トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)

著者 : 黒木亮
  • 角川書店 (2005年7月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043755028

作品紹介

日系自動車メーカーのイラン工場建設のため、一億五千万ドルの巨大融資案件がもちあがった。大手邦銀ロンドン支店次長・今西は、国際協調融資の主幹事(トップ・レフト)を獲得すべく交渉を開始するが、かつての同僚で日本を捨て、米系投資銀行に身を投じた龍花が立ちはだかる。そこに突如、世界を揺るがす敵対的買収が…。弱肉強食の国際金融の現場を余すところなく描いた衝撃のデビュー作。

トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  どうして邦銀の上層部の人間はこうも無能になってしまうのか、またそのように描写されることに妙にリアリティを感じるのか?
     入行した当初はきっと今西や龍花のように、バンカーとしての誇りと大義に満ちていたはずなのに。

  • 複数の金融機関が融資団を作るシンジケート・ローンを題材に、国際金融マンの哀愁を描いた良作。狩猟民族的で利益を追求する欧米系投資銀行と、農耕民族的で出世しか頭に無い本邦投資銀行、双方のプロコンを分け隔てなく描いているのに好感が持てる。

  • 国際経済小説の大型新人として注目を浴びた衝撃のデビュー作 “欲望と失意が渦巻く国際金融ビジネス。じり貧の大手都銀ロンドン支店次長の今西に、巨大融資案件が持ちかけられた。資金の使途は日系自動車会社のイラン工場建設。日・欧・アラブの銀行団を率いてディール獲得を目指す今西の前に、かつての同僚で米国投資銀行龍花(たつはな)が立ちはだかる。そこに世界を揺るがす敵対的買収(TOB)が。栄光の主幹事(トップ・レフト)の座を射止めるのは誰か!?”
     2000年、国際的視野を持った経済小説分野の大型新人として注目を浴び、「喉の渇きを覚えながら、一気に読了した」と高杉良氏に激賞された、衝撃のデビュー作です。

  • 国際金融の世界を覗き見るという好奇心は、相当程度満たす作品である。
    ドラマ風な要素の織り交ぜ方が素人肌であるが、全体を損なうほどではない。

  • ここから黒木亮にはまった

  • 『巨大投資銀行』には及ばない。今西と龍花という二人の対照的な人物を軸に話は進むが、処女作だけあって今西の人柄を上手く伝えておらず、巨大投資銀行の桂木のように感情移入がしづらい。結局高学歴エリートコースサラブレッドみたいな設定が焦点をぼかしているのだと思う。

    ただ、金よりも自分のやった仕事が社会に貢献していくことに仕事の目的をおくところは桂木も今西も変わらない。

    本作は人間ドラマもそこそこに、外銀に比べると腐ってる日本金融機関のディスリスペクトの面が強いように思う。

    最後の龍花の展開は予想外で少し悲しかった。

  • キャラの違いがよく出ていていい。
    タツハナの生き様の激しさは、なんとなくこちらもやる気にさせられた。
    経済知識があったらもっと面白いのだろうけど、それでなくとも楽しめる。一気に読んだ。

  • 銀行って怖いところなんだろうなとほんとうに思う。なんだかガツガツ働きたくなる本。時代的にはだいぶ昔な感じのリーマン前。

  • 著者の処女作で国際金融を舞台にしたお話。
    後の巨大投資銀行のベースになっているなと感じさせる作品。
    邦銀を目指す就職活動生に読んで欲しい。

  •  これは国際金融分野で活躍する2人の日本人を中心としたビジネス小説であるが、ロンドン・ニューヨーク・イスタンブール・アンカラ・ミラノ・テヘランなどを舞台とした国際的なスケールを持ちつつ、かつ対照的な2人の日本人主人公の葛藤を通じて、ビジネスとは何か、人生とは何かを考えさせてくれる秀作である。
     トップレフトとは国際協調融資の締結を記念してつくられるツームストーンと呼ばれる置物の左上に書かれる、融資団の主幹事行のことを指す。国際バンカーはこの地位を射止めようと、長くてタフな交渉を続ける。それを手がけているのが主人公の一人、富国銀行ロンドン支店次長(国際金融担当)今西哲夫である。彼はミスをおかしたくないだけの上司や、本店の評価だけを気にする支店長などの冷たい態度に憤りつつも、トルコ・トミタ自動車のイラン工場建設資金の国際協調融資組成のために粉骨砕身の努力をする。
     もう一人の主人公・龍花丈は富国銀行を辞め、今はアメリカの投資銀行でマネジングディレクターをしている。とにかく金儲けのためにはどんなことでもする冷徹な投資銀行マンである。この龍花が今西の協調融資をブロックしようと、あの手この手で障害を作り出す。息を呑むような攻防が続く。そして彼を待つ意外な結末…
     著者は三和銀行勤務中にカイロ・アメリカン大学に留学し、その後、ロンドンの証券会社に勤務、さらに三菱商事にも勤務したことがある経験があるので、それらの経験をベースに、日本やアメリカ、イギリス、欧州の銀行の歴史と内情や、トルコ・イランなどの中東事情などの描写は迫力があり、単にビジネスだけでなく、欧州や中東での生活の一端を垣間見るようで、乾いたビジネスの世界に潤いを与えていると言える。
     本書は国際銀行マンの仕事の現場や、国際金融の実態を知る上で貴重な仮想体験をさせてくれるだけでなく、日本的な組織運営とアメリカ的な利益至上主義のビジネス運営との対比を通じて、またあるべきビジネスマンの姿について二人の対照的な主人公を描くことによって読者に考える材料を与えてくれる点で優れた作品と言える。

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