無花果日誌 (角川文庫)

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  • 角川書店 (2005年7月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784043794010

作品紹介・あらすじ

カトリック女子高に通う桐子は17歳。家の近所の下品な環境にうんざりしてお嬢様学校に入ったけれど、お上品ぶった同級生や修道女って? 生と死、恋と性…。生意気で感じやすい17歳の日常を瑞々しく綴った話題作

みんなの感想まとめ

生と死、恋と性をテーマにしたこの作品は、17歳の女子高生・桐子の日常を瑞々しく描き出しています。彼女は母親を亡くし、家族のために奮闘しながらも、同級生との友情や葛藤を通じて成長していく姿が印象的です。...

感想・レビュー・書評

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  • 多分仙台の、お上品なカトリック系女子高に通う桐子(とうこ)は、ハイソなクラスメートとは違い、青果店の娘。
    近所のおじさんたちの下品でイヤらしい生態が嫌でお嬢様学校に通ったというのに、上品ぶっても品性下劣な同級生や、向上心も親切心も感じさせない修道女や教師たち、非寛容で罰を与えることしかしないキリスト教の神などに疑問を感じる毎日。

    亡き母の高校時代の友人だったという加代子さんの息子、我孫子郁(あびこかおる)と恋愛中。
    耳年増だけど実際は初心な桐子は、郁のペースについて行くので精いっぱい。
    とはいえ郁も初めてなので、まあいろいろあるわけです。

    で、この本、平成14年に刊行された本なのですが、読んでいて全然平成感がない。
    時代を問わない思春期の少女の内面を描いているわけだから、別に平静という時代を前面に出す必要はないのだけれど、いかんせん文体が古臭い。
    絶対私より年上の人が書く文章。

    まず、郁クンという表記。
    これ、1970年代の高校生が使っていた表記でしょうが。
    「~だよネ。」とか「~なのデス」などのように、語尾に唐突にカタカナを使う。(この作品中ではそのような表記はないけれど)
    私が小学生の頃に高校生くらいだった人たちの文章。
    手書きの文字は、びっくりするほどの丸文字だったはず。

    そして妙に哲学的でもってまわった思考をもてあそぶスタイルは、やっぱり70年代の高校生っぽい。
    今どきの高校生のリアルな文章がどのようなものかは私も知らないけれど、今の若い人はもっと感覚的な書き方をすると思う。
    今の、と言っても20年前なのだが。

    高校生の日常を読みながら、年配者の文体。
    これに慣れることができなくて、最後まで違和感を抱えたままの読書だった。

  • 初読の作家。検索してもほとんど本が見当たらないので、寡作の作家の模様。

    海の近くのいなか街で暮らす桐子は、中学の時に母親を乳がんで亡くし、八百屋の父と弟に対して母親代わりで生活する。とはいえ、多感な中学3年から高校2年までであり、友達はどんどん初体験を済ませ、退学処分を受け…。

    日記らしく、時にはライトノベルのように、書き文にも自分の感情を隠さず描くタイプの小説である。裕福でない家柄とは別に、家の外ではミッションの女学校に通ったり、亡き母の病室の友であり、高校の同級生でもあった加代子の裕福な生活と、よくある貧乏に対する恨みつらみという部分が中盤以降出てこないので、かなり読みやすい。

    女子高生が、友達にムカついたり弟と言い争ったりするだけだが、読みすすめるほどに友情の変化あり、落ち込んだりと、みずみずしい表現が魅力的に感じてくる。勢いに任せて書かれているようで、かなり的確な表現と適切な無駄が非常に心地よい。

    難を言えば、もう少し普通の街の普通の職業の家庭のほうが、感情移入がしやすいところがあったと思う。NHKの朝ドラもだが、貧乏であるというだけのことに感情移入できる世代は、そろそろ引退なのである。

    2002年ということになっているが携帯電話も出てこず、それよりずっと前に書かれたのか、昔を回顧して書かれたのか定かではないが、ある程度の歳で書かれたのであれば、高校生になりきれているように見え、なかなかすごい作家なのだなあと感じた1冊。

  • 十代の世界は狭い。しかし、世界なんてものは、そもそもがある程度は狭い方がいいのかもしれない。狭く深く。そのほうが、惑わされずに疑うことが出来る。「広い世界を知れ」なんて、それがさもいいことのように喧伝されるけれど、その結果、処理しきれなくなって、ぜんぶ世界に丸投げにしてしまう人には、正直なところ、辟易する。抱えきれない荷物に潰されて、さあどうだ、重いんだぞ、と息巻く大人の滑稽さを、「だったらその荷物、降ろしたらどうです?」と言ってしまえる。それが疑問というものだし、案外、核心だったりするのだ。
    ポップな文体の青春小説だなあ、と思って読んでいると、いつの間にか、そんなふうなことを考えさせられている。意識が文章の外側に行く、と言うのを基本的には好まない私だが、そこが気にならなかったと言うのが面白い。おかげで、文章量以上に内容があるような気にさせられた。解説に、「トム・ソーヤの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」を思い出す、とあった。なるほど。青春小説かくあるべし、という作品である。

  •  青春爆走している女の子の手記。
     女の子ってすげえなあ…と思わされました。「下劣」な地元の「オジサン」どもへの軽蔑やぴーぴー騒ぐ同級の女子たちへの冷たい視線や高邁な宗教者としてしか生徒に接することのできないマ・スールたちへの憎悪と、そんなネガティヴな感情を抱く自分への失望を両方抱えられる、少女という年代。
     読んでいるうちに、虚構と現実がないまぜになった不思議な浮遊感を感じました。地元なので。

  • 母親を亡くした青果商の娘、桐子はカトリック系お嬢様学校に通う17歳。周りを醒めた目で見、母親の入院した病室で隣だった加代子さんの息子で1歳年上の郁クンの事が好き。17歳の夏休み、いざロストバージンをと意気込むがうまくいかず。秋には同級生の自殺があり宗教について、教育について考え、キリスト者への不信を露わにし、中学の時の親友は出産し、といった17歳まっしぐらの女の子の5月から元旦までの赤裸々な内情を綴った日々。とにかく桐子が可愛くて。自分にもあった17歳当時の事を考えてみたりした。ロストバージンの後の生理痛は大変だ、なんて記憶はないというか遙か霧の彼方で、これが年を取りおばさんになる事かとしんみり。

  • 塩竈などを舞台とした作品です。

  • 「日誌」とタイトルにもあるが、そんな簡潔な言葉で括られるのも憚られる位、過剰なまで饒舌に綴られる、カトリック系女子高生の内省。
    その内なる己への顧みは、痛いくらい滑稽であり僕を心から笑かしてくれるのだが、全体的に薄い爽やかな膜に覆われている。
    それが少し恥ずかしい。
    膜があるからこその青春小説、膜を破ってこその青春小説。
    とても面白かった。

  • 若合さんのことばは矢張り綺麗だ。流れるような滑るような。


    教えて。 命の在り処は、誰が決めるの?
    この章で物語は一気に若合さんの世界に染まるなあ、と泪致しました。

    綺麗だなあ。

  • 100205(c 100329)

  • 17歳の少女の一人称で綴られている話。
    本当に普通の17歳なのだが、
    彼女を取り巻くありふれた日常が瑞々しく描かれている。
    学校生活、青果店を営む家族との生活、
    友達の自殺、ボーイフレンドとのロストバージン、
    それらをサラリと時間の流れに乗せている。
    乳癌で母を失い、その母にまつわる話のくだりは、
    胸がキュンとなり切なかったけれど、
    全体的にユーモアあふれる文章で、
    ほのぼのとした気分になれた。

  • 久し振りの読み返し

  • 僕は、お着物の方が、好きだなぁ。

  • あー私もこういう風に感じたことあるなぁ、て思えるところだらけでした。
    女子高生の秘密の日記を読ませてもらってる感じ。
    他の春侑さんの作品とはちょっと感じ違うけど、これもいいなぁ。

  • 女の子は(多分)誰でも通る道のことだったり。

  • 県内1のお嬢様学校に通うごくごく普通の一般家庭の桐子サンの日記。家のこと彼氏のこと、妙な日本語を使う学校のシスターのこと、同級生のこと。色々てんこもりでいつの時代も女子高生は忙しいのだ。

  • 性にたいして関心を持ったり
    お嬢様になることを夢見たり
    普通の女子高生なんだけど
    小説家並みの日誌の構成力。。。

    比較的読み易かった。
    カトリック学校とは本当にこんなんなのかという興味が残った。

  • カトリックの女子高に通う女の子の日常の一コマ。お母さんが死んだり、初恋をしたり、そうしながら、少し大人になっていく。と書いたけど、この人の書く話はどこか遊びがあるので楽しいです。

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