ロマンス小説の七日間 (角川文庫)

著者 : 三浦しをん

• 角川書店(角川グループパブリッシング) (2003年11月22日発売)

感想・レビュー・書評

[瀬戸真朝さんの感想 · 2015年11月15日]

あらすじで衝動買いした作品。「三浦しをん作品」は「安定」だとずっと思っていたが、どうやら初期はそうではないらしい。この本を手に取るまで知らなかった。
主人公が一人うじうじ悩んで、恋人なのに直接ぶつけられないあたりで私には合わなかった。浮気疑惑があったにも関わらず、結局最後までそのことは聞けなかったし。
いや、聞くのは二人の間ではナンセンスだったのかもしれない。けれども、ずっと見てきた側としては、ここまで心配させられて結局なあなあの形で収まるのが気に入らないのだ。

ロマンス小説はほとんど読んだことなかったが、意外とそっちのパートの方が面白かった。
特に初夜の描写が良かった。神名が興奮するのも分かる。笑

[みみもさんの感想 · 2015年11月11日]

ロマンス小説から入るので、取っ掛かりはイマイチな気がしていたが、ロマンス小説と現実世界との交互の感じに段々はまる。原作とは違う方向に翻訳するっていったい！！と思うが、創作が面白い。しをんちゃんの現在の作品からすると初期のものなので拙い感じもするが、それもまた良い。

[むぅさんの感想 · 2015年10月8日]

私生活の変化で小説の翻訳をそんなに変えちゃったらダメでしょ、現実的にありえない…という気持ちがずっとあって、なかなか入り込みにくい話でした(^_^;)話自体は軽妙でテンポよく読めるけど、それ以上でもそれ以下でもない、感じ。

[syosaiさんの感想 · 2015年9月13日]

外国文学の日本語訳は意訳しないようにストイックに気をつけているからこそ、こういう妄想を抱きがちなのかな、とこちらも妄想。

[yuiさんの感想 · 2015年6月8日]

さくっと読ませていただきました。

「ほんとうはこんな小説だったのに、私生活の影響でこんなん創っちゃったのか！？」という比較ができないのが残念。

文章も軽快だけど、中味も軽いような・・・
だからなんだったんだろう？という気持ちしか残らない話で
、しをんさんにしてははずれかなぁ、と正直なところ思いました。

[神埼魅音じゃないよさんの感想 · 2015年5月27日]

アリエノールと言われると、アキテーヌの？とか思っちゃったんだけど、ぜんぜん関係なかった。だけど、ヴァイキングって……。
というのが、つまり、この本で揶揄されている○○・ロマンスのシリーズなんですが、逆に、オリハルコンの剣だなんてネタっぽいアイテムが出てくるようなものが、○ーレクインなら、一度読んで見ずばなるまい。あ、脱線した。
まあ、本編も十分にロマンスであることを目的に書かれているんだそうですが、うーん、ああいうシリーズって、「幸せな結婚」が見通せたあたりでエンディングなんじゃないのかなと思うと、これは反ロマンス小説なのかも知れないな。そう、ロマンス小説でなくとも、恋心は描けるんですよ、みたいな。

[shirokumaiさんの感想 · 2015年5月22日]

三浦しをんさんってこんなにコミカルな人なんだと、あとがきを読んで知る。
ロマンス小説を翻訳するあかりは、自身の現実に影響され、小説を捏造してしまうという話。小説の一章、あかりの1日、が交互に書かれていて、一つの本で二つの作品を読んだみたいなお得感！あかりの小説に対するツッコミや、恋人の神名のマイペースさに思わず笑みがこぼれました。同時にアリエノールとウォリックスとシャンドスの続きが気になってしょうがない！ロマンス小説らしからぬ、あかり仕様のラストが素敵だなぁ。
あとがきまで楽しめる作品❀

[reiko1080さんの感想 · 2015年5月9日]

現実での主人公の気持ちに呼応してどんどん主人公の書く物語が破天荒になっていく様子が非常に面白かった。原因を作ったおいてそれに平然と突っ込む彼。キャラクターもみんな素敵でとても好きな小説。三浦さんのファンになった。

[tantanさんの感想 · 2015年5月2日]

わはははは。さすが、しをんさん、オモシロいｗ
翻訳してるはずが、欲求不満と願望と欲望？で勝手に創作しちゃってるし！ｗ　もー、やりたい放題ですなーｗｗ
それにしても、神名がいい。いや、現実ではやっぱこんな男、困るんだろうけど。飄々としていて、なおかつ、良く言えば、少年の心を持った・・・いや、ホントに、困るんだけど、まぁ男なんて、大抵そんな感じではあるしｗ　無邪気な男って、ホント困るけどカワイイｗ

[usa-o-akiさんの感想 · 2015年4月29日]

20150429読了
これ、三浦しをんさんの自叙伝？こんな素敵な彼がいたなんて、やっぱりなー、でも別れちゃったのかな？などなど、想像しながら楽しく読めました。海外ロマンス、ぜひ本格的に書いて頂きたいです。

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。