- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043747016
作品紹介・あらすじ
「ごめんなさい。やっぱり私はあいつと戦います」平凡な高校生・山本陽介の前に現れたセーラー服の美少女・雪崎絵理。彼女が夜な夜な戦うのは、チェーンソーを振り回す不死身の男。何のために戦っているのかわからない。が、とにかく奴を倒さなければ世界に希望はない。目的のない青春の日々を"チェーンソー男"との戦いに消費していく陽介と絵理。日常と非日常の狭間の中、次第に距離が近づきつつあった二人に迫る、別れ、そして最終決戦。次世代文学の旗手・滝本竜彦のデビュー作、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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最初にレビュー書くならこの本しかねーなと。
僕の人生、まぁまだ18年しか経っていない訳だけれども、中学生の時にこの小説と出会い、死ぬほど影響を受けた気が。
非日常に憧れ続ける青春の日々が過ぎる中で、山本陽介は雪崎絵理に出会い、チェーンソー男と戦う。
それは僕にとって凄く純粋に羨ましい世界で。
だけど物語は結局、普通の日常に再帰する。
それは僕の理想が微塵もプラクティカルでは無い事を教えてくれたし、どう足掻いても作中の彼らには届かない事をまじまじと見せつけられた。
山本陽介になりたい。でも僕はなれない。
だからいつまで経っても、僕はフィクションの世界へ飛び込み続けるんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さらっと読めておもしろい。
普通の男子高校生の日常。テストが嫌だし勉強したくない。
なぜか全力で戦っている女子高校生と出会う。カッコいいとこを見せたいが戦力は彼女の方が上。
バンドをやりたい友達が作った歌が印象に残った。 -
サブカルチャー作品には「白痴的な美少女から無償の愛を受ける男性」を主人公とするものが多い。たしかこのようなことを書いていたのは宇野常寛さんだったか。いわゆる「ギャルゲー」から始まり、「美少女」を中心に据える作品は漫画であっても、ライトノベルであっても、そういう傾向が強い。そして、大ヒットシリーズである『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズもその一つであろう。
『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの主人公、「キョン」は決して嫌われることがない。「白痴的な美少女」から、いわば盲目的な愛を一身に受け、非日常的な日常を過ごしつづける。しかし、それが恋愛に発展することはないし、「キョン」が鼻の下を伸ばすことはない。「キョン」は至ってクールに、斜に構え、「やれやれ」とだけ言う。あくまで、その非日常的な日常に巻き込まれた被害者という立場に甘んじ、一方で非日常的な日常を謳歌するのである。
閑話休題。本作『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』も、多くのサブカルチャー作品と同じく非日常的な日常が描かれている。
ストーリーを非常に簡略化して述べてみよう。平凡であった主人公「山本陽介」は何の前触れもなく、「チェーンソー男」と戦うヒロイン「雪崎絵理」と出会う。「山本陽介」はその後、「雪崎絵理」をフォローするという役割を請け負い、非日常的な日常を過ごすこととなる。
そこだけみれば、「キョン」と「山本陽介」は同じ存在になる。しかし、「山本陽介」は決してクールでもなく、斜に構えることもなく、「やれやれ」とも言わない。むしろ、必死だ。「雪崎絵理」のフォロワーとなったのも自発的、必死に頼み込んだ結果である。「山本陽介」は非日常的な日常の価値を知っている。それに憧れている。それを離したくない。そのような主人公を持つ本作は、それだけで十分な批評性を持つ作品だと言えるだろう。
とはいえ、批評性を持つ作品である弱点もあることに気付かされた。どうしても、その思想を古臭く、一昔前のものと感じてしまう場面もあったのだ。
【目次】
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
一章
二章
三章
終章
あとがき
解説 西尾維新
(装画/安倍吉俊) -
非常に物語的だった。その辺から人間を拾ってきて、箱に〈限りなく死に近いもの〉と共に投げ入れてどうなるかという実験的な感じ。そんな無関係な人達があがくのがたまらなくエンタメ性があり、幸せだ。人間どうでもいい派のみんなは読むといいです。
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な、懐かしい
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『娯楽』★★★★★ 10
【詩情】★★★★★ 15
【整合】★★★☆☆ 9
『意外』★★★☆☆ 6
「人物」★★★★☆ 4
「可読」★★★★★ 5
「作家」★★★★☆ 4
【尖鋭】★★★☆☆ 9
『奥行』★★★★★ 10
『印象』★★★★★ 10
《総合》82 A- -
2016.10.13読了
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万引きをした帰りに遭遇したのは、膝を抱えて座って
チェーンソーを持った男と戦う少女。
軽犯罪しまくっている主人公。
その友人も、軽犯罪者。
犯罪に、軽も何もない、と言われればそれまで。
人の群れから外れている俺ってかっこいい! な男?
ものすごく現実逃避してるだけでは、とも
言えなくもないです。
読んでいくと、チェーンソー男と少女の関係が
突如として語られて分かります。
ファンタジーにありそうな設定だな、と。