コイノカオリ (角川文庫)

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本棚登録 : 452
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043726059

感想・レビュー・書評

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  • いつまでも記憶に残る、恋にまつわる香りの話。
    6人の著者によるアンソロジー。

    シリーズ物とアンソロジーはいつも、敬遠しがちでした。
    シリーズ物は一気に読まないと忘れてしまうから。
    アンソロジーは1人の作家をじっくり読みたい私に不向きだから。

    それが、新しい作家を開拓するのにアンソロジーもいいかも、と思い始めて手に取った次第です。

    宮下奈都さんの「日をつなぐ」、井上荒野さんの「犬と椎茸」が特によかったです。
    コイノカオリをテーマに、同じシャンプーのにおいを出す角田さんのセンスも好きですが。

    コイノカオリというより、アイノカオリの方がしっくりくる気もしつつ、
    読み直しては、やっぱりコイノカオリであってるのかも、思わされる。
    恋というには深いけれど、愛というには純情な気がして。

    「日をつなぐ」はとてもリアルで、主人公の閉塞感から食による再生の過程が心地よく感じました。豆が苦手な私は「おいしそう」とは思えなかったけど、それでも元気になれる感覚。
    出産後の孤立感や忙しい彼に対する言いようのない寂しさ、不満の描き方が絶妙。

    「犬と椎茸」は香りの使い方がすごく上手い。
    過去の恋人やある人の死といった非現実さと、夫のいる日常という現実が1つの香りを通して繋がっています。
    トゲトゲしている気持ちの表現がいい。
    ほのかに余韻の残る作品でした。

    島本さんのは、相変わらずえぐい。
    栗田さんのは、ちょっと温かくなれる。
    生田さんのは、感情の表現が上手くて心にすとんと響く。

    アンソロジーもいいな、と思えた1冊でした。

  • 購入当時、ちょうど恋愛と香りの関連に苦悩していて、手にしてしまった一冊。

    香りって、忘れようと思っても、なかなか忘れられない。
    というか、消えないものですよね。すごく本能的。

    好きな人の香りと音楽を、好きになってしまわないようにしたい、と思ってしまう。
    幸せと辛さが表裏一体だと思うから。

    日をつなぐ、が好きだなぁ~。なんか、においのイメージとともに、映像化したイメージが頭に浮かんできました。

  • 宮下奈都「日をつなぐ」がいちばん心に残った。この作品に関しては★5つ。
    不安な気持ちや嬉しい気持ちがその場のかおりと一緒に伝わってくるようで素晴らしいと思う。

  • タイトルから想像されるような甘いお話ではなく、全て少し苦い。
    香りって五感の中でも特に記憶を呼び起こす力が強いと思うけど、それが「過去」を強く連想させるからこういう雰囲気が集まったのかな。

  • 甘くない。恋も人生も。
    ビターでダーク、ドライな、全然 スウィートなんかじゃない 恋の カオリ 漂う短編が6つ。

    角田光代と島本理生を読みたかったのだが、この短編集の中では みなさんが仰るように宮下奈都『日をつなぐ』が秀逸だった。タイトルの意味の深さも読み終えてから気づく。
    真名がバイオリンを弾ける日はきっと来るだろうけれど、かなしいかな、それは「いま」じゃないよ、ということを 産後クライシスから遠く離れた私は思うし、わかる。
    でも。
    「修ちゃんの話って、なんだろう」。
    ほんとに。

    角田光代『水曜日の恋人』もよかった。期待していた島本理生『最後の教室』はちょっと…好みではなく。

    ラストに収められた井上荒野『犬と椎茸』。ずんずん読めたけれど、朋子に嫌悪感しかなく読後もイヤ〜な感じ。
    短編集は収録の順番も大いに関係するよね。

    けれど、ひとつでも好みのものがあればみっけもん!のポリシー?の私には、この短編集もそれなりに価値あるものであった。

  • 島本理生の小説はいつも切なくもまっすぐな恋。
    井上荒野の犬と椎茸、宮下奈都の日をつなぐが深みがあった。
    どれもちょっとひねられていて、コテコテの恋愛ものを想像してたのでやや肩すかし感あり。

  • 島本理生作品が読みたくて。でも、普段は読まない作家さんの作品をいろいろ読めて良かった。宮下奈都さん、好きかも。今度、読んでみたい。島本理生作品は、個人的にはあまり好きな作品ではなかったかな。相変わらず作風は好きですが。

  • 角田光代さんの<水曜日の恋人>が一番好き。

  • 香りにまつわる恋のアンソロジー。
    どの話もあまり心に響かなかった。

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プロフィール

角田 光代(かくた みつよ)。
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。

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