ロックンロール (角川文庫)

著者 : 大崎善生
  • 角川書店 (2007年8月1日発売)
3.27
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  • 60レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043740048

ロックンロール (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 悲しみの宛先が必要だったんだ
    モンパルナスの夜

  • 気取りすぎていて、私には少し合わなかったかも…。
    でも言葉の選び方は好き。
    主人公も作中に「僕にとっての小説の感動は、ストーリーや感情の起伏というよりも、もっと単純で文章そのものということが多いんだ」と言っているように、大崎先生自身も情景にピタリと嵌る言葉を抽出する"文章おたく"なんだろうなと思った。

  • 主人公が熱帯魚関係の本を書いているところが大崎氏とかぶり、半分自伝的作品のような印象を受ける。
    でも人物や舞台の設定に必然性が感じられず、可もなく不可もなくという中途半端な感想しか浮かびませんでした。

  • ついに読みました。先日来のよっちんの中の”大崎善生”ブーム。
    せつない感じ、はかない感じが良い感じ。
    で、もって今回はタイトルからも想像されるように往年のロックの名曲が随所に登場。
    かけながら読むと感動更に倍!!!!
    だからあえて避けてました。だってね、よっちんの好きなもの全開で攻めてくるのが
    予想されたから。
    期待通りに楽しませて頂きました。
    読後の淡い感情がたまりません。
    BGMにLed Zeppelinの「Stairway To Heaven」
    で、もってシメにはGeorge Harrisonの「All Things Must Pass」

    レッド・ツェッペリンの「Stairway To Heaven」の歌詩=To be a rock and not to roll.
    「岩となれ、そして転がるな」って言葉がキーワードなんだけど….若干この訳おかしかね?と思いながらもこの曲の歌詩自体が難解だしね。

    George Harrison
     All Things Must Pass=すべてのことは過ぎ去っていかざるを得ない

    40歳になってこそ身にしみるジョージの御言葉。

    Jeff Beck
    哀しみの恋人達 Cause We've Ended As Lovers



    「ジョン・レノンが死んだ夜くらい一人でいたくない」という気持で
    その夜知り合った女性と動物的なセックスをする。
    この大崎善生のセックスの描写ってとても綺麗なんだけどうそ臭くない。
    勃起はしないけど緻密に美しく表現されている感じがします。でも描写自体は生々しいけどね。
    別の章では「内臓を引きずり出されるようなセックス」という表現も

    あ、そういえば ビートルズはよっちん大好きなんだけどジョージ・ハリスンの良さがわかるようになるのにだいぶ時間がかかりました。
    ジェフ・ベックが「ビートルズは最高だ、リード・ギターを除けば」ってジェフ・ベックにしか吐くことが出来ない名言がありますけど(^_^;)
    でも、ソロになってからのジョージのアルバムの凄さを思うとジェフ・ベック様に「御言葉ですがジョージも凄ぃっすよ」と申したい。

    人間は過去も現在も含めすべての人間たちとなんらかのかたちで影響しあいながら存在している
    老いていくあるいは人間が死に向かっていくということは、どんどん単純化されていくことなんだなと思った。ひとつひとつの機能が失われたり、これまでは普通にできていたはずのことがある日、突然にできなくなったり。そうやって人間はきっとどこかの時点から少しずつ単純化されていくんじゃないかって。その単純化の極限に死がある。

    人間にはこんがらがっていく時期と、それが嘘のようにほどけていく時期がある。

    ロックンローラーの死は一人で抱え込むには重すぎる。だって若い日の憧れそのものだし、あるいは自分の作り上げてきた王国の神様でもある。
    ー略ー
    なぜ、神様なんですか?
    それは彼らが単純だけど強烈で確実なメッセージを伝える力を持っているからじゃないかな?それは心の中に、鮮明にいつまでも残っていく

    いつにもなくとりとめなくなっちゃったけど、最後の「ロックンロール」という小石をポケットにいれてよっちんも生きていくぜ!!!!

  • ベックの「哀しみの恋人達」がず~~と流れている。

    《本文より》
    小説を書いてみませんか、と高井の言葉は小さくて性能のいいマグネットのように僕の心にピッタリと吸いついた。
    何をしていても、何を考えていても気がつくとふくらはぎや肩甲骨あたりに、離れずに張り付いているそのマグネットの存在を感じる。

    僕はこれは恋に似ているなと思った。そう、この感情の揺れは確かに恋に似ている。
    それからこう考えた。
    恋に似ている感情なんてあるのだろうか。恋に似た感情をも含めて、それを恋と呼ぶのではないか。
    そうだとすれば、薔薇窓からの光の輪の中に立ち、それに手をかざしている久美子に、僕は恋をしているのだ。そう思うと、焦燥感に似た痛みのような感覚が胸の中を駆け抜けていった。

  • 現実逃避でパリ住まいなんて贅沢だな。
    それほどにも生みの苦しみというのは
    つらいものなんでしょう。

  • 大崎善生さんの書くものが好きだ。
    読むのは12冊目になる。

    熱帯魚、出版業、環状線をぐるぐると回る、ヨーロッパ、音楽…
    そういう繰り返されるモチーフの中に、はっとする言葉がある。
    キャラクターとか関係性とか心情とかそういう物語の在り様ではなくて、
    言葉拾いをしながら読むような感じ。

    安定して流れる物語の中で、安心して自分のための言葉を探せる。
    小説の中で扱われたような意味合いでは見たことの無い言葉。

    今回は「くもの巣の修繕」、「窓」、「掘削機」がわたしに差し出された。
    「鍋」や「ノシイカ」、「ロバ」、「小石」、「中指」、それだって良かった。

    読みながら、沢山の知人を想起したこともおもしろかった。
    それから、イッセー尾形さんの解説もぴたり。

    これでまた、大丈夫になった。
    きっと、次読むときに見つかるのは別の言葉だろうっていう予感。

  • 作者の自伝とまではいかないまでも、私小説的な作品だと思います。
    パリで執筆中の駆け出しの作家が主人公。
    上質な日記を読んでいる感覚に近いです。

    この作家が後半、酔って「小説とは」を語りだすのですが、これが個人的にあまり共感できませんでした。
    「適切な言葉を使って表現する、その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説」……「一つ一つの場面を書き連ね、その先に結果的にストーリーや感情がある」……
    この書き方では、主人公の望むような大作は書けないと思わずにはいられません。

    この小説は、まさにこの主人公が語った手法そのまんまの書き方をしたんでしょう。その場その場でカッコいいフレーズは出てきて読み心地もいいのですが、全体として完成された作品であるのかといわれると、そこには疑問符を付けずにはいられません。

    また、狙ってやっているのか「ウンコたれ野郎」「ジャパネットたかた」「この陰毛が~」は、正直自分的にはキツイです。
    あとは、村上春樹先生の影響が強い作家さんだと感じました。

  • よかった。もう一度読みたい

  • 大崎善生を読むと小説の醍醐味は中身の内容だけではないことに気づかされる。

    このロックンロールというなんの中身の無い小説が面白く感じるのは、1行1行の文章がとても緻密で、計算されていて、繊細で、優しくて、突き刺さるような言葉の集合体だから。

    この小説の中でも語られていたが、
    「なんでもいいからひとつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだ。」「犬の交尾を正確に描いていても泣くね。」

    とある。1つのことを洗練させる必要性。小説家でないがしろにしてはいけない要素。人にとっても何かを1つ正確に出来る人の方が、心を揺さぶるのだろう。

    小説の書き方や出版者とのやり取りや執筆活動など、著者と重なり合うような自伝的な要素もいれたかったのだろう。でも嫌味がない。

    中身はないけど、面白い。文節すべてを人生と照らし合わせる小説。でも中身があれば☆5つだろう。

    作中名言
    「僕に出来たことは無関心を装うことだった。社会通念から遠ざかる。尻尾をまく。耳をたたむ。夢や希望や反骨心といったものは全て危険だった。もちろん捨てた。
    そうすると少しだけ心が軽くなった。」

    「とにかく女性はヒステリーを起こす。
    それはまるでバスの停留所のようだ。
    世の中の女性は全て、そうゆう名前の停留所を勝手に作り上げていて、必ずそこに停車しなければいけないと考えている。
    それは分かっているつもりだが、もしかしたらこの人に限って、そうゆう停留所を持っていないのではないかと幻想を抱くことがある。その大きな勘違いが、結局は新しい恋が始まるきっかけとなる。」

    「きっとお互いを深く傷つけ合ったりすることのないように、ガラス玉を真ん中において付き合っていたのかも知れない。でもそれは何か違うのだという感覚ー。人間と人間が繋がるということは、ときとして物凄く動物的なことだという、理屈ではないとても皮膚的な感触。」

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