- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043777013
作品紹介・あらすじ
約束の場所に行ってもおらず、携帯に電話してもつながらない記者。撮影現場で目もあわせず、紹介されても挨拶もろくにできないヘア&メイク。無知無能な業界人へ怒りの町田節が炸裂する小説集!
感想・レビュー・書評
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題名に「実録」とあって、更にあとがきでもデフォルメされ、また解説の松尾スズキも「これはほとんど実話をアレンジしたものであろうと推測される。」と指摘している通り、作者≒主人公が出くわしたエンタメ業界に巣くい善人に群がる外道たちの記録ともとれる傑作短編小説集。表面上は穏やかだが心の内では怨讐を露わに呪詛をパンキッシュに叫び続けるようなその独特且つ滑らかな文体にひたすら読み進むことができ、爆笑。このシニカルなユーモアのセンスがたまらないし、とにかく正しく弱き善人である主人公≒作者はそのエネルギッシュさを失うことなくこれからも戦ってほしい。
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エッセイおもろい
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めちゃくちゃにヤバい人ばかり出てくるけど実世界にも冗談みたいにヤバい人って結構いるってことを知ってしまっているので笑っちゃう気持ち半分笑えない気持ち半分
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よくわからない。よくわからないけど町田さん。
地獄のボランティアの話は、オリンピックのボランティア募集の話を思い起こさせる。
マーチダさん。 -
自分も誰かに外道と言われているのかも知れない。外道感。
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町田康を読むのは久しぶり。
外道あるあるというか、居るいる。何処にも誰にも。
最後のしゅず子はいい気味だと思いつつも不気味なエンディング。仄暗い余韻を遺す。 -
やはり面白い、町田康。
1996年に作家デビュー、2000年に『きれぎれ』で芥川賞を獲った後の第一作目がこの『実録・外道の条件』である。
95年から98年まで、恐らく町田当人が出会い、体験したであろう外道にもたらされた混沌とした理不尽を、町田節でつらつらどどどと描いている。
何作か読み進めるうちに、町田康という人物像がみえてくる。
著作では自身のことをどうしようもない底辺のパンク歌手と嘲笑しているが、常識的で時間を厳守し、己の信念を強く持ちながらウィットに富んだ人なのであろうなぁと思われる。
そんな町田康を私利私欲やら不道徳、非常識な業界人は振り回す、その様をぐりぐりと綴っているのが、今作である。
読んでいると、どうしても笑けてしまう。ファクシミリの咆哮、あたりで腹が捩れてたまらなかった。
表紙の撮影がアラーキーで、とても格好いい。くわぁ。 -
基本、全ページに渡って"愚痴"なのだがオモロイ(笑) その目の付け所や、一般人の目線を保つ町田に対して"業界"という所の特殊さが浮き彫りで、その外道さに頭掻き掻き対処する自分は"下層エンターテイナー"であり、これまた外道だと見る客観性もオモロイ。それを表現するけったいな文章がまた最高!!
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なんですかね・・・。町田さん流の『すべらない話』的な物ですね。作者の小説を、読んだことが無い人がみたら、全く面白くもないでしょう。