NHKにようこそ! (角川文庫)

著者 :
制作 : 安倍 吉俊 
  • 角川書店
3.33
  • (132)
  • (200)
  • (527)
  • (83)
  • (31)
本棚登録 : 1829
レビュー : 266
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043747023

作品紹介・あらすじ

俺は気づいてしまった。俺が大学を中退したのも、無職なのも、今話題のひきこもりなのも、すべて悪の組織NHKの仕業なのだということを!…だからといって事態が変わるわけでもなく、ずるずるとひきこもる俺の前に現れた清楚な美少女、岬ちゃん。「あなたは私のプロジェクトに大抜擢されました」って、なにそれ?エロスとバイオレンスとドラッグに汚染された俺たちの未来を救うのは愛か勇気か、それとも友情か?驚愕のノンストップひきこもりアクション小説ここに誕生。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • わたしはなぜ社会で上手くやっていけないのだろう?という疑問を
    ヘンな陰謀論で説明しようとする青年
    「タクシードライバー」のようなカッコいいもんじゃないが
    いろいろあって少女の命を救う
    しかしその流れで彼自身は、自己責任論の自縄自縛に陥ってしまう

    「NHKにようこそ!」では引きこもりが外に出られない理由として
    「敵の不在」が挙げられている
    自分はNHK(日本ひきこもり協会)の陰謀で苦しんでいるはずなのに
    NHKの実態がどこにも見当たらないのだ
    だから、「NHKはみんなの心にある!」という理屈を用いて
    ひきこもりの原因を各自の自己責任に帰する

    しかし心の中にしかないなら、それは単なる思い込みだ
    なぜそう思い込むに至ったか?
    問題の本質は人それぞれの心の外だろう
    主人公が引きこもった直接の理由はわからない

    宿命論を自己責任論にすり替えたのち
    連帯責任の集団に組み込んでいくというなら
    それは恐怖による支配となる
    主人公が狂気を深めるプロセスに見るべきとこもあるが
    結末のマイナスがデカすぎる

  • 私のバイブル
    オススメしたいが、したくない一冊。

  • 私たちは強大な敵を求めている。
    どうしようもない位に強大で凶悪な組織の被害者でありたい。
    抗いようのない陰謀に巻き込まれていたい。
    そうだ、仕方なかったんだ。
    どうしようもなかったんだ。
    そう願う奴や

    子供から大人になるときに集団の中で感じる孤独に
    人間はしょせん一人であるという現実に
    押しつぶされそうな
    奴ら

    が出てくる話。

    今話題の(結構旬は過ぎた気がするが…)ひきこもりの話。
    全国200万の引き籠りのうち何人かは主人公の様な理由で引き籠ってるんじゃないかと思う。

    この作者の作品は正直嫌いじゃない。

    ネガティブハッピーチェーンソーエッジの時もだけど、主人公が死にたすぎる気がする。
    それが味なんだろうと言えばそうなんだろうけど。

    そこらへんも含めて、嫌いじゃない。

    ただ、この本を2冊持っているのはそれとは関係なくて間違って買っただけです。

  • 会話などのやりとりにも笑えましたし、一人で悶えるとこも狂っていて面白かったです。
    でも、たまに他人事ではないとリアルで怖くなる一面もあり、読み応えのある一冊だと思います。

  • ヤダこれ。何でこんなに胸が痛むんだろう。むちゃくちゃな話です。笑えるところもあります。でも何故か泣けるんです。胸がチクチクと痛むんです。最後に少しだけ希望が見えた事、これは読者にとっても大きな希望だったと思います。

  •  青春小説というと、いったいどういうイメージが浮かぶだろう。汗と涙の末の勝利。ライバルとの熱い戦いと、仲間の中で起こる喧嘩、そして深まる友情。最後は夕陽に向かって河川敷を颯爽と駆け抜ける姿よろしく、どこまでも広がる若人の未来を暗示するようなモノローグ……


    FUCK!そもそもそんな青春97%の人間は送っちゃいないのである。アホで、堕落してるのはわかっちゃいるが、居心地はたまらなく良く、どうしょうもない日常。うだうだと堂々巡りの間に、本気だしてないまま終了な人生。だが、君たちがそんなにダメなのは君のせいじゃぁない。そう、それらの全てはNHKの陰謀なのだ!


     てな感じで、どうしょうもない引きこもりの主人公の被害妄想から始まるこのストーリー。出てくる奴らどいつもこいつも自意識過剰なダメ人間ばかりで、まったく救いようがない。それでも、たとえ後ろ向きな自己否定を伴っていても、なんとかやらにゃいかんと必死に奮闘し力尽きていく様は、ギャグタッチで描かれていながらも非常に重いテーマ性を持つ。冒頭あげた青春小説のテンプレートは現実世界の青春を理想方向への引き延ばした姿だが、これも別方向への青春解釈とも言えよう。

     ラストの余韻も、前章までの盛り上がりはどこへいったのか、淡々としていて寂しい。けれども、この作品はこれでよいのだ。名作。

  • 2012.7.25読了

    ひきこもり少年(大学中退)のちょい恋ひきこもり脱出小説。

    ひきこもりには2種類あって、実家暮らしのひきこもりと、1人暮らしのひきこもり。主人公は後者なので、明日生きるためには食べていかなくてはいけない。

    もし主人公が前者だった場合は、物語が成立しないんでしょうね。

    内容は良かった。NHKの意味が最初の方で出し切ったのに、最後に「NHKへようこそ」というセリフで終わった。この手のタイプは自分は好きでした。

    「おじゃ魔女ドレミ」「ふしぎの海のナディア」等々、実在する作品を作中で表現するのは、著作権的にはいいのかわからないが、「タイトルで「NHK」といってしまってるので、何の問題もないのか・・・」と自分に言い聞かせながら読破しました。

    文章力がくどい感じがしたので、星1つ落としました。
    なんかどうでもいいような表現や文章がちらちらあったため、もっと文字数を削減できたのではと思う。そのくせ、最後のデート(?)は割愛・・・・・・
    1~2割は削減できたような・・・・・・

  • 著者も同じ様な生活をしていたそうで、描写がリアリティ満載でとても生々しく痛々しい。
    ただ引きこもっているだけじゃなく、現状を変えようと努力するもおかしな方向にむかい犯罪者スレスレ
    殴り合いにヒーロー気取りに、何をやってるんだと呆れもしますが彼なら浮上できそうな気もした。
    ノンストップ引きこもりアクション小説、さもありなん。

  • 読んでいて目眩がした。ひきこもり、新興宗教の2世の子供。アニメオタク。ロリータ。 息苦しい内容だけども 実際にそのような 人たちが 身の回りに沢山いる 世の中だから。

  • ひきこもり経験のある著者が描くだけに、物語の主役である佐藤のひきこもりっぷりはすさまじい。
    自分のテリトリー(自分の部屋)から外界へ踏み出す恐怖。不特定多数の人間が自分を嘲笑しているのではないかという妄想。まともにコミュニケーションが取れずに暴走してしまう姿。
    どれもが笑えるくらいオーバーに、ライトノベル特有のノリの良さで描かれている。
    (少なからず筆者の)実体験をベースにしていると思われるので、あながち現実的な面も帯びているのかもしれない。

    若者特有の、先の見えない未来への失望と快楽が満ち溢れた過去への憧憬。モラトリアムに苦しむ姿は今も昔も変わらない。
    文学的な要素のひとつでもあるテーマが、現代ひきこもり青年を視点として描かれていると言える。
    重みや深みは感じられないけれども、確かに存在する苦しみは内容から感じられる。
    そのような出口の無い闇から自らを救い出してくれる「岬ちゃん(美少女!)」のような存在は誰もが望むところ。美少女に助けて欲しいという意味ではなくて…。

    マンガ的なセリフの応酬にゲンナリもするが、読後にはちょっとした勇気も与えてくれるバイオレンス(?)な小説。

全266件中 1 - 10件を表示

NHKにようこそ! (角川文庫)のその他の作品

NHKにようこそ! 単行本 NHKにようこそ! 滝本竜彦

滝本竜彦の作品

NHKにようこそ! (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする