閃光 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043759026

作品紹介・あらすじ

玉川上水で男性の扼殺体が発見された。捜査陣に名乗りを上げた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた"三億円事件"との接点を見いだす。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた。昭和最大のミステリーに、緊密な文体と重層的なプロットで迫る!『19歳一家四人惨殺犯の告白』で読者を震撼させた著者がものした、犯罪小説の白眉。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった〜!でも、長かった〜!
    600ページにも及ぶ長編!活字も小さいし…これは老眼の影響か…(~_~;)
    戦後三大未解決事件とも言われる「三億円事件」を題材に。
    金銭的被害がないのもあり、被害金額2億9430万7500円の語呂から、「憎しみのない強盗」とも言われたみたい。
    でも、実は…
    警察の組織の論理が優先し、事件をうやむやにして、時効を迎えた事件。
    でも、それが、30年以上してから、また動き出す!
    ほんまの事件の事実と絡ませながら、上手くミステリーとして仕上がってるわ!
    警察組織って、ほんまに許せんな!って思えてくる。
    「嘘つきは泥棒の始まり」って言うけど、その泥棒を取り締まる方が、嘘ついたら、何の始まりになるの???
    ほんまに!o(`ω´ )o

  • 読み応えありました。本当に、真実はこんな風だったりと思えるくらいです。
    最後はちょっと悔しいかなぁ。

    • nikuさん
      おはようございます!
      読みましたよー!私も時間かかりました、ボリュームがすごい!最後まで読ませるのは素晴らしい筆力ですね。
      最後の、警察のお...
      おはようございます!
      読みましたよー!私も時間かかりました、ボリュームがすごい!最後まで読ませるのは素晴らしい筆力ですね。
      最後の、警察のお偉いさんがムカついて、なんか悔しくて感想もそこそこに寝ましたけども、一晩たったら落ち着いて、
      朝からまた別の警察小説を読んでます(^_^)
      2022/03/10
    • ultraman719さん
      おはようございます!

      まぁ、なんだかんだ言っても、警察小説面白いですしね。私も、まだまだ、手元にいっぱいあります(^_^;)
      今は、原田マ...
      おはようございます!

      まぁ、なんだかんだ言っても、警察小説面白いですしね。私も、まだまだ、手元にいっぱいあります(^_^;)
      今は、原田マハさん読んでます!
      2022/03/10
    • nikuさん
      小説に出てくる警察ってなんかなぁと、読んでいる時は思うんですが、やっぱり読みたくなりますねー(^_^)
      原田マハさんも好きです!
      小説に出てくる警察ってなんかなぁと、読んでいる時は思うんですが、やっぱり読みたくなりますねー(^_^)
      原田マハさんも好きです!
      2022/03/10
  • 「三億円事件」をベースにした警察小説。

    文庫としては分厚い部類に入りますが、ただ長いというのとはまた違う理由で、読み終えるまでに時間が掛かりました。

    玉川上水で、男性の扼殺体が発見されるところから始まる一冊。
    被害者の身元はすぐに判明し、特に珍しいものでもない事件と思われますが、定年を間近に控えた警視庁捜査一課のベテラン刑事・滝口は被害者の名前を聞くや否や、顔色を変え、自ら捜査本部へ名乗りをあげます。

    滝口とペアを組む所轄署の若手刑事・片桐は、自分を無視するかのような滝口の勝手な捜査に苛立ち、反感を覚えますが、途中滝口から殺人事件の被害者が三億円事件の容疑者の一人であり、また、滝口自身が三億円事件の捜査に当たっていたことを聞かされ、興味を覚えます。
    そして物語はその不良グループを付け狙った犯行が続く形で進行していきます。

    三億円事件は地元の不良グループによる犯行であり、また警察はその事実を把握していながら、事件の真相を闇に葬った―

    警察が事件の真相を隠蔽する理由は、少なくともフィクションの世界では一つしかなく、また、不良グループを狙う犯人も途中で分かってしまったので特に驚くような展開はありませんでしたが、主要登場人物が多いにも関わらず、一人一人の心理や環境を丁寧に且つ矛盾や過不足もほぼなく、描き上げる力はお見事。

    欲を言えば、終わり方が物足りませんでした。
    これだけ長々と力強く書き上げたのに、最後の最後で力尽きたのかしら?と思うような。少し肩透かしをくらった気分です。

    作品の中に、思わず応援したくなるような、肩入れしたくなるような魅力的な人物がいないのもこの作品の特徴でしょうか。

    筆者の語彙力の多さ?高さ?も、特徴のひとつ。
    知らない熟語が多かったのですが、それも不思議とこの作品の雰囲気にマッチしていましたね。

    もし三億円事件の真相がこの小説の通りだとしたら納得できませんし、現実社会においては矛盾があると思うので、満足度は普通です。

  • 昭和最大のミステリー、三億円事件をモチーフにしたサスペンス。
    600ページある作品だが、厚みさえ気にならないくらい、一気に読ませる。
    登場人物に多少くせがあるが、先を読ませない展開と、実際にあった事件に絡ませた巧妙なストーリーに、唖然とさせられた。面白い!

    • ノリさん
      はじめまして。mixiのミステリーコミュからきました“のり”です。「閃光」気になっていたので面白いと聞いて迷いはなくなりました!
      これから...
      はじめまして。mixiのミステリーコミュからきました“のり”です。「閃光」気になっていたので面白いと聞いて迷いはなくなりました!
      これからもよろしくお願いします♪
      2010/07/10
  • 骨太な小説だ。
    昭和史に残る大事件を背景に、様々な思惑や思想が入り混じる。
    後味は良くないが、読み応えはある。

  • ずっと読みたかったけど、字数に萎えてました。
    フィクションとはいえ、面白かった。
    塩野さんの罪の声もそうですが、昭和最大のミステリーに迫った作品読み応えありで好きです。
    しかし警察というのは身内を守る組織なんかなあ。

  • 過去10本に入る面白さ、3億円事件をここまでのストーリーにするのはすごい

  • 昭和の大事件であり未解決事件となった3億円事件を題材にした物語。なかなかの長編であるが飽きることなく最後まで読めた。緊迫感が漂い途中手に汗握って読んでいた。この事件のことを深く知らないし当然フィクションなのだが、最後はとても悲しく悔しい物語だなぁと感じた。

  • 先ずは・・・
    表紙がコワイ。


    真相はこうなんだ   

    と思わず鵜呑みにしちゃうくらいの仮説話でした。
    途中中だるみしたものの。。。長い長い・・・

    ひとつだけハッキリ思うことは、警察の隠蔽は実際のところたくさんあるのだろうな~と。

    三億円事件に限らずの話でしょうね。

    でも本当の真相を知りたい。

  • 「昭和事件史最大のミステリー」と言われている三億円事件をモチーフに書かれたフィクションのミステリー小説です。

    三億円事件については殆ど何も知らなかったのですが、ちょっと事件についての知識が欲しくて書店に出向いたところこの表紙を見かけ、ジャケ買いしました。(笑)

    多くの登場人物が、常に頭に血を上らせている、はらわたが煮えくり返っている、そんな印象を受けました。
    三億円事件犯行グループと、三十四年前に三億円事件捜査本部に配属されていた間もなく定年ベテラン窓際刑事とその相棒の血の気の多い若手刑事、犯行グループを一人また一人と殺害していく謎の連続殺人犯、皆がとにかくわき目も振らず「一点見つめ」で突っ走っている。
    そのバカさ加減に、体を流れる血が熱くなってくる感覚を覚えます。

    読み進めていくにつれて、息もつかせぬ展開に、最後まで興味深く読むことが出来ました。

    後書きの解説まで読ませていただいて、犠牲者の無かった、「キレイな事件」とも言われている三億円事件ですが、この小説を読んで「そんな訳が無い」とも思えるほどの驚愕の内容でした。

    1968年あたりは、きっと日本の所々が混沌としていたのでしょう。
    昭和が、アツイっす!!!

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著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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