歌舞伎町案内人 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043733019

感想・レビュー・書評

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  • 不夜城シリーズなどが好きで、歌舞伎町の暗部をより深く知りたいと思い、こちらの本を手に取った。
    李さんの人柄や仕事内容、日本での経験・・・いろいろと分かってそこそこは楽しめたのだが、わたしの求めてる過激さやドロドロ感とは少し違うものだった。
    今も歌舞伎町に立っているのなら、お目にかかりたいものだが・・・・。

  • オレの人生はとっても平凡だ

  • 石田衣良の小説ノンフィクション版といったところ。
    自分の住む世界とあまりにかけ離れていて、何とも現実味がない。
    でもこんな世界がすぐ近くにあるんだということを知ることになった。
    ついつい、時間を忘れて読んでしまった。

  • アジア最大の歓楽街、新宿歌舞伎町。そこに日本語、北京語、広東語、湖南語を自在に操り、街角に立ち続ける男。李小牧。『案内人』という彼の生き方と当時の歌舞伎町の町並みが描かれている貴重な記録です。

    僕はもう何年もこの街に足を踏み入れていませんが、今はどのような変貌を遂げているのでしょうね。この本をはじめて読んだのがもうずいぶん昔の話で、今回ここにアップするためにもう一度読み返してみました。読んでいて李小牧という男のしぶとさ、いきかた、あらゆるものが圧倒的な存在感で僕の中に入ってきました。

    この本に描かれているのは彼の生い立ちから来日。ファッションが好きで東京モード学園での学生生活や「案内人」になったいきさつまでと、1980年代の後半から1990年代の歌舞伎町の風俗が描かれていて、そういった意味では貴重な記録となっております。ちょうどこの時期は福建省から来た黒社会の人間たちが歌舞伎町を肩で風切って歩いていたときで、僕もとある「住人」から昔、
    「今は中国系の人間が多くなったよ」
    と耳打ちされたことがあったことを思い出しました。

    今もおそらく彼は歌舞伎町の街頭にたち続けているのでしょうが、この本を読む限りだと、地回りたちに頭を下げ、警察官とは友達となり、かつては自分のところで働いていた人間が「商売敵」となって、彼の前に立ちふさがる…。現代のカオスを象徴する新宿は歌舞伎町で今日もまた繰り広げられる狂宴のなかに、彼の存在は確かにある。そんなことを、読んでいて感じました。

  • アングラな世界を紹介してくれる。
    というかほんとにこんな状態なんだろうか。
    と思いながら面白く読めた。

  • 新宿はごちゃごちゃしてて、危なそうで苦手です。たぶん私と正反対の理由で著者の李氏は新宿が好きなんでしょうね。私がなるべく避けている様な世界のリアルな話のあれこれは、とても面白かったです。でもやっぱり新宿にがて。

  • 少し昔に話題になったような本。
    まぁ、得るものは何もないが、歌舞伎町の様子が分かってそれなりにおもしろい。

  • 歌舞伎町案内人とは、著者が歌舞伎町で築き上げた地位そのものである。
    歌舞伎町を訪れる中国人旅行者に声をかけ、旅行者が求める店を紹介して、旅行者からチップを、店からマージンをもらうのが、歌舞伎町案内人である。

    現在のこの地位を築くまでには、ヤクザやヤクザを後ろ盾とした客引き等との棲み分けに至る闘争などがあり、そういったエピソードをリアルに描いている。
    また、14年間にわたって歌舞伎町に立ち続けてきた著者は、当然歌舞伎町では有名な事件を目の当たりし、あるいは当事者となっており、それらの事件の裏側についても語られている。

    歌舞伎町を知る人であれば、頭の中で風景を描きながら読める。
    歌舞伎町を「危険な繁華街」程度にしか知らない人にとってみれば、どこがどう危険なのか、またどういう面白さがあるのかを知ることができる作品である。

    本作品の特徴は、繰り返しになるがリアリティである。
    ただの留学生だった著者が歌舞伎町に染まっていく過程での様々な出来事は、実に生々しいものがある。
    作品として完成度が高いとは個人的には思えないが、ノンフィクションとしては非常に秀逸である。

    歌舞伎町は新宿のわずか一部でしかない。
    それでいながら、新宿のイメージを代表する街であることは、歌舞伎町のある種魅力と言えるだろうし、「新宿は危険な街」という一面的なイメージを発信してしまう点もあり、歌舞伎町の功罪と言えよう。

  • 駄書として読んでみました。
    この人の歴史はともかく、アンダーグラウンドな所に何があるのか知っておきたいから読みました。
    そこそこに面白かったと思います。

  • NewsWeekに時々コラムを書いているので、知っていた。視点がかなりイイ。驚かされる。こういう人もいるんだと、再認識できるのが本を読む楽しみかも。

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著者プロフィール

1960年中国湖南省生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て88年にデザインを学ぶ私費留学生として来日。歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動し始める。歌舞伎町でレストラン『湖南菜館』を経営。『歌舞伎町案内人』(角川書店)をはじめ著書多数。「ニューズウィーク」誌の連載コラム、日中の大学での講演、テレビ、ラジオ出演など多方面で活躍している。

「2011年 『常識外日中論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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