青い蜃気楼 小説エンロン (角川文庫 く 22-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043755011

作品紹介・あらすじ

二〇〇一年十二月、米エネルギー企業大手エンロンが破綻した。一介の地方ガス会社は、いかにして世界にエネルギー革命をもたらし、なぜ突如破綻したか?同社と米国政府、ウォール街、会計事務所との癒着とは、いかなるものだったのか?エンロンが駆使した金融工学と会計操作のからくりに徹底的にメスを入れるとともに、貧困家庭から這い上がろうとして戦い、破滅した幹部たちの人間ドラマに光を当てるドキュメント経済小説。

感想・レビュー・書評

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  • 信用格付の課題を考えている中、本書を手に取った。残念ながら格付サイドからの展開はなかったが、小説としては大変おもしろいものであった。
    256ページに、日本人のアナリスト鶴田がエンロンの決算書をつぶさに調べていく様子が、似たような調査仕事をやっている者として非常に共感を覚えた。

  • 3度目ぐらいの読了。

    金融の世界を描き出す作品が、やはり最も生き生きしていると再確認させられた本著。エネルギー自由化、水道事業自由化など、私たちの生活に直結する出来事が描かれており、その意味でもスリリング。

  • USCPAの勉強が一段落ついたので、米国の会計制度、監査に大きな影響を与えた事件について詳しく知りたく。

    粉飾、インサイダー、利益相反なんでもござれ。
    会計不正行為の詰め合わせセットでした。

  • 破綻したアメリカのエンロンをモデルとした経済小説だが、ほぼ事実が伝えられているため、小説というよりは社会本という感じがする。そのため、小説的な面白みはなく、エンロン破綻の一部始終を学ぶための参考本といったところだ。いかにしてエンロンが会計操作を駆使して世界を代表する企業へとのし上がり、そこから転落していくかが非常に細かく描かれている。

  • エンロンが成長してから倒産するまでの事実に元づいて書かれた小説です。でも小説というよりかはルポのようなちょっと淡々とした感じがした。ただわかりやすく書かれているので、何が起こったのかがよくわかった。

  • 読み返してみた。

    エンロンのビジネスモデルは非常に優秀だと思う。
    マーケットメイキングも含めて自社で抱えてしまえば
    トレード(投機的な意味でなく)での利ざやだけでなく
    マーケット運営での利益も出る。

    結果、資産を持たないエネルギービジネスたれた唯一の企業。
    イノベーションだと思うけどな、純粋に。
    SPCを使った粉飾のせいで、完全に過去のものになったが
    その前の健全なエンロンの目指した方向性は宝のヤマのように思う。

    どうあれ、日本のエネルギー業界においては示唆の多い内容。

  • 2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。

    2021年12月29日作成

  • ・とにかく悪い人がたくさんでてくる(利己主義者ばかり)
    ・会計知識がないとついていけない
    ・全ての法人の幹部陣に読んでもらいたい

  • 日経新聞に著者についての連載があり、ロンドン在住の元銀行マンであり、複数の外国語にも堪能という点で興味を持った。本書は「小説」という仕立てになっているが、実際はほぼノンフィクションなのだろう。会計不正の代名詞のようなエンロンの興隆・欺瞞・破綻について、その場で見たかのような迫真のシーンが続く。企業小説として面白かった。巻末に金融経済用語集があるが、2002年末に書かれた当時には解説が必要だったであろうこれらの用語も、20年近く経って、だいぶポピュラーになった気がする。

  • エンロン事件がどうやって起きていったのか、小説として楽しみながら知りたい人にはおすすめ。

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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