』(柴田錬三郎賞)など多数。

「2020年 『自転車に乗って アウトドアと文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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