雷桜 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043739011

作品紹介・あらすじ

乳飲み子の頃に何者かにさらわれた庄屋の愛娘・遊(ゆう)。15年の時を経て、遊は、狼女となって帰還した。そして身分違いの恋に落ちるが――。数奇な運命を辿った女性の凛とした生涯を描く、長編時代ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 雷桜 (角川文庫) | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/404373901X/

    温かな血の通う世界――宇江佐真理の足跡 『名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理 著) | 特集 - 本の話(2016.01.10)
    https://books.bunshun.jp/articles/-/1931

    「雷桜」 宇江佐 真理[角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/200302000641/

  • H29.9.12 読了。

    ・数奇な運命に翻弄された男女の恋愛小説。お游さんのような女性に会ってみたいですね。
    ・他の読者レビューにもみられるように景観の表現は秀逸でした。

  • 面白かった!夢物語のようなお話。悪人がほとんど出てこないので安心して楽しめた。

  • 数奇な生い立ちをした娘と家族のお話。
    今までにない宇江佐真理さんの舞台設定に引き込まれました。

  • 美しい、美しい物語だった。本を読んで、切なくて、こらえきれない涙が出たのは、いつぶりだろう。何もなされぬまま物語は終わってしまう。それがいわんとすることに、物語の肝があるのだと思う。ただ、そのことよりも、雷桜の、そこに描き出される風景の美しさに心打たれる物語だった。

  • 生まれて間もない庄屋の一人娘「遊」は雷雨の晩、何者かにさらわれた。失意に暮れる瀬田一家は遊と再会出来るのか?家族の愛情、運命に導かれる面々、凜とした女性を描いた感動時代小説。
    遊のさっぱりとした性格、不思議な魅力に惹かれグイグイと「雷桜」の世界に引き込まれた。風景の描写が美しく、温かくも切ない物語。オススメです♪

  • 素晴らしい小説に出会いました。
    3分の1ぐらいまでは少しずつしか読み進めませんでしたが、そこから先はもう一気に読んでしまいました。遊も斎道も愛おしく感じます。

  • 江戸から三日を要する山間の村で、
    生まれて間もない庄屋の一人娘、遊が雷雨の晩に何者かに掠われた。
    手がかりもつかめぬまま、一家は失意のうちに十数年を過ごす。
    その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、
    やがて五三卿清水家の中間として抱えられる。
    が、お使えする清水家の当主、斉道は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた…。
    遊は”狼少女”として十五年ぶりに帰還するのだが―。
    運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代劇編。



    ということで、シンプルに言ってしまえば、“狼少女”と“心の病を持った殿”の恋愛小説です。

    …悲しいです。切ないです。


    いろんな愛のかたちを垣間見れます。

    殿の遊に対する愛。

    遊の殿に対する愛。

    母の娘に対する愛。

    兄の妹に対する愛。

    家臣の殿に対する愛。



    そして、ただの恋愛小説ではなく、瀬田村をめぐる陰謀?も絡んでるところもミソ。
    読後に余韻の残る小説でした。

    映画化されたら美しい映画になるだろうなぁと思いました。
    (監督、役者等の力量にもよるでしょうが…)

  • 学生時代に時代小説はよく読んだが、宇江佐真理さんの本を読むのは初めてだった。情景が浮かんでくる美しい小説だと感じた。
    また、ヒロインである遊や遊の兄であり、庄屋の息子でありながら武士へと取り立てられた助次郎が身分が上である斉道に対しても率直な物言いや対応をするシーンが痛快で面白かった。
    遊たちの故郷の村と隣り合う藩の陰謀や、遊と斉道の絆など色々な要素が盛りだくさんの小説で、一気読みした。

  • 山あいの村で庄屋の一人娘がさらわれ、一家は失意の15年を過ごす。その後、山で育てられた娘が帰還するが、里の生活に馴染めないまま山と里の二重生活を送る。一方、次兄は江戸に奉公にでて、その働きが認められ、御三家の御曹司の家来となるが、この若殿は心の病を抱えていた。この二人が様々な偶然の末に出会い、惹かれ合うのだが、、、、。身分や置かれた状況、本人の意思とは無関係に起こる事故や事件、こういう出来事に翻弄されることは、いつでもあり得ることで、この二人以外のどの登場人物(馬までも)を見てもその部分にがあり、共感できるようになっている貴重な小説。以前読んだ「デミアン」に「肝要なのは 、任意な運命ではなくて自己の運命を見いだしそれを完全にくじけずに生きぬくこと」とあったことを思い出した。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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