巨大投資銀行(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 795
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043755059

作品紹介・あらすじ

ウォール街での実績を買われた桂木は東京のM&Aチームに移り、多くの買収案件を成功に導く。一方、"伝説のトレーダー"ソロモンの竜神宗一は、金融工学を駆使して日本の証券市場に旋風を巻き起こす。バブル崩壊後、危険なデリバティブ商品が横行する中、米国投資銀行の幹部となった桂木は、一つの志を抱き、新たな世界へと転進する。世界金融の激変期を、圧倒的なリアリティと迫真の筆致で描ききった、俊英の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    上下巻合計1000ページの大作ですが、とても面白い。
    就活時代、投資銀行を受ける人の
    バイブル的な本となっていた本です。
    投資銀行の実情、日本のこれまでの歩みが詳細に記述されていて、
    とっても経済の勉強になります。

    一部、フィクション
    一部、実話の構成ですが、
    僕はあとがきを読むまで、
    どこまでがフィクションで、
    どこからが実話かがわかりませんでした(汗)
    また、細かいスキームなんかも
    完全理解とまではいかず。。
    べ、勉強不足ですね。。
    仕事柄、ある程度の理解も必要なので、
    これからしっかり勉強ですわ。

    外資の儲かればええやん主義は
    個人的にはあんまり好きじゃないんですが、
    にいいようにカモにされる日本企業も悲しいというか、
    自己責任というか…。
    情報やノウハウがなかったので、
    仕方ないとは言え、もっと研究してよー、
    見栄え気にしてる場合じゃないでしょ…って感じです。
    色々と考えさせられた本です。

  • 『巨大投資銀行』下巻はアンシャン=レジーム崩壊後の日本の金融業界に再び身を投じる桂木が描かれる。成功を享受しながらも恩師の「日本のために」という言葉が心の刺となっている様は、日本のみならず世界中の外資に勤める人々共通の姿なのかもしれない。桂木
    が山一や日産銀の部長らをやりこめる場面があるが、当時ならそこまで無知ではないだろうと思いつつ(コミットメントレターを知らないって、、)外資から見た内資はそれくらい稚拙だったのかもしれない。同じ日本人として優越感とともに忸怩たる想いを抱く出来事だろう。

    本作を読んで特に驚いたのは参考文献の多さだ。黒木氏が綿密に取材と調査をし事実に基づいて本作品を書き上げたかがわかる。但し小説としての出来はやや凡庸で、本旨と無関係なエピソードや小ネタが挟まれたり、及第点レベルなのは否めない(やまとFGの抗争劇は池井戸潤小説のようだが、その部分はノンフィクションという事実!)一方で日本金融経済史やディール教科書という側面で貴重な資料であり楽しむことができる。読中の血肉湧き踊る感覚を味わっていただきたい。

  • 参考書のようなものというのが納得な、金融業界の歴史が濃厚で、日本と世界の違いなど勉強になる。

    主人公が金融マンとして成長し、自分の歩んできた人生を模索していくところが良いですよねぇ。

    今も金融業界は迷走中ですよね。
    営業マンは頼りないし。
    でも、ネットで簡単に投資できちゃうから、一般庶民には有難い世の中になりました。

  • この間のバークレイズのLIBOR操作の件もありますし、外資を美化しすぎじゃないかとの疑問は消えません。

  • 感動した。金融の世界でこんな風に働いて、死んでいけたら・・・
    金融を目指す方には是非一読してみて下さい。
    もちろん、金融工学や細かな取引の内容はわからないけど、
    そんな事はおかまいなしです。
    もお読み始めたら止まりません。

  • 1人の人生を追う壮大な大河小説でした。
    自分の信念に則って懸命に働く姿がとても
    心に響いた。

  • 再読。

    スピリタスみたいなどぎつい蒸留酒をストレートで呷ったような『獅子がごとく』(下戸やけど)、甲子園を目指す球児のドキュメンタリーを見たような『トップレフト』に比べ、一回目の読後の印象があまり深くなかった本作。

    ところが2度目の今回、本作のもつ深い味わいに酔いしれてしまった。桂木を通じ、”熊の尻を噛み千切る気持ちで仕事に向かう”米国の金融業界と、減点主義・横並び主義の日本の金融業界の双方を、まるで自分事のように体験できる。そしてその物語を、強烈なカリスマ性のある竜神と、独特の感性を持つ藤崎がより豊かにしてくれる。

    きっと一度目に読んだときには、株式市場に対する知識が今より少なく、そのディテールを追うのが必死だったんだろうと思われる。

    しかし中米諸国の不良債権処理に辣腕を振るった”利助”は、初期の黒木作品には本当によく出てくるな。
    きっと実在の上司なんだと思われるが、黒木氏がこのモデルとなった人物を、結構好意的にみていることだけはわかる。

  • 上に感想を記載

  • 投資銀行に憧れる1冊

  • 桂木という都市銀行で働いていたバンカーが、投資銀行マンとしてのキャリアを踏んで、奮闘する話。結構好きな本です。

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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