呼吸入門 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 365
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043786039

作品紹介・あらすじ

日本人は呼吸に関して固有のスタイルと文化をもっていたが、それが急速に失われつつある。ここで見直さなくては、日本人の優れた呼吸の仕方は完全に廃れてしまう。齋藤流身体論を集大成する”呼吸”指南。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の「呼吸」についてじっくり考えてみたことのある人は多くないだろう。
    その呼吸の大切さについて教えてくれるのがこの本である。

    たとえば「呼吸を合わせる」とか「呼吸をはかる」というと比喩的な表現に聞こえるが、意外にそうでもないようだ。

    古来、日本人の中には常に呼吸に対する鋭い感受性があった。剣道や弓道、能などの芸能、書道・茶道。もっと卑近に、ふだんの立ち居振る舞いや着物の着こなしひとつでもいい。その中にはなにか共通した一つの芯があるように思うが、それをつきつめれば息の力に行き当たる。

    ぐっ、と息をつめれば緊張感が高まり、すっ、と吐くと逆のことが起こる。西洋医学的には交感神経がどうの、副交感神経が何のという話になるのだろうが、そのはたらきを能動的にコントロールすることで、さまざまな力が生まれる。

    現代日本人が呼吸をあまり意識していないとすれば、ひいては呼吸を合わせたり、はかったりという人間関係や社会の機微も疎かにしていると言えないか。

    上っつらをなぞったがごとき西洋的な文化生活の模倣、せわしなく、ものごとをあまり深く考えない日常、根なし草のようにあっちへよろめき、こっちへなびきという世論。

    ここでまた、日本のポテンシャルの危機を思い起こしてしまう。

    なにかとイヤなことの多い昨今。この本に倣って、一度大きな呼吸をしてみたらいいのかも知れない。

  • ストレスで参ってた時に上司に薦められた本。

    日本には古くより優れた呼吸法というのがあり、知らず知らずに日本人に身についていた。
    しかし、明治維新を境に欧米文化が取り込まれ、いつしかそれも失われつつあった。
    かつての呼吸法を今一度見つめ直し、自分に取り入れたらどうかと、問いかけてくれた本。

    呼吸というのは全ての活動に通じるものがある。趣味でダイビングやジャズサックスをするが、肝は呼吸。呼吸の奥深さが楽しめる。

  •  本書のメソッドは「三・二・十五」(三秒吸って、二秒止め、十五秒で吐く)という呼吸法、これだけです。
     後は呼吸というのがいかにスゴイかについて補足的説明や背景知識などが色々書かれています。

     …薄すぎる?
     でも、この薄さには理由があるんです。

     そもそもビジネス本や自己啓発本って、役に立つテクが書かれすぎています。そうすると人間、妙な貧乏性で一度に全部を実践しようとし、破綻・挫折します。
     これは本という媒体でメソッドを伝達しようとする際の限界です。

     だから、特に入門段階では簡単ですぐに実践できるこのくらいの量でいいんです。
     が、そうすると大人というのは簡単に理解できるからという理由で、今度は内容を軽視したり「薄い」と馬鹿にしたりします。

     この辺が「メソッド本」のジレンマなのかなぁ、と思います。そして、以上の意味において本書は入門書としてはかなり良い出来だと思うのですが、いかがでしょうか?(詳細はhttp://ow.ly/5Wwj1をお読み下さい)

  • 効果てきめんでびっくり!!
    実践して3週間後位だろうか、就職面接で人格を否定するような事を言われ、帰り道、怒りに震えると思いきや、力が抜け怒りの感情すら湧かなかった時には、この呼吸法のおかげと思った。
    ただ最近はその効果も薄れてきてるように感じる。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    日本人は、心身を安定させる技としての息の仕方を忘れ、キレやすい身体になってしまった。今こそ、日本人の優れた呼吸の仕方を蘇らせよう。丹田呼吸法、禅の瞑想といった高度な技、数千年の叡智を、誰にでもできるシンプルな「型」に凝縮した齋藤式呼吸法を実践することで、精神が安定し、集中力が増し、疲れにくくなる。呼吸を通じて日本文化の真髄に迫る、齋藤身体論の集大成、感動の名著、ついに文庫化。

    第1話 なぜ「息」を考えるのか
    第2話 呼吸法とは何か
    第3話 息と心の関係
    第4話 日本は息の文化だった
    第5話 教育の基盤は息である
    第6話 危険な呼吸法・安全な呼吸法
    第7話 息を感じて生きる

  • 時間があれば

  • 呼吸、息について身体論を展開している。横断的に知が動員されていて説明が平明でわかりやすい。内容についても、東洋的感覚を現代的な感覚で無理ないように取り入れてありいいと思う。大切だとは思いつつおざなりになりがちな身体感覚について、今一度見つめなおす入門にとてもいいと思う。なにを工夫するにしても、一度、頭にいれとくといい話が詰まっている。

  • 「三・二・十五」の呼吸法、ハミング、シェイキングといった具体的実践法が参考になる。読みながら試す中で、気持ちが落ち着くのを実感できた。呼吸に関する蘊蓄も、共感できる部分が多い。

  • 【2015年交換会】息はひとつの文化である。体のぶれをなくすなど、自らの呼吸とともに歩む、呼吸の重要さが書かれています。Marpleさんからの贈り物です。ありがとうございました。

  • 呼吸について興味があったが、深く考えることは無かった。しかし、この書籍を読んで「呼吸」の大切さや奥深さを知ることになった。
    「3秒吸って、2秒溜めて、15秒吐く」このシンプルな型で、人生さえも変えてしまいそうだ。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に、『だれでも書ける最高の読書感想文』『三色ボールペンで読む日本語』『呼吸入門』(以上、角川文庫)、『語彙力こそが教養である』『上機嫌の作法』『三色ボールペン情報活用術』(以上、角川新書)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)『『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)など多数。

「2022年 『すごいほめ言葉 相手との距離がぐっと縮まる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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