19歳 一家四人惨殺犯の告白 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 345
レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043759019

作品紹介・あらすじ

92年、千葉県市川市でひと晩に一家四人が惨殺される事件が発生。現行犯で逮捕されたのは、19歳の少年だった。殺人を「鰻を捌くより簡単」と嘯くこの男は、どのようにして凶行へと走ったのか?暴力と憎悪に塗り込められた少年の生い立ち、事件までの行動と死刑確定までの道のりを、面会と書簡を通じて丹念に辿る著者。そこで見えた荒涼たる少年の心の闇とは…。人間存在の極北に迫った、衝撃の事件ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 1992年におきた市川一家4人殺人事件の犯人である当時19際の少年やその関係者からの聞き取り等をまとめ、事件と犯人や関係者の心情などをまとめたノンフィクション。
    内容を見るだけで気分が悪くなるくらい凄惨で恐ろしい事件だが、少年の当時の心情も普通では考えられない思考だが、少年なりに自己分析を行ったのだろうと感じた。自らが死刑を宣告されて初めて被害者の恐怖を知った、死ぬことは確定しており、目標もなくどうやって生きていけばよいのかという部分は、被害者や遺族からすれば怒りどころか言葉もないと思うが、とてもリアル。当然、人の命を奪っている以上、それも含めての罰であって、同情の余地もないのだが、感情としては理解できる。
    幼少期からの環境はよくはなかったが、最低というほどではないとすれば、結局本人の資質に大きな問題があるということなのだろう。それでも、環境が整ってさえいればここまでのことにはならなかったかもしれないと思うと、なんだかやるせない。
    Wikipediaによれば、平成29年時点でも死刑の執行はされていないとのこと。40代になった元少年は今何を考えているのだろう。

  • 92年、千葉県市川市でひと晩に一家四人が惨殺される事件が発生。現行犯で逮捕されたのは、19歳の少年だった。

    殺人を「鰻を捌くより簡単」と嘯くこの男は、どのようにして凶行へと走ったのか?
    暴力と憎悪に塗り込められた少年の生い立ち、事件までの行動と死刑確定までの道のりを、面会と書簡を通じて丹念に辿る著者。そこで見えた荒涼たる少年の心の闇とは…。

    この惨殺劇の中、生き残った少女がいる。
    成人した少女は「もう、事件のことは忘れました。でないと、前に進めませんから。(犯人が)どういう刑を受けようと、まったく関心がありません。でも(極刑は)当然だと思います」と凜とした声で語った。

    事件後十数年を経て、生き残った少女は結婚した。
    娘と幼い孫を失った祖母の「娘らの分まで、めげんで生きていきますったい」という言葉が尊い。

    人間存在の極北に迫った、衝撃の事件ノンフィクション。
    解説:重松清

  •  
    ── 永瀬 隼介《19歳 一家四人惨殺犯の告白 20040822 角川文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4043759010
     
     Nagase, Shunsuke 19600202 鹿児島 /ノンフィクション
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20171219
     実名 ~ 確定死刑囚122=124-2 ~
     
     関 光彦   死刑囚 19730130 東京 ‥‥ 20171219 44 /処刑/,Teruhiko
    /19920305(19)“市川一家4人殺害事件”19940808 東京地裁 19960702 東京高裁
    /20011203 最高裁/犯行当時少年の死刑確定は永山 則夫()以来。
     
    (20171219)
     

  • とりあえずぶっ壊れています、何故にこんな悪魔が宿ったのか。狂気の重量が凄まじく、著者自身もそうですが、読む側もヤられます。ただ、淘汰されてはいけない一冊だと思います。実話であることが何より悲しい。

  • ○むごい、凄惨な事件を起こした少年をどう分析すべきか
    1992年に起こった千葉県・市川一家4人殺人事件の一部始終が綴られているノンフィクション小説だ。
    1992年3月、前月にした強姦の相手である少女の家を訪れ、借金を返すため金を巻き上げたものの通報しようとした少女の祖母を絞殺し、帰宅した少女の母と当該少女をうつぶせにした挙句母を刺殺。保育園から保母に連れられ妹が帰宅した後食事を3人で摂り、仕事帰りで帰宅した父も刺殺。金を家や事務所から奪った後ホテルへ向かい強姦する。その後家に戻り泣きわめく妹を刺殺した。

    これだけ読んでも壮絶だ。しかし、筆者はそれが当時19歳の少年が起こした事件であり、その背景にどんなことがあったのかを、淡々と書き綴っている。それもまた壮絶だった。

    帯のアオリ文に"この事件の真相を知りたくなかった――。"とあるが、読後にそれほどのインパクトがあるわけではない。最初にネタバラシが行われるから。でも、この事件の凄惨さは言うまでもなくむごい。被害者やその家族にとって。読者にじわじわとこみ上げる何かがある。
    犯人は悪い。自らの苛々のはけ口として起こした強姦が、結果的にこの事件を引き起こしたということは本人も本書内の書簡で語っているが、その語り口にあまり反省の色を感じない。

    これだけ大きな、インパクトのある事件は、読者の想像をかきたてる。

    現実はむごい。これは犯人にとってもそうなのでは、と思わされる場面があった。それでもなお、あのとき○○さんが××していなければこんな事件は・・・と数度思わされた。事件を起こした少年の生い立ち、その両親や祖父との関係がどう影響したか。
    筆者が"自分の中に流れる血とか、親のせいにしてしまうのは、卑怯だと思いませんか。"と犯人に問いかけるシーンがある。本人にとっては「血は争えない」と感じていた場面があった。しかし筆者がこれを聞いたということはそういう側面もありうるかもしれない、と煽っているように感じる。

    人は常に利己的であり続ける。他己的であり続けるなどということはおそらく偽善だ。他己的である中に利己的な自分がいる場合が多いのではないか。それをどのようにコントロールできるかが重要なのではないか。

    被害者には一点の過ちもない、壮絶で悲惨なこの事件は、その裏にある真相を聞いたとしても死刑だという事実は感情的には覆らない。
    最高裁で死刑が言い渡されて、現在は再審請求されているという。

    では、このような事件が起こらないようにするためには?
    いい大人が増えていくしかない。そういう風にしかひとりごちることのできない私は、勉強が足りないだろうか。
    筆者はどんな思いでこの少年と向き合ったのだろう。途中本人が倒れるシーンもあるが、確定囚となった彼の動機を解き明かす十分すぎる内容だった。

    ただなんにせよ、読後感はよくない。何が正しくあるべきなのか、混乱さえする。

  • 平成29年6月25日読了

  • ヘビーでしたし、不消化というか。ここまで理解できない神経の持ち主っているのだなと思うと、街中歩くのも怖くなりました

  • 事件モチーフ作品と思ったらルポだった。私は、この事件のことはあまり知りませんでした。目を伏せたくなる
    残酷さ。全く救いがない。当時19歳の少年の生い立ちから殺人鬼が育って当然な環境。
    なんだろうこの嫌な気分と憤りは・・・。

  • 当事者も著者も読者も、すべてが救われない後味の悪いノンフィクション。だが、これがノンフィクションの醍醐味でもある。著者の力作に敬意を表したい。
    関光彦は未だ死刑執行されていない。冤罪の可能性のない死刑囚を税金で食べさせている意味はあるのか?

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