ロマンス小説の七日間 (角川文庫)

著者 :
制作 : こなみ 詔子 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.37
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本棚登録 : 3262
レビュー : 475
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043736010

作品紹介・あらすじ

海外ロマンス小説の翻訳を生業とするあかりは、現実にはさえない彼氏と半同棲中の27歳。そんな中ヒストリカル・ロマンス小説の翻訳を引き受ける。最初は内容と現実とのギャップにめまいものだったが……。

感想・レビュー・書評

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  • あらあら、しをんさんたら暴走していらっしゃるわ…。ハーレクインシリーズは読まないけど、こういう感じなのね…しをんさんの胸毛フェチが隠しきれていないわ(笑)

    先日男性から「白馬の王子なんていないんだから」と言われ、「…いるかもしれないやんか!バーロー!」と反論した私です。
    来ないなら、迎えに行くぜ、我が王子。はい、できましたー。

  • 神名(かんな)とあかりのなれ合い的な恋愛。
    あかりの想いが かんなにとどいていない。
    かんなは まったくのマイペース。
    長続きしないタイプでふわふわしている。
    そんなあかりは 外国ロマンス小説の翻訳家。
    その小説を自分の想いで、ストーリーをかえてしまう。

    ウォリックとアリエノール。
    かんなが ふわふわしているので、
    あかりは ウォリックに思い入れがあるようだ。

    ウォリックは、オトコらしい。敵であれば殺してしまう。
    いわゆる肉食系なオトコ。
    領主であるアリエノールと結婚する。
    アリエノールと2週間の生活で、
    ウォリックを憎らしいと思っている
    ハロルドのかくれ野盗にウォリックは、殺されてしまう。
    これでは ロマンス小説が成立しないが、
    むりやり ウォリックの友人 シャンドスと
    アリエノールを くっつけて ハロルドに敵対する。

    ハロルドは アリエノールと結婚したいのだ。
    それを 防ぐには アリエノールは 妊娠をめざす。

    結婚を希望しない かんな。
    結婚を希望する ハロルド。
    なぜ結婚するのだろう。なぜ結婚したいのか?
    ということが 大きなテーマなんですね。

  • 海外ロマンス小説の翻訳を仕事とする28歳独身あかりには、半同棲中の神名という恋人がいる。ある日神名は相談もなく仕事を辞めてくるが、あかりは怒りも漫ろにロマンス小説の翻訳に勤しむ。あかりの怒りや焦りといった気持ちは翻訳のストーリーに影響し始め、とんでもない方向へと進み始める―。

    あかりの現実の恋愛とロマンス小説のストーリーが交互に進む1週間。素直になれるほど子供でもないし、長い付き合いゆえに余裕のない様子は見せたくないし…そんな28歳独身女性の恋愛の痛さを突くのがうまい。あとがきを読むと、恋愛小説と謳いながら何故こういったストーリーになったのか、人となりが分かる。
    難しいこと抜きにちょっと変化球の恋愛小説を読みたい時に。

  • 三浦しをん「ロマンス小説の七日間」を読了。今月5冊目。

    三浦しをんという人の本を読んでみたいと思って、てきとうに買ってみたのがこの作品。2003年の作品だとか。

    海外ロマンス小説の翻訳をしている28歳独身女と、突然、会社をやめた彼の物語。現実パートと、翻訳作業中の海外ロマンス小説のパートが交互に描かれるし、この海外小説パートの分量が50%くらいあるので、1冊読んだら2つの物語を読んだってお得感が?

    変に美化されないキャラクターには親近感がわくし、妙なリアルを感じさせてくれる。ただ、まさみちゃん関連の終盤のドタバタは、同じ効果を二人の間で起こるエピソードから得るようにした方が良かったんじゃないかしら。

    以下、引用

    ”明るさの中に無理やり影を読みとろうとするのは私の悪い癖だ”

  • こういう構成は、大好きです。

    古巣である演劇集団キャラメルボックスの代表作の一つに、『スケッチブック・ボイジャー』というのがあるのですが、構成が近いです。

    現実(作家)とフィクションの世界(作品)を交互に描いていき、いつの間にか、フィクションの世界と現実との境目が曖昧になっていくという。

    ありがちと言えばありがちだけど、うまくやらないとどっちらけになってしまうけっこう大変な構成の作品。

    中世騎士ロマンス物語のお話と、現実の翻訳者のお話。

    これこれ、こういうの好きなんです。

    その昔、先の『スケッチブック・ボイジャー』を作った師匠に、「僕もこういうの好きなんで、いつかこういうの作りたいんですよねえ」とぼやいたことがあります。

    なぜぼやきになるかというと、そのままやったらただの「師匠の猿まね」といわれてしまうので、悲しいかな師匠の使ったネタは使えないという意味不明な縛りを自分自身に設けてるからであって、あれ、よく考えたら自分で気にしてるだけで他に誰も気にしてる人はいないし、別に気にせずやっちゃえばいいじゃんと今思った。

    そりゃそうかー。

    とはいえ、この『ロマンス小説の七日間』も、「こういうの」である以上、今度は逆に、両作品から影響を受けずに果たして新作をかけるものかどうか。いや影響は受けるだろうけど、その上で自分のものにしないとね。何の話だ?

    そのうち、自分にちょうどいい形でネタが固まったら書くことでしょう。

    構成だけじゃなくて、本編も面白いです。

    なんと言っても、現実に戻ってきたときの、翻訳家あかりのざっくばらんな物言いが面白くてたまらない。

    女性って、人前であくびするしあぐらもかくし放屁もするしげっぷもするし、男が夢見るお姫様な女性なんて、フィクションの中にしか存在しなくて、もっと現実見ろよ、と思うのですが、三浦しをんという女性作家はその辺り、男にこびるタイプの女性を描かないので、非常に胸がすくというか、気持ちいいです。

    P150、四日目の冒頭を読んだ段階で、もう、ギブギブ、ギブアップ。

    すこぶる付きで、このあかりという女性は、素晴らしいと言わざるを得ない。

    すこぶる素晴らしい!

    え? 何が書かれているかって?

    読め。買って読め。面白いから。

    面白くなくても責任はとらないけど、僕はこれが好き。好きなんだよおおおお。

    あともう一つ。

    一番爆笑したのが、あとがきです。

    あとがきで楽しませてくれる作家って、最近は減ったなあと言うか、あとがきもあまり書かない人がいるけど、僕は、あとがきが面白すぎるが故に、各作品のあとがきだけを集めて一冊の本にまとめてしまった菊地秀行御大が大好きなので、あとがきが面白い作家さんは、それだけで好きになれます。

    だから、大丈夫。

    この作家も作品も、大好きです。

  • 章建てになっている翻訳(途中からは創作)部分、三浦しをんさんのハーレクインシリーズに対する観察眼がキラキラと反映されていて、電車の中なのに爆笑してしまいました。

    あかりの日常を描いた部分は、しをんさんのエッセイに通じる面白さがあって、1冊でふたつのテイストが味わえるおトクな作品です。

    それにしても、中世ロマンス小説のヒロインなのに、どんどん攻撃的になるアリエノールがおもしろい!
    そして、絶対しをんさんは、表紙にウォリックとシャンドスのツーショットを描いてもらえたら狂喜しただろうなぁ。。。

  • しをん節が全開の痛快な小説。ロマンス小説と実生活とのギャップに調子を狂わされる主人公が可笑しくてたまらなかった。あとがきがまた抱腹絶倒ものです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「調子を狂わされる主人公」
      それだけで、笑ってしまいそう。。。これも早く読まなきゃ!
      「調子を狂わされる主人公」
      それだけで、笑ってしまいそう。。。これも早く読まなきゃ!
      2012/11/09
  • しをんさん、本当に愉快な人だなぁ。
    エッセイを読んだことがあるからか、しをんさんへの親しみを持って読めた。小説なのに、なぜか著者が常に意識にあがるという…。

    内容についていうと、友だちのもどかしい恋を応援する気持ちになる。
    主人公、寛大過ぎでは?と思ったが、当の主人公は自分の不寛容さに落ち込んでいる。
    自分と違う恋愛観だから楽しめた。

  • ハーレクイン・ロマンスならぬコロンバイン・ロマンス作品の翻訳を生業とする若い女性をヒロインにしたお仕事小説。かと思って読んでいたら、あとがきで、恋愛小説の依頼で書かれた作品だと判明。2003年、角川文庫書き下ろし作品。
    ヒロイン・あかりが翻訳する中世ロマンス作品(一章~七章)と、翻訳入稿直前のあかりの実生活(一日目~七日目)が交互に書かれるという構成。実生活では、半同棲中の彼氏・神名が突然会社を辞めたり、二人の呑み仲間まさみちゃんが神名にちょっかいを出していると疑ったり、神名が海外放浪の旅に出ようとしていることがわかったり、挙げ句にケンカをしたり、という七日間が描かれます。その実生活のゴタゴタからか、翻訳作品パートが、予定調和のロマンス作品の翻訳から逸脱して、あかりの創作した予定調和から外れた作品に変化してしまうところが面白い。ただ、この辺りの本当の面白さが理解出来るのは、ハーレクイン・ロマンスの内容のパターンがわかるくらい読んでいる女性ではないですかね。
    全体的に、ユーモア感覚とパロディ感覚に溢れた作品で、自分が三浦しをん作品に期待するものとはちょっと違いましたけど、ケンカをした次の日のあかりが自己を内省する「五日目」は、同時期の三浦しをん作品『秘密の花園』に通じるような雰囲気。この「五日目」があることで、ただの面白小説では済まない作品になっていたと思いますよ。

  • ロマンス小説と、現実と。
    あかりと同じように神名にむかむかしたりもしたけれど、どうなるかわからないけど、でも、まぁ、いいよね、とそんな軽い気持ちにさせてもらえた。

    あかりのロマンス小説、すきだなぁ(笑)

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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