いつも旅のなか (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1064
レビュー : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043726066

作品紹介・あらすじ

ロシアの国境で居丈高な巨人職員に怒鳴られながら激しい尿意に耐え、キューバでは命そのもののように人々にしみこんだ音楽とリズムに驚く。五感と思考をフル活動させ、世界中を歩き回る旅の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 角田光代さんは、本当に旅が好きなのだな、ということがよく分かる本。世界中の色々な場所に行かれている。その旅の経験を、時にユーモラスに、時に真面目に書かれた旅のエッセイ。
    初版発行が10年間以上前のものなので、当時の様子と全く変わってしまっているところもあるだろう。でも、角田さんが書かれているように、旅は一回きりの経験なので、当時のその場所が表現されていれば、それで良い。

  • 以前読んだ「世界中で迷子になって」という角田さんのエッセイで、角田さんが世界中を旅する旅好きであることは知っていました。

    このエッセイは、角田さんが初めて旅について綴った記念すべきエッセイです。

    角田さんにとって旅をすることとは、いわゆる「純粋趣味」。
    純粋、というのはつまり、なんの役にもたたなくとも、あるいは損をしたって、好きでいることをどうにもやめられない、というような意味だ、とあとがきで述べています。
    旅、いいですよね。
    読めば読むほど、本当に旅をしたくなる。

    そして、旅の仕方は人によって千差万別ですが、角田さんのような2週間~1ヶ月程長期に滞在することの多いスタイル、すごく憧れます。
    それに、あっという間に現地に溶け込んでしまう部分も。私もわりとビビリなので、おっかなびっくり勇気を出して旅に出るあたりは共感できますが、なんだかんだで角田さんの思い切りのよさが素晴らしい。

    モロッコからはじまりキューバまで、22の国と地域が書かれていて、それぞれの国の空気感を再現されてます。エッセイだからさらりと読めて、ちょうどいい。
    本書は、角田さんが20代から30代半ばくらいに旅したものが書かれていますが、心に刺さる文章がありました。

    すなわち、
    「旅にも年齢がある。その年齢にふさわしい旅があり、その年齢でしかできない旅がある。そのことに気づかないと、どことなく手触りの遠い旅しかできない。旅ってつまんないのかも、とか、旅するのに飽きちゃった、と思うとき、それは旅の仕方と年齢とが噛み合っていないのだ」、というもの。

    これは、確かにそうなのかもしれないですね。実体験として経験してはいませんが。
    これからの旅もまた若い頃のように安宿を渡り歩いて…という旅で完結する、というのはさみしいかも。
    とはいえ、年齢に縛られるということではなく、自分の変化に敏感でいたいと思います。

    長く旅に出たいなあ。


  • 2019年7冊目。
    たっぷり時間がとれるなら、角田さん言うところの、「ダウナー系」の旅をしてみたい。なんの計画も立てず、のんびり遊んで、食べて飲んで眠って、それを繰り返す。現地民に溶け込んで仲良くなって、街中を案内してもらう。
    ただし、時間的にも旅行者レベル的にも、わたしにはかなり無理がある話なわけで。
    行きたいところや見たいもの、食べたいもの、買いたいものをきちんと調べ、どちらかといえば「アッパー系」の旅をしている。観光客向けにある程度整えられた環境に身を置き、その国を知ったつもりになって帰ってくる。
    10年のうちに、街並みも暮らしも人々の感覚も大きく様変わりしたタイが描かれている「はつ恋」が良かった。日本ではもうこれほどの変化を味わうことはできないだろう、ただ新商品が生み出されてゆくだけという点に納得。
    また、親切で律儀な若者たちとの出会いを通し、「この国の将来は安泰」と表現した台湾での出来事を描いた「明るい未来」も良かった。
    あと、この本を読んで、ベトナム、キューバに行きたくなった。いろんな世界を見てみたい。

  • いやはや・・・すごすぎるw
    こんなふうには、とてもじゃないけど旅はできない。
    言葉が通じないと無理!!
    一人で異国になんて行けない。
    角田さんはホワホワしているようで、こういうところがすごすぎて、張り合う気にもなれませんw

  • 様々な国を一人で旅する角田さんは、きっと見知らぬ土地に行くことが全く怖くないのだろうと思っていた。だから、いつまでも旅慣れないし毎度不安だと言っているのがとても意外だった。角田さんも不安に感じてたなんて…!と少し嬉しくなる。

    何の不安もなく旅することができたらどんなに楽だろうと思ったりもするけれど、異国での心細さも含めて旅の良さだとも思う。

    いつか行ってみたいなあと思う国もあれば、ここには行きたくないと思うような国もあって面白い。
    キューバの街の描写が印象的だった。

  • 角田光代さん意外とぶっ飛んだ人生送ってきたんだなって思ったけど、自分じゃ絶対に行かないようなところ、しないようなことを彼女の破天荒な旅について行って一緒に体験させてもらってる感覚を終始味わえて楽しかったし、ワクワクさせてもらった。

    ショートストーリー仕立てになってるし、クスッと笑えるエピソードもたくさんあって、サクサク読み進められる。

    彼女の感性と、そこで感じた温度感をそのまま読者にも文字のみで伝える表現力のセンスが好きすぎる。

    あー海外行きたいー!!!!
    ありのままの自分をさらけ出せる場所、自分の感情に素直になれる場所、自分の感情がゆらゆらと動かされて何か生きている感覚を研ぎ澄ませられる場所

  • 「純粋趣味」の旅についての本。
    お金はないけど時間はある旅だったり、旅先の人に案内してもらったり、若い頃だからもあるだろうけど想像してたよりフランクな人のよう。
    旅に行く前の、行きたいけど行きたくないけど行かなきゃという感じ、「カツアゲの恐怖と闘いながら繁華街をさまよう中学生のように」と書いてたけどわかる。
    旅先で関連の本読んでるのも憧れる。
    社会主義国キューバ、語学学校のキューバ出身の子が「お金はないけどいつも踊って楽しい」と言ってたのを思い出した。いつか行ってみたい。

  • 旅のエッセイ。

  • 小説家、角田光代の旅エッセー集。
    割としっかり旅をする方で驚いた。
    しかも、体力知らずのバックパッカー旅を30歳越えで悠々とやってのけるほど。毎回しっかり1ヶ月程時間をかけるのも良い。

    バリのトリップ話が赤裸々過ぎて面白い。
    キューバがラストを飾っていて、私も訪れた景色が脳裏に浮かんだ。また行きたい。

  • 旅は人や時期によって感じる印象は異なる。同じなどありえない。異国の非日常は、その国の人にとっての日常だ。

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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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