無花果日誌 (角川文庫)

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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043794010

感想・レビュー・書評

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  • 十代の世界は狭い。しかし、世界なんてものは、そもそもがある程度は狭い方がいいのかもしれない。狭く深く。そのほうが、惑わされずに疑うことが出来る。「広い世界を知れ」なんて、それがさもいいことのように喧伝されるけれど、その結果、処理しきれなくなって、ぜんぶ世界に丸投げにしてしまう人には、正直なところ、辟易する。抱えきれない荷物に潰されて、さあどうだ、重いんだぞ、と息巻く大人の滑稽さを、「だったらその荷物、降ろしたらどうです?」と言ってしまえる。それが疑問というものだし、案外、核心だったりするのだ。
    ポップな文体の青春小説だなあ、と思って読んでいると、いつの間にか、そんなふうなことを考えさせられている。意識が文章の外側に行く、と言うのを基本的には好まない私だが、そこが気にならなかったと言うのが面白い。おかげで、文章量以上に内容があるような気にさせられた。解説に、「トム・ソーヤの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」を思い出す、とあった。なるほど。青春小説かくあるべし、という作品である。

  •  青春爆走している女の子の手記。
     女の子ってすげえなあ…と思わされました。「下劣」な地元の「オジサン」どもへの軽蔑やぴーぴー騒ぐ同級の女子たちへの冷たい視線や高邁な宗教者としてしか生徒に接することのできないマ・スールたちへの憎悪と、そんなネガティヴな感情を抱く自分への失望を両方抱えられる、少女という年代。
     読んでいるうちに、虚構と現実がないまぜになった不思議な浮遊感を感じました。地元なので。

  • 母親を亡くした青果商の娘、桐子はカトリック系お嬢様学校に通う17歳。周りを醒めた目で見、母親の入院した病室で隣だった加代子さんの息子で1歳年上の郁クンの事が好き。17歳の夏休み、いざロストバージンをと意気込むがうまくいかず。秋には同級生の自殺があり宗教について、教育について考え、キリスト者への不信を露わにし、中学の時の親友は出産し、といった17歳まっしぐらの女の子の5月から元旦までの赤裸々な内情を綴った日々。とにかく桐子が可愛くて。自分にもあった17歳当時の事を考えてみたりした。ロストバージンの後の生理痛は大変だ、なんて記憶はないというか遙か霧の彼方で、これが年を取りおばさんになる事かとしんみり。

  • 塩竈などを舞台とした作品です。

  • 「日誌」とタイトルにもあるが、そんな簡潔な言葉で括られるのも憚られる位、過剰なまで饒舌に綴られる、カトリック系女子高生の内省。
    その内なる己への顧みは、痛いくらい滑稽であり僕を心から笑かしてくれるのだが、全体的に薄い爽やかな膜に覆われている。
    それが少し恥ずかしい。
    膜があるからこその青春小説、膜を破ってこその青春小説。
    とても面白かった。

  • 若合さんのことばは矢張り綺麗だ。流れるような滑るような。


    教えて。 命の在り処は、誰が決めるの?
    この章で物語は一気に若合さんの世界に染まるなあ、と泪致しました。

    綺麗だなあ。

  • 100205(c 100329)

  • 17歳の少女の一人称で綴られている話。
    本当に普通の17歳なのだが、
    彼女を取り巻くありふれた日常が瑞々しく描かれている。
    学校生活、青果店を営む家族との生活、
    友達の自殺、ボーイフレンドとのロストバージン、
    それらをサラリと時間の流れに乗せている。
    乳癌で母を失い、その母にまつわる話のくだりは、
    胸がキュンとなり切なかったけれど、
    全体的にユーモアあふれる文章で、
    ほのぼのとした気分になれた。

  • 久し振りの読み返し

  • 僕は、お着物の方が、好きだなぁ。

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