実録・外道の条件 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.52
  • (45)
  • (76)
  • (166)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 622
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043777013

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • めちゃくちゃにヤバい人ばかり出てくるけど実世界にも冗談みたいにヤバい人って結構いるってことを知ってしまっているので笑っちゃう気持ち半分笑えない気持ち半分

  • よくわからない。よくわからないけど町田さん。
    地獄のボランティアの話は、オリンピックのボランティア募集の話を思い起こさせる。

    マーチダさん。

  • 自分も誰かに外道と言われているのかも知れない。外道感。

  • 町田康を読むのは久しぶり。
    外道あるあるというか、居るいる。何処にも誰にも。
    最後のしゅず子はいい気味だと思いつつも不気味なエンディング。仄暗い余韻を遺す。

  • これ、小説っていうか、実話体験エッセイよね?ホンマにあった話、町田さんが実際に経験しちゃったノンフィクションやろうなあ、きっと。

    という感じの、実話モノ、って言ったらいいんでしょうかね。でも、一応、小説の体裁。で、バッチバチおもろいです。

    全4編の短編集なのですが、それぞれ、1995年5月~1998年7月、まで、日付が付記してあるので、この時期に、町田さんは、こんなにとんでもねえ目にあってたんだなあ、とか思う次第ですね。ホンマに、ご本人にどれだけ大変だったのか、質問してみたいですね、うんうん。

    で、まあ、芸能界という世界には、とんでもねえ外道なかたがたが、たっくさんたっくさんいるんだろうなあ、とか思う次第なのですが、そんな外道な人にとっては、多分、外道その人・自分自身こそが正常で、町田さんの方が「融通きかんおもろないヤツ。ちゃんと仕事してくれないヤツ」っていうように、映っているのでしょうねえ。「悪いのは俺じゃない。相手だ。ぜってえ。それはもう間違いないぜ」という思い。それは、とてつもなく、怖いものなのだなあ。

    いやしかし、この世の中に、どれだけ沢山の人々が生きていることか。そんな世の中には、人間の数だけ真実があり、人間の数だけその人だけの価値観があるのだな。すっげえなあ、とか思いますね。なんだか、生きる勇気が湧いてくるのは、何故かしら。

    まあとにかく、この小説も、いつもの町田節炸裂の素晴らしい文体ですので、面白い事は間違いない。ホンマ、すっばらしい文章だよなあ。

    あと、町田さんの小説の登場人物、ものすっげえ適当な名前、っていいますか、普通、小説の登場人物にそんな名前つけませんでっしゃろ?っていうね、滅茶苦茶なネーミングセンスなのですが、小説の登場人物に、こんなハチャメチャな人名を名づける人って、町田さん以外知らないのですが、コレもある意味、町田さんの発明なんだろうか?だとしたら、ほんま、凄いお人やなあ、とね、思う次第です。

  • やはり面白い、町田康。
    1996年に作家デビュー、2000年に『きれぎれ』で芥川賞を獲った後の第一作目がこの『実録・外道の条件』である。
    95年から98年まで、恐らく町田当人が出会い、体験したであろう外道にもたらされた混沌とした理不尽を、町田節でつらつらどどどと描いている。

    何作か読み進めるうちに、町田康という人物像がみえてくる。
    著作では自身のことをどうしようもない底辺のパンク歌手と嘲笑しているが、常識的で時間を厳守し、己の信念を強く持ちながらウィットに富んだ人なのであろうなぁと思われる。


    そんな町田康を私利私欲やら不道徳、非常識な業界人は振り回す、その様をぐりぐりと綴っているのが、今作である。
    読んでいると、どうしても笑けてしまう。ファクシミリの咆哮、あたりで腹が捩れてたまらなかった。

    表紙の撮影がアラーキーで、とても格好いい。くわぁ。

  • 基本、全ページに渡って"愚痴"なのだがオモロイ(笑) その目の付け所や、一般人の目線を保つ町田に対して"業界"という所の特殊さが浮き彫りで、その外道さに頭掻き掻き対処する自分は"下層エンターテイナー"であり、これまた外道だと見る客観性もオモロイ。それを表現するけったいな文章がまた最高!!

  • なんですかね・・・。町田さん流の『すべらない話』的な物ですね。作者の小説を、読んだことが無い人がみたら、全く面白くもないでしょう。

  • 主人公の名前は「マーチダ・コー」
    職業はパンク歌手で作家。
    自伝的な小説なのか、「マーチダ・コー」は町田康なのか…
    っていう、主人公が作者本人と思わせるっていう小説のテクニックを知った思い出深い一冊。
    周りに振り回されてごたごたなってぐちゃぐちゃんなるお話。なんだかいつも収拾つかない。
    ところで表紙の町田康いけめんすぎ

  • さくさく読める。頭をからっぽにして笑いたいときに。

  • タイトルだけ見るとまるでヤクザものドキュメンタリーのようですが、一応小説(笑)。タイトル通り実話としか思えない、音楽(芸能)業界の、悪夢のようなトラブルものが三編。傍迷惑な登場人物が多々登場して、駄目人間なわりに常識人の作者(主人公)を困らせる話ばかりなんですが、なんというかこの、実話っぽさも含め、業界は違えどもどこの世界にもいる理解不可能な人種の描き方のリアルな鬱陶しさに本気でイライラさせられます。松尾スズキの解説も面白かった。

  • 半分ノンフィクション,半分フィクションみたいな文章。おもしろかった。解せぬ解せぬ!って言いたくなるイライラ感。解せる。

  • パンク歌手マーチダ・コーが見舞われた、業界外道どもとの齟齬の数々を活写した、短編小説。

    フィクション。だったらいいな。であってほしいな。じゃないと怖すぎるものな。でも、嗚呼、多分半分以上実話なんだろうな。と、次から次に巻き起こる食い違いすれ違いコミュニケーション不全の嵐に戦慄。
    松尾スズキが解説にて「ぬる~い悪夢」と表現しているのが言いえて妙。

    自分の芸術的センスに自家中毒を起こしているとしか思えないアーティスト外道や、誇大妄想にどっぷり浸かってもはや現実が見えなくなっているプロデューサー外道などなど、とにかく芸能界とは恐ろしい所だべ。んだんだ。

    「地獄のボランティア」における「ボランティア」考には大変に考えさせられた。いるよね、こういうボランティア。

  • 『しかしながらみんながみんなエンターテイナーになってしまっては国が立ちゆかないので、子供には家庭で学校で、アリとキリギリスの話をするなどして、ともすればエンターテイナーを目指そうとする子供に、そういう面白おかしい生活は人間としてはおろか、昆虫としても間違っているのだ、という教育を施し、一丸となって、子供のエンターテイナー化を防止してきたのだけれども、それがこのところおかしくなってきた。』

    『確かに木原の話は魅力的である。がんがん宣伝をやってがんがんCDが売れれば、収入もがんがん、みんながんがん、わたしもがんがん、人生が明るく豊かになるに違いないのだけれども、ひとつ問題があるとすれば、木原の話にはなんの裏付けもない、ということである。』

    『わたしは、出演料、印税、原稿料などによって生計を立てている。そしてそれらはときに、健康で文化的な最低限の生活を営むために必要な額を下回っていた。』

    『現場に通ったわたしは、どういうわけか顔面を真っ黒に塗られ、結局のところヒーローが救助に現れたため未遂に終わるのであるが、ヒロインをマンションの一室に連れ込んでレイプに及んだ挙げ句、その一部始終をビデオに撮影してこれを売り捌かんとする悪漢の役を誠実かつ真摯に演じたのである。』

    『すなわち、人間、土下座さえしていればおのずと道は開ける、という様田の乞食哲学は完全に破綻、蹉跌を来したわけである。』

    『僕はそういう立場にない、と説明したが、しかし、土下座が生き甲斐の様田は聞く耳を持たない。彼女はこの世に土下座が嫌いな人が居るということに思い至らぬのである。』

    『それからまた一週間。月曜日はししゃも食って火曜日は眼鏡を失くして水曜日はたにし採って木曜日は根津権現にお参りをして金曜日は靴下の片方がねぇじゃねぇか、と言って大暴れ、自暴自棄になって外出を取りやめ、大酒を飲んで、土曜日は二日酔。』

    『なんだか荒涼として貧寒として、木やなんかも赤茶けてたり、白っぽかったりして元気なく、その配置もまた、戦場に拵えた公園のように味気がなく、風情がなく、ものの五分もいたら気持ちがささくれ立って自殺したくなりそうな公園なのである。』

    『おおっ、とどよめきのような感嘆の声をあげ、そうなんですか。ちっとも知りませんでした。蒙を啓かれた思いです。積年の疑問が氷解しました。目から鱗が落ちました。ぼーん。と、これは鱗が落ちた音です、といった反応を期待していたのだろうか』

    『この茶淹れ機たるや、スイッチを入れた途端、がしゅっ、がるるるるるるる、がじゅがゅがしゅ、ぎゃああああああ、という野獣の咆哮のごとき大音響を発し、初めてスイッチを入れたとき私は、てっきり機械が故障したものだと思いこみ、終始狼狽のあまり、軽く踊ったくらいである。』

    『死のうと思った。こんなところでこんなつまらない品書きを眺めしゅず子ずれと食事をしているような腐った人生を生きるなら死んだ方がましだ。俺はムール貝を注文した。ムール貝などといって気取っているが、この店のこと、必ずやいい加減な、おそらく目と鼻の先の川でガタロが鉄屑と一緒にさらえてきた、訳の分からぬ毒に汚染された、それも一ヶ月くらい前の貝に違いないと確信、その貝の毒にあたって死んでやろうと決意したからである。』

    『僕の死骸はごみ焼却場で紙屑と一緒に焼いて遺灰をリスの躰に塗りつけて下さい。』

  • ブックナビ、1月の夜ナビに参加しました。月曜にもかかわらず、12名が参加。ほどよい人数で、「2011年ベスト本」について語り合いました。私のテーブルでは健康本で盛り上がりました。仕事や読書などの趣味を楽しむためにも、健康第一ですね。

  • マチーダさん、お疲れ様です。。。
    労いの言葉をかけてあげたくなります。とっても。

    渇いた笑いでハハハ、
    そしてパタンと本を閉じたくなる衝動はなんとやら。
    大人の世界の困ったちゃんは困ったモンです。。
    そんな人たちと出会ってしまったマチーダさんのお話。

  • エッセイに対する関心が増えた本です

  • この本、けっこう好きで再購入してしまった。過去に迷惑をかけられた個性的すぎる人物達の事を書いたほとんどエッセイのような本だ。デフォルメされているけど、こういう人っているよなと、面白い。また、この著者には珍しく、人間性や性格が垣間見える感じも面白い。わりと偏屈な人とお見受けした。

  • 筆者が心から憤っているからこそ、笑えてしまう。ボランティアの話は可哀想の一言(笑)

  • 実話に基づくようなのだが、出てくる人たちの仮名が常軌を逸していて笑える。装丁、男前だなあ、つくづく。

全57件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1962年生まれ、大阪府堺市出身。バンド「INU」のボーカリストとして活動する一方、俳優、詩人としても活躍。1996年「くっすん大黒」で小説家デビューし、第7回bunkamuraドゥマゴ文学賞、第19回野間文芸新人賞を同時受賞。2000年「きれぎれ」で第123回芥川賞を受賞以降は、作家としての活動にほぼ専心している。
その他受賞歴として、2001年『土間の四十八滝』で第9回萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で第28回川端康成文学賞、2005年に『告白』で第41回谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で第61回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
上記文芸作が代表作として評価を得る一方、映画化された『パンク侍、斬られて候』など、メディア化作品が多い。エッセイストとしても定評があり、『猫にかまけて』『スピンク日記』などが人気。

町田康の作品

実録・外道の条件 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする