クーデター (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (555ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043765041

感想・レビュー・書評

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  • まず、書かれている年が1998年であり、時の北朝鮮体制は金日成から金正日の頃の時代が背景である。当時の北朝鮮は現代のように核もICBMを始めとした中長距離ミサイルも持っていない時代であることを念頭に、もし当時の北朝鮮が南進を行うという想定で米国の反撃を最小限に行うために在日米軍基地の動きを止めるためにどのように動くかを想定、模倣し日本国内でクーデターを起こしたらが本書のはテーマである。
    本書が書かれた数年前にオウム真理教は、サリンという化学兵器によるテロを実行したけれど、ロシアにヘリコプターなどの武器を買い付けに行っており、本書の書いたストーリーがあながち空想の世界だけではないことを図らずも証明している。
    本書が上梓されてから20年経っており、日本の危機管理に対する考え方もさぞや強固なものになっているだろうと考えてしまうが、北朝鮮の核爆弾の小型化やらSLBMの射程と練度からみて攻撃されたら日本の国土と国民をしっかりと守る状況になっているのであろうか不安である。韓国が左傾化して北朝鮮に併呑されそうな状況であり、もはや38度線は自由経済社会と共産主義との対峙線ではなくなるかもしれない。
    令和の時代の元寇に備える必要があると思う。

  • 「朝倉恭介」Vs「川瀬雅彦」シリーズ第2段。
    日本の国防についてメッセージ性が強い物語です。

    朝倉恭介が出てくるかと思いきや、出演はありませんでした。
    ただ、朝倉恭介が起こした事件がちょっと紹介されており、かろうじてリンクが保たれている感じ。
    シリーズということで、朝倉が悪の主人公なら、川瀬は善の主人公になると勝手に思っていたので、川瀬は警察側の人間なのかと思っていたら、カメラマン(ジャーナリスト)でした。
    なので、ジャーナリストとの戦いになるんですね。

    それはさておき、本書のストーリは、表題のとおり、クーデターを企てるストーリ。その首謀者が新興宗教団体。
    その武装集団が織り成す攻撃にあたふた対応する日本政府といった構造です。
    新興宗教団体が企てるクーデター、テロというとあの事件を思い出します。
    なので、ある意味リアリティがある物語と感じました。

    麻生幾さんの「宣戦布告」や安生正さんの「ゼロの迎撃」同様、有事の際の自衛隊の課題、日本政府の課題を浮き彫りにします。やはり、国防について考えさせられる強いメッセージを含んでいる物語です。

    しかし、本書ではその事案が発生するまでが長い(笑)
    物語の後半まで引っ張られます。
    そして、その事案のクローズがまたあっけない。ちょっと尻すぼみ間があります。

    後半あれよあれよと手仕舞いになってしまい、そこはちょっと残念。

    ま、それはそれとして、とても楽しめた(?)物語でした。

    おりしも、沖縄問題や憲法の問題、中国軍艦の領海侵犯など、今そこにある危機が現実実を帯びています。さらには、アメリカ大統領選挙の行く末は?
    今まで見ようとしてこなかった問題に本気で取り組む必要があると強く感じます。

  • 日本人の平和ボケした危機感のなさと、政治に対する強い批判。リーダーシップがなく、目標と明確な期限が決められていないということ。国家に対する批判のような気がした。

  • スケールが大きい。と感じた。

    ロシア、アメリカ、能登、東京、、、
    色々な場面に飛びながらそれぞれがつながっていき、
    読みながらハラハラする。

    読後の余韻よりも、
    読中のドキドキを楽しむ本だと思った。

  • ・あらすじ
    日本人は頭ン中お花畑。意識低い。
    ・かんそう
    なんだこれ。なんの話?シリーズにしなくていいんじゃね。

  • 帯文:”「北」と日米韓が一触即発!!” ”日本が直面する現在進行形の危機” ”「朝倉恭介VS川瀬雅彦」シリーズ第2弾”

  • シリーズ物でなければ読みきれなかったかも。逆にシリーズ物だから、導入として読んでしまい、そのボリュームに辟易した感もある。
    朝倉恭介の敵となる川瀬雅彦の導入にあたる部分だが、スケール感の割にお粗末すぎる偶発的事故で物語が収束し、悲劇も喜劇になってしまった。
    これまでの楡周平の他の作品を読んで、原点に戻って読みなおしてしまっていて、主人公の挟持や登場人物の思惑などが空回りしているように感じてしまった。著者としては初期として、おそらくここまでスケールを広げて書いたのは初めてに近く、その意気込みと勢いは買うが、少し冗長になってしまったのは、時代が追い越してしまったのだろうと思う。
    当時としては、これほどの内容を昇華した小説は珍しいだろうし、内容自体は現代にも通じる。あまりにも今の小説が読みやすく、スピード感をもって書かれているのかがよく分かる。次の猛禽の宴は、また朝倉恭介が主人公なので読みやすさ重視のエンターテインメントものになっていると思われる。そういう意味では、川瀬雅彦の方は、あえてこの文体で書かれていると考えて読んだ方が良いのだろう。次のクラッシュに期待。

  • 日本海の北朝鮮領海付近でロシア船が爆発炎上。その動きを窺っていた米海軍原子力潜俳艦が巻き込まれ航行不能となった。漂流する原潜を挟み、「北」と日米韓の緊張が一挙に高まるなか、謎の武装集団が能登に上陸、機動隊を殲滅してしまった。報道カメラマン川瀬雅彦は現場に急行するが、折しも米国大使館と警視庁で同時爆破テロが勃発。これは戦争なのか!?日本を襲う未曾有の危機。「朝倉恭介VS川瀬雅彦」シリーズ第2弾。

  • 1997年の作品。
    日本海の北朝鮮領海付近で武器を積んだロシア船が爆発炎上。
    ある宗教団体によるクーデター、テロ行為。
    平和ボケしている日本への警告という意を含んだ作品とのことたが、現実に起こってもおかしくない設定。
    主役のカメラマン川瀬雅彦はいなくもいい感じ展開だった。
    (図書館)

  • ―――米原潜の頭上でロシア船が爆発。
    日本海沿岸の原発を謎の武装軍団が狙う。報道カメラマン川瀬雅彦は現場に急行するが、折しも米国大使館と警視庁で同時爆破テロが勃発。
    これは戦争なのか!?
    日本を襲う未曾有の危機。


    新年初読破
    ちょっと前に読んだ『Cの福音』と同じシリーズ
    といっても、主人公二人のうちの片方川瀬雅彦の導入に近いので
    これのみ読んでも完全に楽しめるよ

    お腹いっぱいになるほどの情報量と
    神の目線からのスピーディな展開で日本でおこるクーデターを描く

    ラストがちょっとあっさりしてたけど
    ハードボイルド好きな人なんかはぜひ

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著者プロフィール

楡 周平(にれ しゅうへい)
1957年生まれの作家。慶應義塾大学大学院修了。綿密な取材と圧倒的なスケールの作品で読者を魅了し続けている。米国企業在職中の1996年に発表した初の国際謀略小説『Cの福音』がベストセラーに。翌年から作家業に専念し、同作は「朝倉恭介」という人気シリーズになった。
主な著書にドラマ化された『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』(「有川崇」シリーズ)に『プラチナタウン』(「山崎鉄郎」シリーズ)、『再生巨流』、『ドッグファイト』、『和僑』、『レイク・クローバー』など。

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