雷桜 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043739011

感想・レビュー・書評

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  • H29.9.12 読了。

    ・数奇な運命に翻弄された男女の恋愛小説。お游さんのような女性に会ってみたいですね。
    ・他の読者レビューにもみられるように景観の表現は秀逸でした。

  • 生まれて間もない庄屋の一人娘「遊」は雷雨の晩、何者かにさらわれた。失意に暮れる瀬田一家は遊と再会出来るのか?家族の愛情、運命に導かれる面々、凜とした女性を描いた感動時代小説。
    遊のさっぱりとした性格、不思議な魅力に惹かれグイグイと「雷桜」の世界に引き込まれた。風景の描写が美しく、温かくも切ない物語。オススメです♪

  • 素晴らしい小説に出会いました。
    3分の1ぐらいまでは少しずつしか読み進めませんでしたが、そこから先はもう一気に読んでしまいました。遊も斎道も愛おしく感じます。

  • 江戸から三日を要する山間の村で、
    生まれて間もない庄屋の一人娘、遊が雷雨の晩に何者かに掠われた。
    手がかりもつかめぬまま、一家は失意のうちに十数年を過ごす。
    その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、
    やがて五三卿清水家の中間として抱えられる。
    が、お使えする清水家の当主、斉道は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた…。
    遊は”狼少女”として十五年ぶりに帰還するのだが―。
    運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代劇編。



    ということで、シンプルに言ってしまえば、“狼少女”と“心の病を持った殿”の恋愛小説です。

    …悲しいです。切ないです。


    いろんな愛のかたちを垣間見れます。

    殿の遊に対する愛。

    遊の殿に対する愛。

    母の娘に対する愛。

    兄の妹に対する愛。

    家臣の殿に対する愛。



    そして、ただの恋愛小説ではなく、瀬田村をめぐる陰謀?も絡んでるところもミソ。
    読後に余韻の残る小説でした。

    映画化されたら美しい映画になるだろうなぁと思いました。
    (監督、役者等の力量にもよるでしょうが…)

  • とても美しい情景が思い浮かぶ山あいを舞台にした、繊細で儚く
    痛ましくもありながら、優しさと温かさ
    そして強くて逞しくもある凛とした人々の心が
    清々しい気持ちにさせてくれる物語です。

    生まれて間もなくの雛祭りの晩に、何者かにかどわかされ
    天狗が棲むと恐れられている瀬田山で、"狼少女"と呼ばれてしまうほど
    野性的に育つお遊。

    多感な少年期に御家のしきたりに縛られ、気性を歪めてしまう
    徳川家のお殿様斉道。

    そして
    二人に共通する青年で、己の将来を模索しつつ果敢に我が道を切り開いていく
    お遊の兄・瀬田助次郎。

    この少年少女たち
    三人三様の清い心の成長に大いに涙します。

    ことに斉道からは目が離せませんでした。
    幼い頃に親元から引き離され、身分で強いられたレールの上を歩まねばならない
    歯がゆさ。そんな十代の少年に反抗期がなかろうはずがありません。
    むしろ正常な男子の成長の過程....。なのに”発疳”(癇癪)と病人扱いされ
    取り巻きからも恐れられるばかりとあっては、当人もどんなにか
    やりきれなかったことでしょう。暴れずにはいられないという気持ちの共感
    そして、その痛ましいまでの斉道の心に寄り添いたいと思う母性の心との両方に
    ゆらゆらと揺さぶられました。

    斉道とお遊の始めての出会いには鳥肌が立つほど痺れます。
    ビビビとくるこの瞬間。一番好きな場面です。

  • 二つの藩の境界に位置し、瀬田山を背にする風光明媚な山間の村、瀬田村。
    瀬田村の庄屋の一人娘として生まれた遊は、1歳となった雷雨の夜、何者かにかどかわされる。
    必死の捜索にもかかわらず手がかりはなく、失意の一家はそれでも遊の生存を信じて待ち続ける。
    兄・助次郎が武士として取り立てられ、清水家に仕えるようになったころ、遊は15年ぶりに瀬田家に帰還する。並みの娘とことごとく違った野生の娘として。
    助次郎が使える当主・斉道は、静養のため、瀬田村を訪れ、そこで遊と出会う。

    山々の情景が目に浮かぶような美しい描写。
    雷で銀杏の幹が折れ、途中から桜の木が生えている雷桜に象徴される、繊細で美しい物語だと思った。
    表紙の印象か、私の中の物語のカラーは若草色と桜色。
    出会うことのなかった二人が出会う。一緒にいられた時間は本当に短いものでも、磁石のように魅かれあう二人から目を離せなくなった。

    昔ならお遊の目線で読んだに違いないのに、読みながら母のたえの気持ちになった。年齢が上がってしまった証拠だなぁ…(苦笑)
    お遊の生存を信じて待ち続け、瀬田山にいるのではないかという噂を聞いてから瀬田山に朝夕祈り、戻ってからはお遊を優しく見守り続け。
    「おれは嫁に行かずとも、この先は、かか様の傍らで暮らせばそれでよいと思うておる」と言われて涙し。
    もしもお遊が側女になれば心配で夜も眠れないだろうと、遊の選んだ道を陰ながら支え続けたたえ。
    斉道とは別れを選ぶしかなかったとしても、子を産み、優しく強い母の傍にいれて、遊はやはり幸せだったのだろうと思う。

  • 久しぶりに綺麗な、心動かされる恋愛小説を読みました。

    生まれて間もない頃にさらわれ、人が立ち寄れないような山で育った娘・遊と、徳川のお殿様との恋物語。

    家来だった遊の兄から、遊のことを寝物語に聞いていたお殿様。
    窮屈な生活に精神を病んだことをきっかけに、
    休養のため訪れた村で、遊の奔放で飾らない姿にいつしか心奪われる。
    恋心を知らない遊も、かつて山で自分を育ててくれた男性が自分に無償の愛を注いだように、自分も代償を求めない愛情を注ごうと殿と結ばれる。

    二人が山で結ばれた後、馬に乗って村に帰ってくるシーンを兄の目線で描かれる描写がとても美しいことに感激します。
    「殿が背後から遊を掻き抱き、遊が首を捻じ曲げて殿の唇を受けている」

    立場上、二人は別れざるを得ない、そんな状況もより読者の心を切なくしますね。

    映画化された本作もぜひ見てみたいです。

  • 情景がきれいな作品
    日本語もきれいだが、話は紋切型
    お遊の生き方は凛々しい

  • 狼女など、極端な言葉が並ぶ書籍紹介がインパクトを与えており、それで手に取る人もいるのかいないのか。でもそれはあんまり正しいやりかたではないような気がする。本作品の大きな方向性を示しているわけでも、端緒を示しているわけでもない。それを言ってしまうとそれこそネタバレなのかしれないが。

    できれば、その帯なしで純粋な宇江佐真理作品としてよんでみたかったかも。

  • なぜか登録し忘れていた・・・いつ読んだんだったかな~( ̄ω ̄;)

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