アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 661
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043791019

作品紹介・あらすじ

ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。シューマン、バッハ、そしてサティ。誰もが胸の奥に隠しもつ、やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃のキラキラした雰囲気と素敵な音楽に囲まれた小説。
    「彼女のアリア」がとても好き。

  • 音楽をテーマにした3篇から成る短編集。
    主人公は中学生の男女で、多感な年頃のいわゆる「ほろ苦い」「甘酸っぱい」ストーリーが描かれている。

    情景や心理描写が細かい割にするすると読みやすく、登場人物の感情がすんなりと入ってくる。どの作品にも基本的に悪人がおらず、彼らの不器用さゆえのすれ違いに、思わず共感する。主人公は中学生だけれど、誰も悪くないのに不器用ゆえにすれ違ってしまうのは大人でもよくある事だなぁと自分の過去を振り返り反省したりもした。

    全200ページほどの短い本なので、読み慣れていない人にもオススメです。
    色々とすれ違いや勘違いが多く、誰も悪くないのに苛立つ人が多い昨今なので、これを読んで優しく穏やかな気持ちになってほしい。

  • クラシック音楽をテーマに、中学生たちの心の機微を描く短編集。

    読書対象は確かに小・中学生なのだけど、大人になった今読んでみて思うのは、理解していないことも財産であるということを気がつかせられる。

    自分は大人なので、読んでいながら、ああすればいいのに、こうすればいいのにといろいろ思いながら、むずむずしながらもどかしく読んでいるのだけど、途中からそれができないこと、どうすればいいのかわからないこと、そんな気持ちはその時しか味わえない、それは素敵なことだなぁと読み終わって思い知らされる。

    何か大きな動きや、どんでん返し的なものがあるわけではなく、中学生たちのそれほど変わらない日常が描かれているだけだけど、だからこそ余計感じるものがあったのかなぁとも思う。

    これ大人になった人に読んでもらってその方達の感想も聞いてみたいなぁ。

  • 再読
    中学生の普段の生活を少し切り取って見せてくれるような短編集。youtubeでそれぞれテーマの曲を聴きながら読んだ。便利な時代だなあ。ほっこり優しさに包まれたような読後感。角田光代さんの解説も含めて全てすきです。

    『子供は眠る』…子供の情景
    『彼女のアリア』…ゴルドベルク変奏曲
    『アーモンド入りチョコレートのワルツ』…金の粉、アーモンド入りチョコレートのワルツ

  • 私も、そうだった。
    知らずに誰かを傷つけ、見栄から小さな嘘をつき、変化を怖れて嘆いた。
    ちょっと苦い気持ちを追憶しながら読んだら、鼻の奥がツンとした。
    その苦さすら、「いいんだよ」と言われたみたいだった。

    角田光代さんの解説があまりにも印象的で、心に残っている。
    否定するより、肯定するほうがずっと難しい。
    世の中は、きれいなことばかりじゃないから。
    ありのままを受け入れるやさしさと、向かっていく強さを、持とうと思った。

  • YouTubeでその曲を聴きながら読めるので、便利。

    • やまさん
      文海胡さん
      おはようございます!
      やま
      文海胡さん
      おはようございます!
      やま
      2019/11/10
  • すごく好きだなぁと思った。
    そして、すごいなぁって。すごく好きだなぁ。

  • 森さんらしいと思う。ただ、短編、中編で、主人公が中学生のというところで入りきれなかったかな。もう少し森さんの文章を楽しみたかったんだけど集中できなかった。気が向いたら、良さそうな表題作を再読しようと思います。

  • あれ、森絵都って、これがはじめてかも?
    わたしのなかでは、高学年向け児童書の人というイメージです。
    三篇のお話。 自分の立ち位置を自覚始めた頃の、あの感覚を思い出しました。

  • 13~15歳。中学時代のきらめく季節。シューマン、バッハ、サティ、三つのピアノ曲をテーマにした短編集。

    「子どもは眠る」
    毎年、少年たちだけで過ごす海辺の別荘での夏休み。でも、その夏はいつもの夏とちがっていた。少年たちの葛藤と成長。大人になること。別れ。

    「彼女のアリア」
    不眠症に悩む主人公が偶然、旧校舎で出会った少女。彼女は自分も不眠症に悩まされているという。2人は毎日旧校舎の音楽室で語らう。嘘と本当。恋。

    「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
    ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさん。そのせいでピアノ教室は大変なことになるが…。好きになること、成長すること、無邪気さ、楽しむこと。

    どの話も、心が暖かく、優しくなる。自分が、小さなことに悩んで止まって突っぱねていた中学生時代に戻ったような錯覚に陥る。

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著者プロフィール

森 絵都(もり えと)
1968年、東京都生まれの小説家、翻訳家。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞し、同作は2008年に映画化もされた。2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で、第135回直木賞を受賞。
その後も活躍を続けており、2017年『みかづき』で第12回中央公論文芸賞を受賞、2017年本屋大賞2位。同作は2019年にNHKでドラマ化された。それ以外にも、多数の文学賞を受賞している。

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