わくらば追慕抄 (角川文庫)

著者 :
制作 : 浅野 いにお 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.78
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本棚登録 : 387
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043735037

作品紹介・あらすじ

人や物の「記憶」を読み取れる不思議な力をもった姉・鈴音と、お転婆で姉想いの妹・ワッコ。固い絆で結ばれた2人の前に現れた謎の女は、鈴音と同じ力を悪用して他人の過去を暴き立てていた。女の名は御堂吹雪-その冷たい怒りと霜しみに満ちたまなざしが鈴音に向けられるとき、何かが起こる…。昭和30年代を舞台に、人の優しさと生きる哀しみをノスタルジックに描く"昭和事件簿"「わくらば」シリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「わくらば日記」に続く、わくらばシリーズの続編。

    人や物の記憶を「見る」ことができる姉と、活発な性格の妹。そんな姉妹が知り合った刑事や関係者たちと、難解な事件を解決していくストーリー。

    短編のようにいくつかの物語が収録されているが、時系列で進んでいくので、ちょうど「日記」を読み返しながら回想しているような構成になっている。

    ただ記憶を「見る」だけではなく、状況をよく観察し、その真意を判断することができる姉の思慮深さと、誰に対してもまっすぐな妹の性格は、この本をいつまでも読んでいたいと思わせるのに十二分なものである。

    そんな姉妹だからこそ築くことができる人間関係と、ふたりが関わるキャラクターたちの魅力に虜になるでしょう。

    続編を期待します。

  • 不思議な能力を持つ病弱で美しい姉と、妹のワッコちゃんの
    ノスタルジックな昭和事件簿第2弾。
    どこか物悲しい雰囲気を含みながら、本作では
    薔薇姫という敵が出てきます。
    姉さまと同じ力を持っていて、それを悪用している。
    しかも、薔薇姫は姉さまのことを知っている?
    正体は明かされてはいないから、きっと続くんだよね?
    前作もそうだったけど、読み始めた時に想像している
    事の成り行きとは、全く違う結末がいつも待っていて
    そこに優しさや温もりを感じる終わらせ方をしているから
    安心して読むことができます。

  • わくらばシリーズの2冊目。
    光あるところ影があるように、白魔術と黒魔術があるように、ブラックジャックにドクターキリコがいるように、好敵手登場ってのは読者にとってワクワクするもんだ。また良き理解者の造反と復活、なんていう常套手段の展開もあり、結構盛り上がりのある巻となっている。

    昭和30年代を語るのに「戦争」と「貧困」を忘れたらアカンと思う。その時代をリアルに生きてきた人は忘れても良いかも知れんけど、後で生まれた人が、その時代が背負ってたものを意識せずに「あの頃は良かった」と語るのは、魂が入っていないノスタルジーにしか過ぎなくて薄さを感じてしまう。

    その荷物を重すぎず、でも決して忘れることのないように意識させられるこのシリーズ。主人公の姉妹と彼女らをとりまく人々の生き方を読むにつけ「俺も日常生活をもっと大事に丁寧に過ごさないといけないな」と居住まいを正す心地よさを味わえる。

  • 薔薇姫の登場で、姉様によって明かされる謎と対峙するように、姉様をとりまく謎は深くなっていく。
    なるほど、こんな能力を持ってしまっては、長く生きられる気などしない。
    儚くて、だからこそ、美しく燃えるのだろう。

  • 「人間の本性が善悪どちらであろうと、それを論ずるのは、あまり大きな意味はないでしょう。大切なのは、どんなにまわり道をしても、いつか善い存在になろうとすること……そして、そう努力する人を信じてあげることーー姉さまは、そう言いたいのでしょうか。」

    第一弾の時ほどの苦しさはないけれどら優しさと物悲しさは常に同居中。
    ステキなお話でした。

    私が長女だからか、ワッコちゃんのどことなく向こう見ずな勢いには少々辟易してしまう部分もあったりするのだけど。
    にしても、姉さまは老成というか、達観しているなぁ。
    前回からまた年を重ねたということもあるし、また常にワッコがいるから比較してしまう部分もあるのだけど。

    どのお話も良かった。
    そして、これはまだ続編があるはず!
    いつになるんだろう〜!!
    心待ちしています。

    【11/7読了・初読・私の本】

  • 人や物の記憶を読める不思議な力を持った姉とその妹が活躍する優しくも哀しい短編連作です。昭和30年代を舞台にその描写は郷愁を誘います。それぞれの過去は忘れることのできないものとし、向き会わざるを得ない厳しさも、物語のやさしい語り口により、今と未来への希望を意識させます。

  • 【昔読んだ本】
    最後の秦野さん良かった。駄目さが憎めない。

  • 短編集。
    宗教というものが本当に人を救うのかどうかはわからない。
    でも、きっと心の中の平安を求めて宗教と向き合っているのだろうと思う。
    金に執着する宗教はまがいものだ。
    昔そんなふうに言っていた人がいた。
    もしかしたら、ナカツギさまにはわずかかもしれないけれど本当に不思議な力があったのかもしれない。
    でも、会長に利用されるようになってから、少しずつ間違った方向へずれていってしまったように思った。
    幸せになりたい。誰でも願うことだけれど、幸せかどうかは自分の心が決めること。
    人と比べて羨んだり妬んだりしていては、きっといつまでも本当の幸せは来ない気がした。

  • 吹雪が登場したときは、鈴音との過去を気になるぅみたいな感じを起こさせたけど・・・結局なに??鈴音はなぜ死んだのか、よくわからなかった。あまりさくさく読めなかったから、途中でやめそしてまた読みって感じなので、見落としたかな・・・。

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著者プロフィール

朱川湊人(しゅかわ みなと)
1963年、大阪府生まれの作家。『都市伝説セピア』が直木賞候補。05年『花まんま』で直木賞受賞。ノスタルジックホラーというジャンルを開拓した。小説業のかたわら『ウルトラマンメビウス』の脚本も手がけるなど活動は多岐にわたる。著書に『サクラ秘密基地』『月蝕楽園』『冥の水底』『キミの名前』など多数。
2018年9月、『アンドロメダの猫』を刊行。

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