恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (角川文庫 か 39-7)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
3.70
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本棚登録 : 1895
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043726073

作品紹介・あらすじ

「褒め男」にくらっときたことありますか?褒め方に下心がなく、さらっと、しかし自分は特別だと錯覚させるくらい上手に褒める。褒められてキャラが変わった女は数知れず。ついに遭遇した褒め男の言葉に私は…。彼と別れた後、一人分の鰆を買った時のぞっとするようなさみしさ、手とか指や初デートに表れる男の本質-。恋愛や人生のヒント満載!著者と、ゆるゆると語り合っているうちに元気になれる、傑作エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイが好きで、角田光代のものもこれで3冊目なんだけど、他の作家のものと読み比べてみると彼女には澱みがないのが印象的だった。

    女性作家のエッセイはともすれば内面を書き出すうちに過去のドロドロや「〜すべきだと思う」みたいなものが多くなってくるが、角田光代にはそういうものを感じない。
    人間らしいし、いわゆるさばさば女とは違うし湿度がないわけでもないのに、自分の中の嫌な感情や思い出も「そういうこともあるよね」と割り切っている。
    そういうところが読みやすいしとっつきやすい。
    深い悩みを相談しても、深刻になり過ぎずに「そうなんだー」と軽く聞き流してくれそうな、でも突き放すわけでもない感じがすごく友達になりたくなる。

    本書では外国で高山に登ることになったときの彼女の心の内が「こんなはずじゃなかった、おうちに帰りたい(中略)だいたい私はいつだって読みが甘いのだ……と、さまざまなネガティヴ思考が頭のなかを怒濤のように駆けめぐる。(中略)泣いてもどうにもならないから、泣かずにただひたすら歩き続けたけれど」などと書かれていて私と同じだ!と嬉しくなったりもした。
    もっとも角田光代はありえないほどの仕事の量をこなし賞を取り、プライベートでも歯を食いしばっていたりと、私とはまるで違うのだけど。
    それでも「私もそうだ!」と思わせてくれる、友達の友達にいそうなのが角田光代なのだ。
    この本を読んで、更に彼女のことを知りたくなった。

  • 角田さんの、風変わりで面白い人柄が溢れ出るようなエッセイ。

    ちと友人としては付き合いづらいところもある気がするが、深く付き合うとそのスルメのような味わいが感じられるような、そういう人なんだろうなぁと楽しく読んだ。けっこう時間かかったけれど。

    さて、やはり人生は「恋をして、夢をみて、旅をしないとな」ということを改めて思った。

    とりあえず今年は旅に出るぞ。それも何度もだ。

  • あとがきにもあったが、20代から40代の女性は忙しい
    友達と馬鹿話してゆっくり飲むなんて時間なかなか取れない

    激しく共感

    20代に毎日のように友達と話しして、飲みに行って、くだらない話しをして、お茶をして、買い物して

    本当に貴重な時間だったんだと思う

    だからといって、今が不幸なわけではない
    でも、この本を読んでわかる!って思ったり、私だったら、、と考えたり

    会話してるような気持ちになれる本でした!

  • 30代後半、これから私が迎える年齢。基本的な『私』の生き方、考え方は変わらないだろうなという予感はある。
    角田さんの飾り気のないエッセイは、人生の先輩として、「あぁ、そんな考え方もあるのか」と参考になる話や、くだらなくて面白い話もあり、読んでいて楽しかった。
    一緒におしゃべりしているような錯覚に陥る、気楽に読める本だった。

  • 角田さんのエッセイ大好き!
    何回も何回も言うけど、お友達になりたい。。!

  • 今までで読んだエッセイの中で3本の指に入るくらい好み

    • kenken_booksさん
      「恋するように旅をして」を読みましたがとても面白かったので、こちらも読んでみます。
      小説「八月の蝉」とのギャップが気持ちよかったです。
      「恋するように旅をして」を読みましたがとても面白かったので、こちらも読んでみます。
      小説「八月の蝉」とのギャップが気持ちよかったです。
      2022/04/13
    • よおこさん
      「恋するように…」もエッセイですか?
      この「恋をしよう…」はかなり女性向けな感じでした。ちょうどこれを書かれた頃の角田さんと歳が近いこともあ...
      「恋するように…」もエッセイですか?
      この「恋をしよう…」はかなり女性向けな感じでした。ちょうどこれを書かれた頃の角田さんと歳が近いこともあり共感する部分が多かったです。
      2022/04/13
    • kenken_booksさん
      こちらも旅のエッセイです。
      旅行中のドタバタがコミカルに書かれています。
      おすすめです
      こちらも旅のエッセイです。
      旅行中のドタバタがコミカルに書かれています。
      おすすめです
      2022/04/13
  • 年を重ねることの面白さみたいなもの

    きっと10年経っても、わたしはわたしが思っているほど、生きるのが上手になってない。
    それでも、ひとつひとつ重ねていくうちに、今は感じられない面白さ、楽しさ、苦さまで、感じられるようになるんじゃないかな。

    それが少し楽しみだ。

  • こんな飲み会があったら、夜通し飲んじゃいそうだなぁ。

    気兼ねもしない、
    見栄も体裁も気にしなくていい
    だただらと続く無駄なおしゃべり。

    調子はずれのようで不思議と納得してしまう持論と
    とんでもエピソード。


    そして角田さんは突拍子のないことを
    いろいろ聞いてくるのだ。


    例えば『話かけてくるのは?』

    私の場合『のはらしんのすけくん』でした。

    • 円軌道の外さん
      はじめまして! 
      大阪に住む、猫と映画と音楽と活字中毒のプロボクサーです。

      フォローありがとうございました!
      角田さん、好きです(...
      はじめまして! 
      大阪に住む、猫と映画と音楽と活字中毒のプロボクサーです。

      フォローありがとうございました!
      角田さん、好きです(笑)
      この本はかなり昔に読んだので記憶がおぼろげだけど、
      確かアニメのキャラクターがクラスメートにいて
      誰が話しかけてくれたかで
      何かが分かる心理テストやったんですよね(笑)(^^;)

      その何かは忘れてしまったけど(汗)
      話しかけてきたのは
      エヴァンゲリオンのアスカやったと思います(笑)(^^;)

      コメントや花丸頂ければ
      必ずお返しに伺いますので、
      これから末永くよろしくお願いします(^^)

      2014/02/27
    • PEACEFULLY BOOKSTOREさん
      円軌道の外さん
      はじめまして!

      というか、円軌道の外さんのレビューは
      読んだ本も、知らない本も興味深く拝見させていただいてまして
      ...
      円軌道の外さん
      はじめまして!

      というか、円軌道の外さんのレビューは
      読んだ本も、知らない本も興味深く拝見させていただいてまして
      文章も、愛のある本好きの人の文章だなぁって感じで
      かなりお世話になってました!

      それどころか、コメントいただきまして
      ありがとうございます!

      それにしてもエヴァンゲリオンのアスカですか〜
      意外ですね。

      このテストは自分にあったパートナーのタイプです。

      円軌道の外さん、もしかして
      振り回されて尻に敷かれてしまうタイプでしょうか?(失礼)

      こちらこそ、
      ちょくちょくお伺いさせていただきます。
      どうぞよろしくお願いいたします!













      2014/03/02
  • この本は、私がまた「本読んでみようかな」と思った一冊である。

    私は昔、本好きの小学生だった。
    しかし、元々というわけではなかった。
    私を本好きに変えたのは小3の頃に出会った友達である。
    その子はとても本を読む子で、私に本の面白さを教えてくれた。

    中学校はその子と離れてしまい、私はあまり読書をしなくなった。
    なかなか面白い本に出会えなかったこともあるかもしれない。
    (武者小路実篤の「友情」とあさのあつこシリーズは面白かったけど)
    でも、一番の理由は
    その友達のような、一緒に本を語り合える友達が周りにいなかったからだと思う。

    高校はその友達と一緒だったが、彼女は入学してすぐ留学に行ってしまった。
    私は中学と同じような理由でほとんど読書をしなかった。

    浪人生で友達が面白い本を教えてくれまた読書にハマったが、浪人生が終わると読書をしなくなった。

    そして大学生になり出会った、久々の面白い一冊。
    寝るのも惜しんで、とにかくひたすら読んだ。何回も読んだ。
    まあ〜読んだきっかけはちょっと秘密だけど(笑)
    こんな本に出会ったのは久しぶりで、それから、角田さんのエッセイをいろいろと読んだ。
    そして今も角田さんのいろいろな小説やエッセイを読んでいる。

    この本は、私をまた本を読むことに引き戻してくれた
    いわば「命の恩人」的な存在なのかもしれない。

    「こんなに面白い本があるなら、他にも自分が好きになる本や作家さんを見つけたい」
    それが今、私の読書する理由である。

    こんな風に思わせてくれたこの本は、私の人生の中で確実に大切な一冊になるであろう。

  • 角田光代さんのエッセイ集。なかなか友達と飲み会をしたり、お喋りで盛り上がったりできないコロナ禍の今、そんな時間を擬似体験できたようで楽しかった。高校の同級生との飲み会や仲の良い友達との女子会などでのお喋りって、ほんとたわいもない事や、後で思い出してもほとんど意味のないバカ話だったりするけど、そういうのってとっても大切な時間だったりするんですよね。一日も早く、みんなで集まって、そんなバカ話で盛り上がれるような日が戻って来るといいなぁ。

  • 暫定1位で好きな本。こんなにも共感しかないエッセイは初めてだった、自分のお守りにしたい。

  • これだから角田光代のファンはやめられない

  • こんな友達欲しいわ選手権一位

  • 角田光代さんの小説は自分の中で、すごくわかる女性の気持ちが描かれている一方、ちょっと後味が悪いもの、が多かった気がする。

    エッセイを読むのは初めてだったけど、角田光代という作家をとても身近に感じることができた。
    物知りじゃないところとか、身づくろいが苦手なところとか、人間って何かに秀でていてもこの部分はダメってあるよね、と、自分のダメな部分も肯定されたような。

  • uちゃんが貸してくれました。
    本が好きだと言っていると、人が気楽に本をくれたり、貸してくれるのが嬉しいです。

    仕事の合間の電車で割と読みました。
    今は、営業みたいな、外に出る仕事をしているので、いつも限られた時間で事務をして、外出して、戻って事務をする。というのは、結構疲れる。
    外出先に向かう電車の中で読んで、やらなければならないことで、焦って、不安で、ざわざわして、疲れていた気持ちが、落ち着きました。

    印象に残ったのは、彼氏と別れ1人分の鰆を買った時に1人を自覚したという件。
    「自分のためだけに、ひとりぶんの食料を買うってなんて、さみしい作業なんだろう。というよりもだれかのためかな料理をするということは、なんて幸福なことだったんだろう。
    その時のしんみりした気持ちというのは、別れた人に対する未練ではないし、別れたことに対する後悔でもない。最初から1人だったというような猛烈か自覚。」

    いつかは、人は1人分の食料を買うことになると、当たり前の真実に気づく時の風景がリアルでした。

  • 角田さんと居酒屋さんで便ビールを注ぎながらガールズトークしてるような気分で読めるエッセイ。

  • 角田光代という作家を身近に感じられる本。わたしは角田光代という人がとてもすきだと思った。

  • 私とは違うと思いつつ共感してしまう部分も・・・不思議です。

  • 角田 光代のエッセイ集。
    タイトル買いしました。
    モノクロの毎日に彩りを与えてくれるような一冊。

  • 角田さんが語りかけてくる感じ。
    ちょっと隣り合って「私はこうなんだけど、あなたはどう?」って聴かれたみたいに読める本。

    タイトルと表紙に惹かれて手に取ってたら、中身もそのまま魅力的だった。
    この問いかけ一つ一つに答えるとしたら、自分はどんな回答をするだろうか。

    角田さんの基準というか感性というか、一つ一つが興味深い。気軽に話してるんだけど、考えさせられもする。

  • 「人の会話って、ほんと、馬鹿みたいだよなあ。馬鹿みたいで、意味もなくって、くだらなくて、大切なことはいつも伝わらなくて、けど、なんてあたたかいんだろう。」
    .
    「場所というのは思いと結びついて、意味を持つ。かなしい思いも浮かれた思いも場所は吸いこむ。吸い込んで、そこにあり続ける。」

    心安らぐエッセイ。クスッとしたり、わかる!!と思ったり。角田光代さんの人となりを感じられて、思わず頬を緩めながら読んだ。

  • 凄く良かった。
    肩の力を抜いて読めて角田さんと実際に飲み屋でお話してるみたいなエッセイだけれど、
    その中にも角田さんの考え方が私にはすごくかっこいいなと思った。かっこつけてないところがかっこいい!
    投げかけられる問い掛けの数々に対して、よくある「宝くじが当たったら?」って言われて一生懸命悩む子供のように、頭を捻らせ考える自分がいました。
    特に恋愛模様の渦中にいた?議論では、激しく角田さんに同感。私も恋愛話に疎い方で、後々からそういう話を知る事が多々あります。
    最後の章の「最近、心がふるえたことは?」がとても心に響きました。
    248〜249にかけての文章がとても良かったので、抜粋はしません。「自分の足で歩いてそうしたものに出合えると、本当にうれしい。」

  • おもしろかった!
    webに2週間に一回掲載していたエッセイをまとめた本らしい

    いろんな質問を投げかけてきたりしてくれる内容が多くて自分はどうだろう?とか考えながら読んだ
    例えば、角田さんは恋愛運とかはないけどタクシー運、旅行に行った時に出会う旅行者運はいい!
    あなたは何運に自信がある?みたいな

    あとは以前カレーのルーが足りなくなった経験からカレーとルーをかき混ぜて食べるようになったとかスカートが捲れ上がってパンツ丸見えになってる女性を見かけてからトイレから出たあと執拗に捲れてないか確認するようになったとかのプチトラウマの話からあなたもありますか?とか

    こういうはなしってダラダラと誰かと無限に時間がある時にしかできないんだよねえ
    だからこの本を読んでるとそういう友達とか家族とかとどうでもいいような論争をしたような充実感があった

    あと角田光代の作品は母と娘の確執とか毒親系の話が多いから母との関係はあまり良くないのかも?と思ってたけど母のいた病院に通ってて辛かった話とかがところどころにあってそんなことはないんだと思った

  • 今読んでいますが、短いエッセイ集なのでとても読みやすいし、読んでいて落ち着きます。寝る前にちょっと気分を落ち着けて眠りたい、そんなときにオススメかもしれません。

  • それぞれの終わりにある問いかけが良かった。

  • 「おじょうさん、利口ぶってるやつほど馬鹿なやつはいないよ、馬鹿みたいに見える人しか信用しちゃだめよ」

  • Kindle Unlimitedから。

    プチトラウマはありますか?男のどこにぐっとくる?美貌、才能、健康どれを選ぶ?などなど、親しい友人と話しているような感覚のエッセイだった。
    親友と会いたくなる。

    「人が何かを語っているとき、それがどんなに真実っぽく聞こえたとしても、それはデータでしかない、ということだ。それがその人の経験なのだし、世界観なのだ。何気なく言った言葉で、自分のデータの質と量がばれてしまうことになる。たっぷり質・量のあるデータならまだしも、偏った数少ないデータで意見していたとしたら、とても恥ずかしい。」(あなたの真理はなんですか?)

    この部分は常々考えているけど、わたしはどうしても『偏った数少ないデータ』でしか語れない。だってそれしか経験してないわけだし。
    ただ、それが偏ったものだと認識しているか、が大切だと思っている。

    2022-12

  • 角田さんの考え方が面白くて好き、小説家だし賢く上手〜く生きて私とは全然違う思考してるんやろなと思ってたけど似てる部分も合ってなんか嬉しくなった、見ててくすくす笑えた、テキトーに生きてた良い意味で!私も楽しくのんびり生きる

  • まだ30代なりたての頃。
    若かりし日の角田さんのエッセイ。
    日常があまりにリアルで、全く気取ってなくて風変わりでくだらないものばかり。

    なのに、これがものすごく心地よくて
    ありのままの生活や丸出し感に脱力感。

    心理テストや占い、女子会に二日酔い、引越し…
    人生って色々ないようであって、だからこそおもしろい。

  • いろいろ納得ーと思えることがあってとっても面白かった。
    この人の考える視点がとっても好き。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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