白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 637
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043735013

感想・レビュー・書評

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  • ホラー小説って書いてあったんですが 想像してたホラーとは少し違いました。
    普段ホラーは見ないのですが、読みやすくて とてもすごかったです。

    精神的に怖い感じ。

    霊とか見えない(感じない)ので何とも思ってなかったんですけど、やっぱいるんだろうか って思っちゃいます。

    もう1つ「鉄柱(クロガネノミハシラ)」というお話も恐ろしいです。
    多分そうなっちゃうんだろうな・・と予感はあったんですが
    私なら・・・この柱、絶対使わない。
    どんなに後は落ちるだけだとしても。

    ホラーが初めての私でも一気に読んでしまえるお話でした。

  • 登場人物のアクの強さが面白い。
    この話の先生は、霊媒師としては間違いなく一流なのでは。

  • 物悲しい話だった。

    表題作は、読み終わった後に、読んでいた自分がこういう夢をみていたのかと思ってしまう様な不思議な感覚があった。
    霊の執着とシシィやその弟の執着、どちらも不気味だし、業が深いなと思う。

    鉄柱は、自死を肯定する町民に不快感が募ったが、読み進めていく内に『満足死』という考え方を受け入れてしまっている自分がいた。
    満足死として自死を選ぶ事が正しいのか、それともそれは逃げでしかなく、何があろうとも天寿を全うすべきなのか。

  • ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。仕事は霊魂を体内に受け入れること。彼にとっては霊たちが自分の内側の白い部屋に入ってくるように見えているのだ。ある日、殺傷沙汰のショックで生きながら霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。だが、白い部屋でエリカと語ったジュンはその面影に恋をしてしまったのだった…。斬新な設定を意外なラストまで導き、ヴィジョン豊かな美しい文体で読ませる新感覚ホラーの登場。ラストは少しショックだった。。。

  • かなり面白かった。
    ・白い部屋で月の歌を
    ・鉄柱
    どちらもとても好き。

  • 霊媒師の女性の元にいる,霊媒体質の主人公視点の話の表題作と,地方の街の風習を描いた「鉄柱」を収録。
    表題作は普通だが,鉄柱は展開が読めてもしっとりとした魅力のある話だった。

  • 第10回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
    表題作は憑坐(よりまし)の能力を有するジュンを描いた作品。
    ラストシーンの物悲しさがとても印象的でした。
    個人的には『鉄柱(クロガネノミハシラ)』の方が好みです。
    満足死というものに対し独り善がりな醜いエゴを感じずにはいられませんでしたが、提起される死生観は非常に興味深かったです。
    森鴎外の『高瀬舟』を想起させられますね。
    住人達のどこか狂った感覚はある意味怖い。
    倫理観を問われる作品だなという印象です。
    自分勝手で甘過ぎる主人公には最後まで嫌悪感を拭うことが出来なかった。

  • タイトルがすでに多くを物語ってる。いったい誰が主人公何だとひきこまれた。美しいながらもどろどろとした雰囲気が醸し出されていた。二つ目の短編、終わりに一緒になって絶望を感じた。

  • 私は1話目より2話目が特に怖かったです。満足死という言葉も、最初は異様に感じられ、そこを最高の幸せと定義していいのか?と思ったのに、どこか納得できている自分もいたからです。幽霊などとはまた違う怖さがありました。

  • 2011 4/19

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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