The S.O.U.P. (角川文庫 か 42-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 327
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043748013

感想・レビュー・書評

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  • 特殊な熱意をもってネットにのめり込んだ人々の物語、と言ってもいいのかも。
    自分もその一人として、この一作にノスタルジアを感じる。

  • 技術系の説明が中途半端でテンポを悪くしてる。セキュリティがざるなことは事実だが、もう少し小説として料理の仕方があったのではないかと




  • 何気に10年近く前に書かれている話なんだけど、最近書かれたんじゃないかってくらい、物語がリアル。
    登場人物はひきこもりとかコンピューターオタクとか、現代的な人たち。
    プログラマーやオンラインゲームも今の方が多くなっているだろうし。

    それでいて読み終えてみると、ネット・ゲームが元で出会った一癖ある登場人物の、なんとも人間臭い友情やら出会いと別れ。
    アヴァターや人工AI、NPCが登場して話を進めていくことも何度かあったけれど、結局何かを創ったり変えたりしていくのは生身の人間なんだろうなあ。


    コンピューター用語が多いのを除けば、きっともっとグイグイ引き込まれて読めたと思う。




    でも、インターネットのシステムを殆ど全然理解できないままに、この利便性に溺れてる私みたいな人間は、この物語中のクラッキングが怖くて仕方ないわー。
    リスクなしで簡単スタート www.side-business.co.jp

  • この本が出たときは、まだまだオンラインゲームは一般的ではなかった
    と思いますが、今のならどうなんでしょう?

  • S.O.U.P.と呼ばれるオンラインゲーム上のハッカー集団がサイ<br>
    バーテロを仕掛けてきます.彼らについての情報がほとんどな<br>
    い状態で解決を迫られる主人公が,現実世界とゲームの世界か<br>
    ら犯人を追いかけていきます.<br>
    川端さんは相変わらずよく調べてます.技術的な内容が濃いに<br>
    もかかわらずそれを感じさせない様に書かれており,読みやす<br>
    く面白く仕上がっています.知識がない人は,簡易に説明され<br>
    ているので,知識を得ることにもなるかと思います.<br>
    2009.07.09(Thu)読了

  • 現実と仮想の境界線がどこなのか
    本当にわからなくなってきた現代において
    それを端的に表した最良のレポートのような小説。
    大統領との会談が始まってからの
    スピーディな展開に釘つけになってしまった。

    『ネットの秩序はネットが創出する』
    この言葉に不思議な力を感じる。

  • ネットゲーム絡みの事件を
    ネットと現実で追いかけていく。
    そんな下手な説明しかできませんが
    ブログ等でネットに接してる人には
    面白い作品じゃないかなーと思います。
    というか、私は大好きです。
    すごく面白かった!

    終盤の畳み掛けるような追い詰め方もそうですが
    とにかく読ませるのが上手い。
    久しぶりに読んでて世界に入り込んだ作品でした。

  • 帯の文章に掴まれた。
    この作者の作品は、“男のための御伽噺”だと思う。

  • 主人公である巧は、
    かつて大ヒットしたRPG「S.O.U.P.」開発者の一人だった。「S.O.U.P.」はオンラインゲーム化し、巧はかつての仲間と袂を分かちフリーのハッカーとして独立した。
    それから数年後、礼子と名乗る経済産業省の役人がハッキングを依頼してきた。
    そして、巧がクラッカーを追って辿り着いたのは、
    変貌した「S.O.U.P.」の世界だった。

    この話は指輪物語やゲド戦記を知っていると、
    より楽しめます。
    指輪物語のフロドやガンダルフを意識したキャラクターや、ゲド戦記における『真の名』等の要素が盛りだくさんです。
    2000年の作品ですが、
    あれからさらにインターネットの進化した現在においても通用する内容が盛り込んであります。匿名掲示板の存在価値や、画面の向こうに存在する住人たち、アバターと呼ばれるネット上での分身・・・。それらの問題についても考えさせられます。

  • ★あらすじ★優秀なハッカーである周防巧は、仕事の依頼を通じてかつて自分と旧友が作ったオンラインRPG「S.O.U.P」の世界へ再びログインすることになる。自分達が作り上げられた世界は、「EGG」と名乗るクラッカー集団によって無残に書き換えられていた。サイバーテロを予告する彼らの狙いは?そして背後にいるのはかつての仲間なのか?
    ★感想★現実世界に対立しようとする思想が、遂には国家を巻き込んだバーチャル対リアルの攻防戦にまで発展していく過程は迫力があります。クラッカー集団・EGGの主張が一方的で幼稚であるが故に、かえって生々しいリアリティを感じました。最新技術を使ったRPGが「指輪物語」や「ゲド戦記」のような古典ファンタジー世界を継承していたように、バーチャルな存在に人格を持たせようとするほどアナログな人間関係に縛られてしまう。作中の「大切なのはどこにリアリティを感じるか」という言葉が心に残りました。

  • この人の作品は始めまして、でした。
    なので借りてきたのは直感。
    読んでいて、秋葉原@ディープのクークル(だっけか?)を思い出しました。
    ハッカーとインターネットとオンラインゲームの話だったので、技術的なところが難解でした(もちろん読み飛ばしました)。
    たしか2000年発行だったようにおもうのですが、その時点であの内容の本が出たのははたして早かったのか遅かったのか、とあまりコンピュータに詳しくない私には判断が難しいです。

  • 何か出来るんじゃない?

  • //.hackを文学的に書いたらこうなるんだろうなって感じです。文章がキレイなので、専門用語の嵐が気になりませんでした。

  • 世界中を熱狂させたゲーム、「S.O.U.P.」の開発から十年。プログラマから一転、セキュリティを護るハッカーとして、FBIの依頼もこなす巧に、経済産業省から、悪質なHP侵入者を突き止めてほしいという依頼が入る。犯人を追い詰めた巧が見つけたのは、自分たちの開発した「S.O.U.P.」に巣食う、サイバー・テロリスト集団だった!そして今、世界を巻き込むインターネット戦争が幕を開ける。ネット社会の陥穽を鋭く突いた、エンタテインメント・ノベル。

  • ゲーム世界とネット関係の世界が交互に作用して、物語が展開していきます。ネット関係も、その成り立ちと言ったものから、技術的用語、そしてハッカーやクラッカー、掲示板やチャットを拠り所にしている引きこもりのネット中毒者(人事じゃない気がする)の心理まで、深く掘り下げている。
    ワームとかDoS攻撃とかトロイとか、インターネットウィルスがどんな物だか、漠然としか判らなかったけど(駄目じゃん)、なんとなく判った気にさせてくれる。

    また、このオンラインゲームが、「指輪物語」や「ゲド戦記」を下敷きに創られていて、舞台設定がズバリ、ミドルアースで、至る所に関係名称が出てくる、名称だけじゃなくて世界観もしっかり踏襲して、かなり読み込んでいることを窺わせるのも好印象です。

    ストーリーも意外な展開あり、秘密結社的存在や陰謀の影も感じさせ、かなり面白い。

    パソコン使ってサイトやブログやチャットやってる、ファンタジー好きには堪らない、超お薦めの1冊でした。

  • なかなか勢いのある小説。この作者の他のものも読んでみよう。

  • ネットワーク上で繰り広げられる戦い.専門分野に近くて面白かった.

  • オンラインゲームやったことないけど、今のって多分もうこのコンセプトに近い感じだよね。
    主人公みたいな天才プログラマってなんか憧れちゃうわ。よく勉強にもなりました。ハッカーって自分も悪者だと思ってたもん。ハッカーは良心を持って改良する人。クラッカーが悪意を持って改造する人。

  • 何度でも読める。

  • う〜ん、SFなのかなぁ。まだ読んでないので分かんないけど、どっちかというとミステリーじゃね?という気もする。友人から薦められた一冊。

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著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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