お見世出し (角川ホラー文庫)

  • 角川書店 (2004年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784043769018

作品紹介・あらすじ

「お見世出し」とは花街で修業を積んできた少女が舞妓としてデビューするための儀式のこと。綾乃のお見世出しの日に、30年前に死んだ幸恵という少女の霊が現れて――。第11回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

みんなの感想まとめ

舞妓や芸の世界を舞台にした短編集で、京都の独特な風情と不気味さが融合しています。物語は、舞妓のデビュー儀式「お見世出し」を中心に、嫉妬や僻みといった人間の暗い感情が描かれ、霊や鬼といった存在が絡むこと...

感想・レビュー・書評

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  • 舞妓・芸の世界を舞台にした三つの怪談

    「お見世出し」
    2004年第11回日本ホラー小説大賞短編賞
    舞台は京都宮川町
    お見世出しとは、舞妓デビューのイベント。
    「小梅」という舞妓のお見世出しに
    彼女にとてもよく似た亡くなった芸妓も呼ぶことにしようとー。
    20年前の作品ですが、舞台と京言葉が
    もっと古い時代の風情を感じさせる。
    ホラー作品となると思いますが、
    やはりいつに時代でも恐ろしいのは
    嫉妬や僻み。

    「お化け」
    なんともストレートなタイトル。
    この作家さんを知らなかったのですが、
    どうも覆面さんで 公務員との二足のわらじ系作家さんみたいですね。
    得意分野が 祇園怪談的な京都出身のお方。
    こちらも 舞妓さん達が主体の怪談なのですが、貴船から来る鬼がテーマなんです。
    貴船といえば、源氏物語の賢木で六条御息所の参拝が思い出されます。
    京都に疎いので距離感とか土地感がわからないのですが、昔から多少怪談めいた話が残るのでしょうか。
    この話は、まあ怪談なのですが、ラストの舞妓の強さが魅力です。

    「呪扇」
    100年に一度、国の興亡に関わる時
    作る事が許される呪扇。
    怖い、痛い、悲しい、その作成方法。
    殺人でも倒錯でもない。
    呪扇を作るための行為は、神事めいた残酷さに貫かれている。あまりの痛ましさに、モチーフを探してみるも見つからず。これを作者が全て考えたのなら、立派な創作者。
    ホラーの部類なんだろうとは思うけど
    イメージが離れなくてざわつく。


    • おびのりさん
      ゆーきさん
      この表紙 手の後ろに顔があるんですよ
      やめて欲しいです
      ゆーきさん
      この表紙 手の後ろに顔があるんですよ
      やめて欲しいです
      2025/11/03
    • おびのりさん
      貴船は行きたいどすどす
      花街は8さんの後ろをついていきましょ!
      貴船は行きたいどすどす
      花街は8さんの後ろをついていきましょ!
      2025/11/03
    • Super8さん
      おひねりまきますよ〰(^_^;)
      おひねりまきますよ〰(^_^;)
      2025/11/03
  • 京都を舞台にした不気味な話の短編集。話の気持ち悪さもさることながら、舞妓さんや六道参りの話などが詳しくかかれていて勉強になる。両方とも決定的な言葉でオチは書かれていないが、それぞれそういう意味だろう。京扇子の話はあまりの惨さに戦いた。覚悟して読むべし。京扇子の話は本当に惨い。職人の残酷さというのか(その一言では表せないほど常軌を逸していた)、人間を人間と思ってないところがゾッとする。読了後の後味はあまりよくない。しばらく扇子は買いたくない。

  • 京都を舞台に繰り広げられる怖い話。その中でも『呪扇』は惨い話で結末にぞっとした。

  • ・お見世出し ★★★
    現実にありそうなゾクゾクするようなホラーかと思ったら途中から非現実的でちょっと残念。
    舞妓さんの言葉が読みにくい。

    ・お化け ★★★★
    芸者さんの言葉に慣れてきたぞ。
    前半は小母ちゃんの話で、後半は真奈ちゃんの話。
    鬼が出てきて少し置いてけぼり感はあったが、普段読まないジャンルなので少し新鮮。

    ・呪扇 ★★★★
    呪扇を作る過程がいい感じのグロさ!

  • お見世出し
    純怪談とでも言いたいような古典的で上品な短編。京言葉で語られる雅な世界観が一貫しており、雰囲気の良さに惹き込まれる。

    お化け
    こちらも同様に花柳界を舞台にしたもの。世界観や語り口の魅力は共通するが、ホラー関連の設定はやや唐突さを感じる。

    呪扇
    一転してホラーらしいスプラッタ。悪くはないが、せっかくなので品の良さをもっと大事にして欲しい。

    こんな昭和な小説書ける人は貴重。しかもホラー。他も読もう

  • 京都の花街。売れっ子の舞妓、小梅が自らのお見世出し(舞妓デビューを迎える晴れ舞台)にまつわる怪異を語る、第11回日本ホラー大賞(2004)短編賞の表題作他2編を収録した短編集。
    京言葉で綴られた雅な世界のどす黒い闇。

    ◎「お見世出し」
    京都の花街で舞妓見習いとして修業の日々を送る綾乃はある日の舞の稽古の折、師匠から"幸恵"という少女と間違えられる。茶屋の女将に問い質し、幸恵とは30年ほど前にお見世出しを前に自ら命を絶った少女で、同じ見習い時代の女将と親しかったこと、綾乃と瓜二つであったことを知って驚く。その後も様々な人から幸恵の面影を重ねられて心穏やかでない綾乃。程なくして綾乃自身のお見世出しの日が8月8日と決まるが、それに際し女将は綾乃にとんでもない頼み事をしてくるのだった―。
    導入部とラストは兼業作家である"私"の視点で描かれるが、殆んどが舞妓の語りで話が進む。綾乃が(幸恵と共に)お見世出しを迎える場面は異様ながらしんみりしたトーンで描かれるが、そこから急転回してクライマックスへと突入していく。ラストは「あぁ、やっぱり……」という厭な―ある意味で期待通りの読後感。

    ◎「お化け」
    大学卒業後に花街に飛び込み芸妓となった弥千華が語る、個性の強過ぎる人々に囲まれた茶屋「伝乃家」の奇妙な日常。節分に鬼除けのために行なう"お化け”と呼ぶ仮装行事の準備が進められる中―。
    美人で人気がありながら癇の強い春紅、霊感持ちの春雪らの先輩舞妓、異様な姿故屋根裏に住み姿を見せぬ先代女将の娘、何故か春紅に疎まれる見習いの真奈、さらには屋内の封印された井戸等々、主人公を取り巻くキャラや環境はどれもクセが強く、各々のエピソードも挿まれるため物語がどう展開していくのかという予想がどうにもつかない。ほんのり恐ろしくもドタバタな日々の記録と思いきや、ラストで"鬼"がその姿を現す。
    鬼は人の心に棲まう、ということか。

    ◎「呪扇」
    吉事や縁起物の表徴として作られる扇と、その吉の裏返しの凶の力を一手に負う“呪扇”。一世紀前の国難に際し、百年に一度だけ作られる大呪扇の作製を命じられた扇職人の運命―。
    前2編が花街の女性の話であるのに対し、本編は扇職人の老人が、先々代が手がけた世にも凄惨な呪いの扇とその顛末を語るというゴアな一編。流行りの言い回しなら“特級呪物”でも最悪のもの、というところか。呪扇製作の場面は確かにグロいのだが、大義名分のためとはいえ何の呵責もなく作業を進める職人一三の姿はさらに悍ましい。
    日本の近現代史とリンクさせたところも(不謹慎極まりないが)興味深い。読後にラスト1行と執筆時期との繋がりに気付いてまたゾッとさせられる。映像化はさすがに不可能だろうが、駕籠真太郎氏が漫画化したら面白いかも?なんて思ったり。

    ちなみに表題作の「お見世出し」は“おみせだし”と読むのだそう。

  • 2020/7/5

  • 3編からなる短編集。
    不気味な雰囲気を纏っていて、語り口調が何ともゾワっとする。
    ただ怖いのは好きだけど、痛いのは苦手。
    呪扇は痛いの連続で別の意味で鳥肌。

  • 『お見世出し』『お化け』『呪扇』の3篇からなる京都花街ホラーは思った以上に楽しめた。舞妓、芸妓、扇子職人がそれぞれの篇で淡々と恐怖譚を語るのだがパターンが一緒なのでやや面白味に欠ける。しかしそれ以上にはんなりとした京言葉や花街の世界観が魅力的で、その雰囲気にグッと引き込まれた。登場人物の悲しい過去の件でちょっとホロっと来たかと思えばラストで切れ味のある怖さで落とすパターンも気に入った。『呪扇』の残虐的な展開も予想外で、さらりと語る怖さが余韻を引く。

  • 舞妓が客相手に自分の過去を語る表題作「お見世出し」と、少し不思議な置屋で起こる恐ろしい事件を描いた「お化け」もほどよく怖くて面白かったが、中でも3作目の「呪扇」が一番の傑作だと思う。呪扇を作る描写が職人の淡々とした目線で語られるせいかたまらなく官能的。

  • 20150317

  • 短編三品。
    『お見世出し』:「ほほう」。
    『お化け』:「ふーん」。

    『呪扇』:「へ? う、うわあああああああやめてやめてやめてぎゃあああああああぁあああああああああああああああぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

  • 面白かった!
    私はそんなにぼっけえ、きょうてえ思い出さなかったけどなぁ。
    惜しい作品でしたねホラ大。

    最後の呪扇が私の大好きなエログロホラーで本当に面白かった!
    舞妓さんと京都とホラーという素敵な組み合わせの素敵なホラー小説でした。

  • 「芸妓さんと遊びたいなあ」
    ぼってえ、きょうてえとかぶってる感じした。
    ホラー大賞ってそういうの多い。

  • なんだか「呪扇」がものすごく心の残る。
    スプラッタなので感動した!とかではないんだけど……

  • こんなに面白くて怖い本に出会ったのは久しぶり。
    三篇とも堪能できるが、中でも「呪扇」が秀逸。

  • 舞妓さんに恐怖

  • ホラー小説大賞短篇賞受賞作品。
    京都の花街を舞台とした、和風ホラー。「怪談話」と言ったほうがしっくりくるかな。京ことばが妙に耳(目?)に馴染む感覚で、雰囲気にするすると浸りこめる。で、浸りこんだところでじわりと恐怖が……巧いなあ。しかしそのわりに高い評価を得られなかったのは、この上を行く過去の某作品の存在があったからだそうで……なるほど。連想しますね。
    ゆったりと静かな恐怖の表題作から、少し怪物的ホラーの要素を持つ「お化け」、そして凄惨な「呪扇」、というこの構成も見事。恐怖が加速する感じだなあ。

  • 40/100
    第十一回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作

    『ぼっけえ、きょうてえ』に表紙が似てるー

    内容はどうかというと、こちら京都花街の舞妓さんのお話。

    解説には『ぼっけえ、きょうてえ』を連想するということで大賞にならなかったと書いてました。

    たしかに、『ぼっけえ、きょうてえ』は超えてない、表紙もあっちの方が怖い(>_<)



    3つの短編で、後の2つのお話も京都を舞台にしている。

    最後の『呪扇』は振り切ってる感あり。

    村上龍の十八番に迫る勢いがある。

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