夜の果てまで (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 232
  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043743018

作品紹介・あらすじ

二年前の秋からつきあっていた女の子から突然の別れ話をされた春、俊介は偶然暖簾をくぐったラーメン屋で、ひそかに「Mさん」と呼んでいる女性と遭遇した。彼女は、俊介がバイトをしている北大近くのコンビニに、いつも土曜日の夜十一時過ぎにやってきては、必ずチョコレートの「M&M」をひとつだけ万引きしていくのだった…。彼女の名前は涌井裕里子。俊介より一回りも年上だった-。ただひたむきに互いの人生に向き合う二人を描いた、感動の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 21歳、新聞社に内定済みの北大生が一回り年上の人妻との道ならぬ恋に溺れ、逃避行する。裕里子が最初に俊介をデートに誘ったせいで、順調だった彼の人生が狂ってしまったと思うと本当に恋というものは恐ろしい。身を引こうとするなら、最初から誘うなよ…と感じる部分もあり、何とも言えない読後感。今までに身を引くという選択はしたことがないけれど、自分の幸せより相手の幸せを願えるのは、それだけ本気で愛しているからなのだろう。

  • 何年ぶりかの再読。本棚で目につき、何の気なしに手にとり読み出したら、そのままやめられなくなった。結局最後までほぼ一気読み。そうだ、最初に読んだときもそうだったんだなあ。

    胸が詰まってくるような苦しい恋愛小説だ。盛田さんは細部の描写が本当にリアルで、主人公の大学生俊介の心の動きとともに読み手も翻弄される。俊介が好きになってしまうのは(いやもう実に好きになって「しまう」としか言いようがないのだ)たいそうややこしい事情を抱えた年上の人で、自分の人生を丸ごとその人のために投げ出していく事になる。深い畏れを抱きつつ、その裕里子という女性をひたむきに求めていく姿がつらく切ない。

    まったく人は何で恋なんかするんだろう。この小説を読むとそう思わずにはいられない。自分も周囲もずたずたに傷つけるような二人の恋は、でもそれゆえにかけがえのないものとして心にしみてくる。お金のこととか、将来のこととか、現実の厳しさがきっちり書き込まれているからこそ、そういうものを超えてなお、恋を貫こうとする俊介に共感を寄せずにはいられなくなる。

    また、前に読んだときにはあまり気がつかなかったのだが、裕里子の義理の息子である正太が実に不憫で泣けてきた。正太は中学生で、決してかわいげのあるタイプではない。でも、みながそれぞれゆがんだ家族の中で、必死に生きていこうとする姿が心に残って離れなかった。

    俊介が暮らすのは札幌の街だ。このことは記憶になくて、そうだったんだ!と驚いた。札幌は、昨春息子が大学生として住むようになって以降、何度も訪れてすっかり好きになった本当にきれいな街だ。俊介が歩く大学から駅へと続く道、大通りの賑わい、ススキノのイルミネーション、ひとつひとつが胸に迫って、いっそう忘れられない物語になった。

  • 1990年 北海道を舞台に北海道大学に通う大学生と人妻の恋愛小説。

    何が人をこんな風に狂わせ溺れさせるのか…相手や周りの人の人生を破壊してしまうほどの魅力が何なのか考えさせられました。

    読むにつれて沈んだ気持ちになり、切なくやりきれない気持ちになりました。

    何よりも正太に幸せになってほしいと思いました。

  • ちゃんと最後まで読めたので、詰まんなくなくはなかったんだけど。
    最初から最後まで好みの話ではなかった。
    誰にもまるで感情移入できなかった。
    しいていえば、正太かなぁ?
    でももうこの子にしても少し何とかならないのだろうか。
    彼らの恋愛にはネガティブな感情しかもてない。
    結末も、むしろバッドエンドな印象で後味悪い。

  • 登場人物全ての思惑がよく理解できない。

  • 最後と最初がつながってる

  • タイトルの通りの小説だなぁと思った。
    読んだのは25年ぐらい前だったかなぁ。

  • ランダムに選んだ本だったけど当たりだった。ただ、何日かかけて読んだので最初のページの仕掛けなんかすっかり忘れてて最後の解説ページ読んで「あっ…」となる始末。読者失格。

  • どうもできないことがすごく分かるし、
    もどかしさがある。
    構成が良くて、最後まで読んで、ようやく解かれる感じが良くできてると思う

  • 学生の頃、すごくハマった作品。
    内容は忘れてしまったけど、いくつかの言葉が忘れられなくて、何度か読み返していた。今読むとまた違うのかな。
    Amazonの評価はあんまり高くないけど、当時の自分の感覚では星5

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著者プロフィール

一九五四年、東京生まれ。九〇年『ストリート・チルドレン』で野間文芸新人賞候補、九二年『サウダージ』で三島由紀夫賞候補。『ぴあ』の編集者を経て、九六年より作家専業。二〇〇四年に刊行された『夜の果てまで』は三十万部超のべストセラーとなる。著書に『残りの人生で、今日がいちばん若い日』(祥伝社文庫刊)、『いつの日も泉は湧いている』『蜜と唾』など多数。

「2020年 『焼け跡のハイヒール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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