シルクロードの滑走路 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 249
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043755035

作品紹介・あらすじ

東洋物産モスクワ駐在員・小川智は、キルギス共和国との航空機ファイナンス契約を試みるが、交渉は困難を極める。緊迫の国際ビジネスと、激動のユーラシアをたくましく生きる諸民族への共感を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 途上国レバノンに航空機をリースしようと模索する商社マンの物語。
    国際トレードビジネスにおいて商社が果たしている役割や、意義に関して考えさせられる。
    知識も、ネットワークも、ファイナンス能力も有さない途上国において、商社という第三者が信用と金とネットワークを供与する。この意義は想像していたよりも大きい。
    また、トレードビジネスに関しては、自ら投資という直接的な関与をしないため、トレードの当事者にとってはその意義が分かりにくく、交渉力も制限される。
    そのような条件のなかで、解を見出し最後まで遂行する商社マンとしての粘り強さを持たなければならない。

  • ○Overview
    某総合商社モスクワ支店勤務の主人公の視点から、キルギス国営会社マナス航空による航空機リース/購入仲介案件のリアルな描写が綴られた作品。作者が以前総合商社で関わった案件をベースに作られた日記的なフィクション。日誌を読んでいる感じ。

    航空機リースビジネスの具体的な案件内容及び取り進め、キルギス・中央アジア及び東欧について、クルド人を巡る歴史など学ぶことができる1冊。

    実際商社に勤めていて馴染みのある情報も多く、学生時代に読んだ時よりも場面を具体的に想像・咀嚼できた。案件取り進めの詳細が描かれた内容なので航空機ビジネスの部署にいる人が読んだら更に入り込めて面白いかも。自分が今後航空機事業に関わることになったら勉強として読み返してみようと思う一冊。航空機事業は航空機知識も去ることながらフィナンス・保険等金融関連の知見も求められる事業ビジネスだと学んだ。

    それにしても現地駐在をしてソーシングから案件実行・収益化まで自分主体で行うのは達成感がありそう。本社でやる仕事よりも規模感で劣る可能性はあるが、、こうした経験は早ければ早いほど良いはず。

    異国の地は自分が実際に行って自分の目で見てこそ価値があると再認識。1度も行ったことのない国の描写を文で読んでもイメージが湧きづらい。実際に行ってみた後に再度読んでみたい。

    今回はクルド人がテーマに上がっていたが、人種・宗教は必ず政治・経済イベントの背景にあるはず。これらを学ぶことでニュースの裏を読むことに長けていきたい。

  • バルジブラケットに次ぐ名作と思う。派手さはないがアンニュイな読後感が大変良い。自分が途上国勤務していたせいか途上国舞台だと感情移入しやすいのかもしれない。

  • キルギス共和国での旅客機調達に係る国際ビジネス経済小説。
    旧社会主義時代のマインドセットを多分に残すキルギス人役人の我儘や汚職に振り回される商社マンの物語。

    キルギスだけでなくトルコやロシアといった国々・地域の歴史や、それに基づく人々の思考や行動形態も鮮やかに描かれており、読んでいて全く飽きなかった。
    国際ビジネスに疎くても、黒木亮氏の各国・地域の記述を読んでいるだけでも十分面白いと思う。

  • ,経済小説"

  • 旧ソ連から独立した貧しい途上国キルギスタンの航空機買収プロジェクト。そのプロジェクトの競争を勝ち抜き、航空機販売契約を取りまとめることが、日本の商社マン、小川に与えられた任務だ。

    キルギスタン側にはカネもなければ、約束を守る誠意もない。代表者の考えることは、安く値切って、その一部をポケットに入れることだけ。そんな無責任団体を相手に小川は日本人らしい勤勉さとチームプレイで交渉に挑む。

    海外取引における専門用語を多く含むビジネス小説だが、ストーリー展開されるのは主人公小川の行動だけなので、読みやすい。2000年初頭のモーレツ日本商社マンと、無責任な賄賂政治が残る旧共産主義国家体質が対照的だ。

  • 海外ビジネスは難しいと、改めて実感。

  • 商社マンがキルギスの航空会社にボーイング737をリースするという航空機ファイナンスのお話。
    中央アジアの旧共産圏のタフさがよく分かるし、政治や歴史、宗教といった背景がリアルに描かれており、面白かった。

  • 商社マンがキルギスの航空会社にボーイング737をリースする案件をまとめ上げるまでの1年強を描く話。
    航空機ファイナンスの知識がつくし、中央アジアの旧共産圏のタフさがよく分かるし、政治や歴史の豊富な背景がふんだんに盛り込まれていて、かなり面白かった。
    それぞれの関係者の、国や故郷への執着が、端々に訴えられているところもこの作品の大きな特徴でもある。

  • 経済小説

    キルギスに航空機を納入するプロジェクトを行う日本人商社マンが主人公。旧共産主義圏国家の管理体制に悪戦苦闘しながら取引を完成していくというストーリーでした。

    経済小説な反面民族思想というような内容にも触れているので、スリリングな展開というより、他民族はそういう思考なのか。と、へーと思える箇所が多い印象

    個人的には可もなく不可もなしという感想

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著者プロフィール

1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社で23年あまり勤務し、2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。著書に『巨大投資銀行』『獅子のごとく』『法服の王国』『国家とハイエナ』『アパレル興亡』『冬の喝采』など。1988年から英国在住。

「2020年 『カラ売り屋、日本上陸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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