- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043745012
感想・レビュー・書評
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出久根達郎さんのエッセイ集。
人の生活というものは、おおむね平凡である。
何でもない日々の営みの、ありがたさ、面白さ、というものを、読んでもらえたら。そんな軽い気持ちで書かれたというエッセイ集。
こんな次第です。とおっしゃる話は、89歳の実母「バアさん」が亡くなったことや、愛犬のこと、義母の死まで書かれており、人生の哀切を感じながらも、ユーモラスで、温かい気持ちになる文章。心にしみる一冊でした。
日々いろいろ思いながらも、代わり映えなく地味に生活している自分。
先のことを思うと、寂しいような悲しいような気持ちにもなる自分。
でもこんなエッセイを読んでいると、普段の生活も捨てたものじゃないなぁと思えてくるから不思議です。
お名前だけは知っていましたが、初めて読みました。
ずっと昔、クロスオーバーイレブンというFMの番組を聞いていた時期がありました。曲の合間にある短いお話のナレーションがとても面白く、耳から想像が広がる世界が楽しかったです。
ナレーション:津嘉山正種 スクリプト:の担当は複数いらっしゃり、その中に出久根達郎さんがいたのではなかったかしら?
さりげなく面白いって相当にすごいことだと思います。 -
八十九歳で実母の「バアさん」が亡くなった。四十九日がすみ、母の持ち物を整理していたら、タンスの引き出しに、おかきセンベイの袋が二十六袋もしまってあった。紐も包装紙も、輪ゴムもトレーも、ためこむ世代の母だった。何やら木の実のようなものが、びっしり詰まった箱もでてきて…。実母の突然の死から、義母の死まで。同居していたふたりの母の最晩年の日々を、温かくユーモラスに綴り、人生の哀切を切り取った感動の随筆集。(表紙裏)
タイトルやあらすじから仰々しいものを想像していたけれど、さすがにそこは出久根さんで、からっとした読後感が好ましい。
そんな中にもツンとくるものがあり、「形見の声」「聖夜」はことさらよかった。 -
母と義母。晩年のふたりの母のことと、その死。愛犬のこと、歳を重ねるということ。勿論、本業(?)である古本のことも。日常のささいな出来事が、心に沁み入るエッセイに仕上がっている。うまいなぁ。
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叔母にいただいた本。私もお葬式はひっそりしたい。
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実母、義母の【老い】をあたたかい目線で描くエッセイ。
薔薇さんおっしゃるところの、一見地味な物書きさん(^ ^);にうなずきました(^_^)
作品の数、かなり多い...
薔薇さんおっしゃるところの、一見地味な物書きさん(^ ^);にうなずきました(^_^)
作品の数、かなり多いですね。
ぽつりぽつりと読んでいきたいです。