楽園のつくりかた (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 982
感想 : 136
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043790012

感想・レビュー・書評

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  • 笹生さんの作品で、『ぼくは悪党になりたい』があるんだけれど、昔タイトルに惹かれて読んだなぁと懐かしくなった。
    いい人で優しい人で生きてきて、悪党になってみたいなぁという願望もあったりした。
    こうして若いときの気持ちを思い起こさせる作品もたまにはいいね。

  • 都会育ちで難関校進学を目指す少年が、家庭の都合で父親の田舎に引っ越し&転校をすることに。
    ボケの始まっている父方の祖父や個性豊かな同級生との新生活、あきらめきれない将来の夢。

    いわゆる「田舎での生活」と「都会暮らし」のギャップ、田舎に住む人たちの優しさに触れて主人公の少年の心情に変化が。…というのを描きたいんだろうなー、と思いながらも、なんだか色んな要素が中途半端かなー、と。
    分校の同級生3人がなんだかんだ良い子たち。

    結構現代っ子な物言いをする様子で描かれている主人公が抱えている葛藤みたいなものが後半で見えてくると、今の子供って大変なんだなあとしみじみ感じてしまう。

  • 三人のクラスメイトがいい。悩んで傷付いた分優しくあたたかい。主人公も悩んで傷付いた分優しくなれるといいな。

    • kuroayameさん
      以前読んだ作品がレビューに登場していたのでとても嬉しかったです♪。
      色々悩みながら成長する過程が好きで、笹尾陽子さんの表現する学生像に魅力...
      以前読んだ作品がレビューに登場していたのでとても嬉しかったです♪。
      色々悩みながら成長する過程が好きで、笹尾陽子さんの表現する学生像に魅力を感じている私です♪。
      素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございました★。
      2012/12/09
  • 小さな読書仲間が貸してくれた本。
    森絵都さんの『カラフル』を思い出した。

    読んでいると、痛いなぁと思うこと続出。かつての私にもこんなところがあったんだろうなぁと思うから、余計にイタタ…と感じるのでしょう。でも、少しずつ少しずつ変わり成長していく。その余白はやはり中学生。この物語の続きがあったら・・・といろいろ考える。

  • だまされた。いい意味で。

    切なくなったり悲しくなったり、
    驚いたり笑えたりした。

    残念なのは、できることなら、
    中学生の時とかに読みたかった。

  • sc

    うーん、なんか設定が微妙

  •  なるほど青春。
     都会の秀才、バリバリ勉強していい会社入って人生を謳歌することを夢見る少年がいきなり田舎暮らし?!冗談じゃないと反発をしていたけれども、だんだんと周りの同級生や祖父の影響で考えが変わっていく……。
     視野が狭すぎるんだよなあ~と思いながらも、徐々に環境を受け入れ(ざるを得ず)、考えが(微々たるものであるけれど)少しずつ変わっていくのは、思春期だなと。
     田舎だからってわけではないけれど、このまま都内で受験戦争コースを行っていたら、得られなかったものは確かにある。自分にとって都合の良い時に友達と思い、自分よりも勉強しない、イナカモノは下に見る。そのまま大人にならなくて良かったと思う。視野がもっと広がっていくことを願うばかり。

  • 途中予想外の展開があって楽しかった。
    真面目でどこか大人っぽさがある男子中学生の、大人になりきれないところに親近感がわきました。

  • 私立エリート中学2年生、星野優(ほしのすぐる)は、ある日母から父親の田舎(しかもド田舎)に引っ越すことを告げられる。ド田舎で独りで暮らす父親の父、つまり優の祖父が少しおかしくなっているから~ということも理由のひとつだという母の言葉。父(博史)はシンガポールに単身赴任中だ。
    転校先は村の分校で、三人の同級生(バカ丸出しのサル男、前髪とマスクで顔がみえない根暗女子、美少女のような男子)にはいずれもまともとは思えない。優は、シンガポールの父親にメールで現状を訴えるが、父からの返信に望みがないとわかると、この田舎から脱出すべく、策を練るが・・・真実は意外なところにあった。

    とにかく、読みやすいのは、中学生男子優の言葉で、つづられているからだろう。私立エリート校に通う、競争世界に生きてきた中2男子の思考そのまま。ただ、彼は自分のしたいことを実行するための状況分析力に優れている。しかし、それでも子どもは子ども。

    星野優(ほしのすぐる)
    父博史

    祖父

    杉本先生
    山中
    一ノ瀬ヒカル
    宮下まゆ

    P20「こんな田舎に慣れてどうするの」
    「そういう態度がよくないの。住めば都というじゃない」
    「都落ち、ともいうけどね。おかあさん、知ってる?ユートピアって、どこにもない場所のことなんだって。トマス=モアとかいうおっさんが十六世紀のはじめに書いた小説の題名に、この言葉を使ったらしいんだ。夢の楽園はあくあまでも人の想像上の産物で、現実界に存在しない。どこにもないから楽園なわけ」

  • エリート中学生が突然 父親の実家それもド田舎に引越し。人生の計画を立て、勉強まっしぐらだった彼が、田舎の分校に編入。エリートコースに進むことだけを夢見て自分の殻に閉じこもる都会の中学生と、それぞれの事情を抱えながらも人にやさしく接することのできる山村の中学生。
    今の教育・子供たちを見守る社会の目といったものについて、少しだけ考えさせられるような気がした。
    都会の中学生が田舎に来た理由が、実は・・・というところも、それまでの流れを大きく変える、転換点にうまく使われていたと思う。

著者プロフィール

東京都生まれ。慶應義塾大学文学部人間科学専攻卒業。1995年『ジャンボジェットの飛ぶ街で』が講談社児童文学新人賞佳作となる。1996年『ぼくらのサイテーの夏』でデビュー。同作品で第30回日本児童文学者協会新人賞、第26回児童文芸新人賞を受賞。2003年『楽園のつくりかた』で第50回産経児童出版文化賞を受賞。その他の著作に『世界がぼくを笑っても』『バラ色の怪物』などがある。

「2015年 『楽園のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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